コクヨとJR東日本は、2019年に発見された「高輪築堤」に使われていた木材を活用した鉛筆と鉛筆削りを製品化し、応援販売サービス「Makuake(マクアケ)」にて500セット限定で予約販売を開始すると発表した。

  • 「記憶のえんぴつ」パッケージデザインイメージ

高輪築堤は、1872(明治5)年に日本初の鉄道が開業した際、海上に線路を敷設するために築かれた鉄道構造物。鉄道用地の取得が困難な地域を避けて鉄道を通すため、海上に堤を築いてレールを敷き、その上に蒸気機関車を走らせた。

2021(令和3)年に行われた発掘調査により、高輪築堤は盛り土、築石、石垣などのほか、当時の海底面に打ち込まれた杭や基礎部分に木材を使用していたことが判明。約150年間、酸素の行き届かない地中に密閉された状態だったため、これらの木材はほぼ腐敗せずに発見されたという。

  • 「記憶のえんぴつ」

  • 鉛筆削り

JR東日本は高輪築堤の歴史を新たな形で伝えるため、木材が持つ「記憶」を鉛筆の形にして次の使い手に継承する取組みを行うコクヨと提携。記録保存作業を終えた高輪築堤の木材を無償で提供し、コクヨと協力会社が1本1本手作りで鉛筆に加工した。「記憶のえんぴつ」の名称で販売する。

高輪築堤の木材は木質が硬く、一般的な鉛筆削りで削ることが困難だという。小型鉛筆削りの刃の製造で突出した技術を持つ中島重久堂とコラボし、胴木を使った鉛筆削りも開発した。

  • 高輪築堤構造図

両商品とも応援販売サービス「Makuake」にて、12月8日18時まで予約を受け付ける。販売予定数量は500セット。12月中旬に届ける予定とのこと。「記憶のえんぴつ」1本(「Makuake」超早割価格2,970円)、「記憶のえんぴつ」2本と鉛筆削りのセット(「Makuake」早割価格1万5,675円)など、全9コースを設定している。