東京商工リサーチは10月6日、2023年全国「社⻑の住む街」調査の結果を発表した。調査は、同社企業データベース約400万社の代表者データから、公開された出身地を抽出し集計したもの。なお、同一人物が複数企業で社長を務めている場合、売上高の大きい企業を優先している。

  • 2023年全国「社⻑の住む街」ランキング

    2023年全国「社⻑の住む街」ランキング

2023年全国「社⻑の住む街」ランキングの結果、前回(2021年調査)に続き、東京都「港区⾚坂」(4,099人)が唯一の4,000人台で1位に輝いた。都市型の商業施設や繁華街がある一方、高級マンションが建ち並ぶ閑静な住宅地も多いエリア。米国大使館など各国大使館も点在し、大使館員や外資系企業の社員も多い。

続く2位は、世界一の乗降客数を誇るJR新宿駅西側に位置する「新宿区西新宿」(3,395人)。都庁など高層ビル群が副都心を形成。近年はタワーマンション建設が進み、アクセス至便で富裕層の人気を集めている。

また、1位の「赤坂」に続き、3位に「六本木」、4位に「南⻘⼭」、6位「芝浦」、7位「⾼輪」、10位「南麻布」と、トップ10内に港区から6つの街がランクイン。港区は⽇本の政治・経済・⽂化の中⼼地となっており、港区の⼈⼝に占める社⻑⽐率は15.1%(前回13.8%)で、これは、住⼈の6.6⼈に1⼈が社⻑という割合となる。

さらにトップ100をみると、東京都以外では、神奈川県の「三浦郡葉山町」(1,496人)が58位ランクイン。次いで、大阪府「大阪市西区南堀江」(1,418人)が65位に、同じく大阪府「大阪市福島区福島」が前回100位から87位に浮上。100位までに大阪府から2エリアがランクインした。

  • 2023年全国「社⻑の住む街」ランキング(市区郡ベース)/東京都以外の上位市区郡

    2023年全国「社⻑の住む街」ランキング(市区郡ベース)/東京都以外の上位市区郡

市区郡別では、トップ10を東京23区が独占。最多は、東京都「世田谷区」の5万4,262人。前回調査以来、唯一、5万人を超えている。2位は東京都「港区」の3万9,516人で、人口に占める社長比率は15.1%(前回13.8%)と断トツで、“社長だらけ”の街といえる。3位は東京都「渋谷区」(2万9,090人)で、町村別で5位に入った「代々木」のほか、「広尾」「恵比寿」「神宮前」が14位から16位に並び、社長比率は港区に次いで2番目に高い12.6%となった。

東京都以外では、13位に埼玉県「川口市」、20位に千葉県「船橋市」、21位に大阪府「東大阪市」、22位に千葉県「市川市」、23位に兵庫県「西宮市」などが上位に。都市圏のベッドタウンや中小企業の集積地に社長が多く住んでいる。

  • 2023年全国「社⻑の住む街」ランキング(都道府県庁所在地)

    2023年全国「社⻑の住む街」ランキング(都道府県庁所在地)

また、都道府県庁の所在地別で人口に占める社長比率をみると、企業数と社長数が圧倒的に多い「東京23区」が5.2%でトップに。なかでも、「港区」(15.1%)、「渋谷区」(12.6%)、「千代田区」(12.2%)で高い割合に。次いで、2位に「大阪市」(3.8%)、3位に「福岡市」(3.1%)、4位に「京都市」(3.05%)、5位に「名古屋市」(3.04%)と続き、上位5位までが3%を超えた。