オハヨーバイオテクノロジーズは9月19日、「妊娠・出産による体調変化」に関する調査結果を発表した。調査は6月4日~12日、20~40歳代の女性242人(出産経験者121人、未出産者121人)を対象にインターネットで行われた。

  • 妊娠中の身体の変化

    妊娠中の身体の変化

妊娠中の女性に起こる身体の変化として知っていることを聞いたところ、「つわり」(67.4%)が最も多く、次いで「妊娠線」(55.8%)、「貧血・立ちくらみ」(48.8%)が上位に。「歯肉炎」と回答したのは全体の17.0%にとどまり、未出産者においては9.9%と非常に低い結果となった。

■歯周病が及ぼす妊婦へのリスク

日本産科婦人科学会専門医・女性ヘルスケア専門医であり、「エミクルクリニック」で院長を務める谷内麻子氏によると、妊娠中は女性ホルモン(エストロゲン)が増加することで、歯周病の原因となる女性ホルモンが大好物である菌「プレボテラ・インターメディア」が増殖しやすく、歯肉炎が起きやすくなるとのこと。

歯肉炎があると炎症物質のプロスタグランジンが産生され、これにより子宮収縮が惹起されることがあり、歯周病がある妊婦さんでは、歯周病が無い妊婦さんに比べて、早産リスクが 2.27 倍、低出生体重児のリスクは 4.03 倍高くなるという。

これらのことから、現在では母子手帳に歯科健診受診券が組み込まれており、妊娠中に歯科で適切な診断を受けるよう推奨されている。しかしながら、実際に受診する妊婦さんの数はまだまだ少ないのが現状だという。

■妊娠中のオーラルケアについて

妊娠中のオーラルケアについて、日本歯周病学会理事であり、オーラルケアクリニック恵比寿「若林歯科医院」の院長・若林健史氏によると、つわりによって歯磨き粉の味や匂いが辛い場合は、無香料のものを使用するか、あるいは歯磨き粉を使用せずに磨くと良いとのこと。

また歯ブラシのサイズは小さめのものを選び、リラックスした状態で歯磨きをしたり、口腔乾燥のために唾液による自浄作用が減る可能性もあることから、洗口剤を併用すると良いという。

理想のオーラルケアとしては、毎日の歯磨きによる「セルフケア」と、定期的に歯科医院でクリーニングしてもらう「プロケア」、さらに、歯磨きや口内のクリーニングだけでは口の中の善玉菌まで減らしてしまう可能性があるため、善玉菌であるロイテリ菌を摂取し、悪玉菌を抑えて相対的に善玉菌を増加させることで体内の菌バランスをコントロールする「バクテリアセラピー」を加えると、歯周病やむし歯、口臭の予防効果がさらに高まるとのこと。