Z世代(※)を対象としたシンクタンク組織『Z総研』は9月14日、Z世代を対象とした「広告」に関する意識調査の結果を発表した。同調査は2023年4月7日~4月9日、全国、12〜15歳28名、16〜18歳117名、19〜22歳32名、23歳〜25歳10名、計187名を対象に、インターネットで実施された。※ジェネレーションZ世代(1995年以降生まれの若年層)

  • Z世代が“好む広告表現”と“苦手な広告表現”とは?

  • 企業が発信するメッセージや広告表現で好意的なもの

アンケートにて「企業が発信するメッセージや広告表現で好意的なものを教えてください」と尋ねたところ、「オシャレ感やトレンド感がある」(27.9%)が1位、「共感性が高く自分ごと化できる」(13.7%)が2位となった。その他には「面白いアイディア」(13.2%)、「ストーリー仕立て」(11.5%)、「ユーモアがある」(10.0%)がランクインしており、広告でもエンタメ要素の強いものが好意的に捉えられやすいのかもしれない。

アンケートに回答したZ世代によると、「トレンドや流行りは一番目を引く」(17歳/高校3年生)、「独自の世界観やそのブランドのコンセプトが分かるものが良い」(17歳/高校3年生)という意見があった。

  • 好意的なメッセージを発信している企業に対して取る行動

好感度の高い企業に対しては、公式SNSやサイトをチェックしにいく

アンケートにて「好意的なメッセージを発信している企業に対して取る行動を教えてください」と尋ねたところ、「公式SNSやサイトを見に行く」(29.4%)という回答が最も多く、続いて「公式SNSをフォローする」(28.0%)という結果となった。

広告などで好意的なメッセージを発信している企業に対しては、公式SNSやホームページを閲覧する、さらにはフォローをして継続的に発信している情報を閲覧するといった人が多いようだ。また、どんな企業かが気になって「企業について調べる」(13.2%)という意見や、実際に「商品を購入する」(16.9%)という回答も見られた。

アンケートに回答したZ世代によると、「他の商品も見てみたいと思って、比較をするために企業について調べたり、SNSや公式サイトを見に行ったりすることが多い」(16歳/高校2年生)と、興味を持ったらさらに自分でSNSやWEBサイトで詳細の情報を調べているようだ。

  • 好まない(苦手な)企業が発信するメッセージや広告表現

アンケートにて「好まない(苦手な)企業が発信するメッセージや広告表現を教えてください」と尋ねたところ、最も回答が多かったのが「不安を煽るような表現」(20.6%)で、続いて「コンプレックスを助長する表現」(20.0%)、同率で「ジェンダー差別的表現」(16.7%)、「容姿に対しての押し付け」(16.7%)となった。

アンケートに回答したZ世代によると、「苦手なものが来たら反応せずそのままスルーする」(16歳/高校1年生)とのことだ。

  • 好まない(苦手な)メッセージを発信している企業に対して取る行動

アンケートにて、「好まない(苦手な)メッセージを発信している企業に対して取る行動を教えてください」と尋ねたところ、「特に何もしない」(46.5%)が最も多く、続いて「商品を購入しない」(24.4%)、「公式SNSをブロックする」(13.8%)という結果になった。好まない(苦手な)メッセージを発信している企業に対しては、そもそも関心を持たずに何も行動を起こさないZ世代が大半で、行動を起こしたとしても「商品を購入しない」や「公式SNSをブロックする」などネガティブな行動が多いことがわかった。

アンケートに回答したZ世代によると、「容姿についての押しつけは見ていて不快」(16歳/高校2年生)と押し付け的な表現に嫌悪感を抱いている人が多いようだ。

今回の調査結果から、好まれやすい広告表現としては今っぽさや自分ごと化しやすく共感性の高いもの、苦手な広告表現としては個人のコンプレックスや不安を過剰に煽る表現ということがわかった。 また、そういった苦手な広告表現をしていた企業に対して取る行動として最も多かった回答が「特に何もしない」だったことや、インタビューに回答したZ世代の「苦手なものが来たら反応せずそのままスルーする」という回答から、情報社会の中で生きているZ世代のスルースキルの高さが垣間見えた気がする。