JR北海道は13日、「北海道ボールパーク Fビレッジ」隣接地に設置する千歳線の新駅計画について発表した。計画の見直しで駅の位置が変更され、球場までの距離は約300mに。待避線に乗降場を設けた相対式ホームの駅となる。

  • 「北海道ボールパーク Fビレッジ」隣接地に設置する千歳線新駅のイメージ(JR北海道提供)

「北海道ボールパーク Fビレッジ」隣接地に設置する千歳線新駅に関して、JR北海道は2021年9月に北広島市から調査設計を受託し、計画の検討を進めてきた。しかし、労務賃金と資材の高騰で工事費が増加傾向にあり、2023年3月に北広島市から再検討の依頼を受け、工事費圧縮・工期短縮を配慮した計画の見直しを実施。今回、見直し後の新駅計画を策定した。

新駅は千歳線の上野幌~北広島間に設置され、札幌駅から約20km、北広島駅から約2kmの距離に位置する。計画の見直しにより、新駅の位置が当初の計画より北広島駅側へ約200m移動し、改札の位置も球場3塁側「3rd BASE GATE」から直線上の位置に変更。球場までの距離は約300mとなり、当初の計画(約400m)より100m短縮された。

  • 球場から約300mの位置に新駅を設置予定(JR北海道提供)

駅の構造も、当初の計画では上り本線・下り本線の内側に待避線(上り副本線・下り副本線)と引上げ線を設置し、待避線の間に乗降場を設けた島式ホームの駅となっていたが、計画の見直しにより、上り本線・下り本線の外側に待避線(上り副本線・下り副本線)を設置し、待避線にそれぞれ乗降場を設けた相対式ホームの駅に。上り本線・下り本線の移設工事を不要としたことに加え、新設の待避線と乗降場を本線より可能な限り離れた位置とすることで、本線を走行する列車のために工事を一時中断することなく、継続して工事を実施できるようにした。

あわせて新駅の改札内旅客通路(鉄道施設)と自由通路(市施設)の構造を一体化。新駅への引上げ線の設置は取りやめとなったが、北広島駅構内で2番線から3番線へ走行可能な線路を新設することにより、北広島駅で札幌方面へ折り返す機能を確保するという。

  • 上り本線・下り本線の外側に待避線(上り副本線・下り副本線)を設置。新駅のホームは相対式に(JR北海道提供)

  • 北広島駅構内の2番線から3番線へ線路を新設し、札幌方面へ折り返す機能を確保する(JR北海道提供)

新駅計画でとくに配慮した事項として、乗降客が集中しても安全に利用できる駅設備、列車通過時の安全と列車への乗降時分が十分に確保できる線路配置、臨時列車に対応した折返し機能の確保(北広島駅設備の利活用)、ボールパークエリアと新駅間のスムーズな移動経路の確保、新駅周辺の新たなまちづくりが誘導されるように配慮することを挙げている。

この計画が北広島市と合意した場合、新駅の工事着手に向け、JR北海道は新駅施設の詳細設計と鉄道事業法の手続きを行う予定。北広島市は工事費資金の確保、用地取得、関係する都市計画変更の手続きを進める予定となっている。工期は、設計・行政手続きに約1年、工事期間は約4年。ただし、工事着手の時期は未定としている。計画通りに予算措置されない場合や資材・機器調達が遅れた場合、工期が延びる可能性がある。