俳優の成田凌が主演を務めるカンテレ・フジテレビ系ドラマ『転職の魔王様』(毎週月曜22:00~)第9話がきょう11日に放送される。このたび石田ゆり子がコメントを寄せた。

  • 石田ゆり子=カンテレ提供

■『転職の魔王様』第9話 石田ゆり子演じる落合洋子の過去明らかに

額賀澪氏による同名小説を映像化する同作は、「転職の魔王様」の異名を持つ毒舌敏腕キャリアアドバイザーが、求職者の仕事や生き方への悩みを辛辣な言葉で一刀両断しながらも、働く自信と希望を取り戻させる“転職”爽快エンターテインメント。

第9話でメインとなるのは、石田演じる「シェパードキャリア」の社長・落合洋子。社員にとって尊敬できる上司であり、太陽のような存在である洋子は、来栖(成田)や天間(白洲迅)を自社に誘い入れた人物で、社長として頼りになる一方、優しくてチャーミングな人柄も魅力的だ。そんな洋子だが、今夜、金子ノブアキ演じる恋人の五十嵐君雄が10年間自宅に閉じこもっている、いわゆる“ひきこもり”状態だという事実が明かされる。洋子は君雄がきっかけで、「たとえ心や体に傷を負ったとしても、もう一度社会で活躍できると信じたい」と、転職エージェント会社「シェパードキャリア」を立ち上げたのだが、現実には、長い間社会との接点を断ち、職歴に空白期間がある求職者が再就職をするのは容易ではない。それでも洋子は「転職エージェントの仕事は、困っている人に寄り添って、何度つまずいてもやり直せる。そんな社会のために必要な仕事だ」と自らの会社に誇りを持ち、君雄の未来を照らし続けてきた。

現在、“ひきこもり”状態の人は推定100万人以上いると言われ、当事者はもちろん、彼らの生活を支える両親もまた高齢化が進んでいることから、ひきこもりの問題は「8050問題」と呼ばれ、事態は深刻化の一途をたどっている。子どもたちからも慕われていた真面目で優しい小学校の先生の君雄がなぜひきこもりになってしまったのか。今回は、君雄の両親や洋子が知りたかったその理由が10年越しに明らかになるとともに、恩人である洋子のために、来栖や千晴(小芝風花)、そして「シェパードキャリア」のメンバーが、総力をあげて洋子を助けようと立ち上がる。10年にわたり君雄を見守り続けてきた洋子は、優秀で心優しい部下たちの助けを借り、殻に閉じこもった恋人を再び陽の当たる場所へと連れ出すことができるのか。

■石田ゆり子(落合洋子役)コメント

――これまでの放送を終えて、周囲の反応はいかがでしょうか? 演じるにあたり大切にしていることは?

「一話完結で見やすい」という感想をよくいただきます。あと、私の周りだと、洋子さんの衣装が楽しみだという声もたくさんもらいますね。洋子という私の役回りは、みんなの保護者みたいなものなので、「こんな会社があったらいいな」とか、「こういう人が社長だったらいいな」って思ってもらえれば良いなと思って演じています。

――9話で明かされる恋人の存在、その彼がひきこもり求職者であるということ。これまでの求職者の中でも難しいテーマですが、印象に残ったシーン、セリフがありましたらお教えください。

9話で、洋子さんの過去が明らかになります。こういう過去があって、こういう思いがあって、シェパードキャリアを作ったのねと分かる回になっています。職歴の空白期間が長ければ長いほど、再就職のネックになるというシーンがあって。何年もひきこもっている方が、再就職することは、とても大変なことだというのを再認識する回でもありました。劇中で「人の気持ちを動かすのはやっぱり人」というセリフがあります。結局、いいことも悪いことも、人からしか何も始まらない。そういう回だったなと思いますね。

あと、とにかく私は……ものすごく撮影が暑かったですね。これまでで一番暑かった撮影でした(笑)。ただ、恋人の君雄くんを演じられた金子ノブアキさんが、すごく素敵で救われました。君雄くんの悩みやナイーブさなど、金子さんが演じるとすごく納得できるというか、とてもリアルに素敵に演じてくださって、私もありがたかったです。

――撮影現場でのエピソードお教えください。

撮影中、やたら成田くんに聞かれたのは、「最近何買いましたか?」とか「寝るとき、どんなお布団がおすすめですか?」とか(笑)。普段どういうものを使っているか、よく聞かれて話していたら、「みんな、ゆり子さんのおすすめの枕と布団を買いましたよ」って(笑)。成田くんが、僕たちはみんな同じ布団なので、みんなで一緒のベッドで寝ているようなものですよって言っていて。なるほど一理あるなって、なかなか面白いこと言うなって思いました(笑)。

――都知事や社長など、責任ある立場を演じられることも多く、視聴者はどうしても石田さんに理想の上司像を重ねて、憧れをもってしまうかと思いますが、ご本人としてはいかがですか?

ありがたいなと思いますが、私個人としては、上司になったことがないので、いつも手探りなんです。ただ、年齢を重ねていくにしたがって、どうしても若い人たちにとっての“人生の先輩”にはなってしまうので、だから「あんな大人になりたくない」とは、思われたくないなと、いつも思っています(笑)。

――石田さんにとっては“理想の上司”とはどういった人物でしょうか?

私がとても好きなのは、私の20歳くらい上の世代の方々なんです。その方々が、戦後の日本を、ベースを作ってきたと思うんです。すごく自由で、破天荒な時代。その時代に青春時代を送ってきた人たちは、やっぱり素敵だなと思います。

――キャリアアドバイザーにちなみまして……、石田さんは実生活では、悩みを話すタイプでしょうか? またはアドバイスをするほうが多いでしょうか?

どっちもありますが、昔から相談されるほうが多い気がします。相談しやすいタイプなのかもしれません。

――そうですね。誠実で、自分の言葉で話してくださるというか、ウソがないというか……。

そうでしょうか。確かに言葉にはうるさいタイプかもしれない(笑)。言葉が好きですね。

――撮影を乗り切る石田さん自身のリラックス方法を教えてください。

やっぱりちゃんと運動することと、ちゃんと寝ることですかね。

――9話の見どころ・視聴者へのメッセージをお願いします!

9話は、洋子さん出すぎ! っていうくらい出ております(笑)。見どころとしては、洋子のためにシェパードキャリアのみんなが立ち上がってくれて、シェパードキャリアの良さがでている回だと思います。あとは、毎話そうですが、“人が人を救う物語”。特に今回は、“人情味あふれる回”だなと思います。また、社会問題の「8050問題」というセンシティブなテーマを扱っています。何か考えるきっかけになればなと思っています。