「機動戦士ガンダム」の最新TVシリーズ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』のイベント「『機動戦士ガンダム 水星の魔女』フェス ~アスティカシア全校集会~」が6日、幕張メッセで開催された。
2022年10月からSeason1が、そして翌2023年4月からSeason2の放送がスタートしたTVアニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』。この度、放送を終えて約1か月後の8月6日、「『機動戦士ガンダム 水星の魔女』フェス~アスティカシア全校集会~」が開催された。会場には約2万3千人が集まり、ステージではキャストたちの朗読や生アフレコ、OP・EDテーマアーティストによるスペシャルライブ、本作の音楽を担当する大間々昂率いるスペシャルコラボオーケストラによる劇伴の生演奏などが行われた。
当イベントは、スレッタ・マーキュリー(市ノ瀬加那)が、この全校集会でミオリネ・レンブラン(Lynn)を喜ばせるために準備したプログラムを実施すべく四苦八苦するという、書き下ろしのオリジナル朗読劇から開始する。ステージ上の巨大なLEDモニターには、この朗読劇のために特別に描き下ろされた多数のイラストが映し出され、全校集会の参加に乗り気でないミオリネを、あの手この手で誘おうと奮闘するスレッタと学園の学生たちが繰り広げるコミカルな掛け合いが描かれた。
オーケストラによる壮大な生演奏とともに、イベントのスタートが飾られると、グエル・ジェターク(阿座上洋平)、シャディク・ゼネリ(古川慎)、ニカ・ナナウラ(宮本侑芽)、“チュチュ”ことチュアチュリー・パンランチ(富田美憂)、ラウダ・ニール(大塚剛央)、ソフィ・プロネ(井澤詩織)、ノレア・デュノク(悠木碧)たちが次々と全校集会の場に集結する。
ストーリーが進むと、スレッタに敵対心を燃やすラウダの暴走により他の登場人物も巻き込んだ決闘が発生。スレッタがプログラム披露のために保有するイベントの持ち時間を懸けることに。TVアニメ本編では金銭、栄誉などお互いに望むものを懸けてモビルスーツによる決闘が度々行われ、熾烈な戦いが繰り広げられていたが、この全校集会では本作のWEBラジオ番組「『機動戦士ガンダム 水星の魔女』アスティカシア高等専門学園 ラジオ委員会」を手掛けるインターネットラジオステーション 音泉によるスペシャル企画「立会人を唸らせろ!セリフで決闘」で勝敗を決めることに。TVアニメ本編でスレッタが作っていた「やりたいことリスト」にちなみ、「自分が演じるキャラクターの≪人には見せられないやりたいことリスト第1位≫」をテーマに、キャスト陣が渾身の決め台詞を披露し競う平和的な方法が採用された。
先陣を切るチュチュ役の富田より「あーしだってなあ、ホントは…ピンクの、ふわふわ、花柄きゅるきゅるワンピースが、着たいんだもん!」という意外性を突いたセリフが出るとそのかわいさに会場も納得の歓声が上がり、ほかにも悠木が「ソフィのやりたいこと、私も一緒にやりたい」、古川の「もし機会があるなら真っ赤なトマトになってきみに齧られたい」。大塚は「実は!前髪をピンクに染めてみたい!」。市ノ瀬も「寝てるミオリネさんの顔に、盛大に落書きしてみたいです!!」などキャスト陣が想像するセリフを思い思いに披露し、会場に轟かせた。
立会人を務める阿座上により、一番会場にどよめきと困惑をもたらした古川(シャディク)の勝利が告げられて決闘は収束。決闘に負けてしまい、持ち時間を奪われてしまったスレッタはミオリネのために準備したプログラムをお披露目することはできるのか――!?気になる物語の結末はイベント後半に持ち越された。
続くライブパートの先陣を切ったのはSeason1のEDテーマを担当したシユイ。「君よ 気高くあれ」を力強く歌い上げ、会場をさらに盛り上げた。ライブの後にはキャストたちによるトークパート「アスティカシア全校集会 休み時間トーク!」(以下「休み時間トーク」)が始まり、宮本、富田、井澤、悠木の女性キャスト陣が登場し、本編では見られないレアな組み合わせでのトークが展開された。会場の熱気に驚いた井澤からは「リハーサルの時は全然暑くなかったのに!」と集まった観客の多さに驚きを見せ、朗読中には井澤と共にトロッコで登場した悠木からは「ガンダムに乗ったみたいで爽快だった!」と感想が飛び出した。
そしてここでサプライズとして、Season1のOPテーマアーティストのYOASOBIからのビデオメッセージが届けられ、Ayase、ikuraの2名から「祝福という楽曲を通して『水星の魔女』を皆さんと同じように楽しんできました。その世界観にどっぷり浸かって楽しんでいく中で、作品に携われることができて本当によかったなと思っています。この後もイベントを楽しんでください!」とコメントが寄せられた。
続くプログラムでは、オーケストラによる劇伴の演奏とコラボレーションした、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』から名シーンを抜粋した生アフレコが披露された。スレッタをそばで見守ってきたエアリアルことエリクトによるモノローグからスタートすると、キャストたちの熱演により思い出深いシーンの数々がよみがえっていく。生アフレコが進むとスレッタの母、プロスペラ役の能登麻美子がサプライズで登場し、Season1OPテーマ「祝福」の生演奏が流れるなか、市ノ瀬と共に第12話の印象的な親子の共演シーンを披露した。数々の名シーンの生アフレコが披露された後には、アイナ・ジ・エンドがステージに現れ、Season2のEDテーマ「Red:birthmark」を、感情を爆発させるかのように歌い上げ会場を圧倒した。
ここで再び始まった「休み時間トーク」には、今度は阿座上、古川、大塚の男性キャスト3名が登場した。本編第6話のグエルのキャンプシーンに紐づいて、朗読劇でもキャンプの場面が映し出されたことについて、古川から「キャンプをするだけでこんなに湧くのはずるい!」とツッコミが入ると、阿座上も「僕自身もキャンプが好きなのでなぜかリンクしてしまうというか、たまたまグエルのキャンプ回と同じ日に僕もキャンプしていたり…」と和気藹々としたトークが続いていく。そして大塚からは「皆さんも驚いたんじゃないですか?サプライズ…」と先ほどの能登のサプライズ出演について触れられると、観客も拍手と深いうなずきで反応していた。
イベントの後半はアーティストyamaによるSeason2のOPテーマ「slash」のライブからスタート。エネルギッシュなパフォーマンスを披露し、後半のスタートに勢いをつけた。 再開された生アフレコの後半パートではスレッタとエリクト、2人の娘によってプロスペラがついにその歩みを止める場面、そして戦いを終え宇宙を漂うスレッタをミオリネが迎えに来る場面などの終盤の名シーンが披露されると、最終回で起用された挿入歌「宝石の日々」を歌うアイナ・ジ・エンドが再び登場しオーケストラの生演奏とともに、優しい歌声で会場を包み込み、生アフレコは幕を閉じた。
生アフレコ後には出演者たちからの挨拶が行われ、イタリアから来日し、オーケストラと共に圧巻の歌声で本イベントに花を添えたボーカリストのClara Sorace(クララ・ソラーチェ)と音楽担当の大間々はそれぞれ感謝を述べ、さらにシユイ、yama、アイナ・ジ・エンドたちOP・EDアーティストたちもステージに集結。
続いてキャストを代表して市ノ瀬、Lynn、能登が登壇すると、それぞれからイベントの感想を交えた締めの挨拶が贈られ、サプライズでの登場だった能登は「ここに立たせていただいていると、みなさんお一人お一人の作品に対する愛情や思いが伝わってくるようで…永遠にこの作品が皆さんの心に残りますように」と語ると、Lynnも「最初にイベントで生アフレコがあるって聞いた時はこんなにたっぷり時間を使ってやるとは思わなかったので、それもこんなに多くの作品を好きでいてくださっている皆様の前で、生演奏もありながら、なんて本当に一生忘れられない瞬間を味わっているなと感じました。本当にこんなにたくさんの方が『水星の魔女』を好きになってくださって、そして今も好きでいてくださって、この素敵な時間を一緒に過ごしていただけることに、本当に感謝しています。みんなで愛をもって作った作品なので、たくさんの人に観ていただけて本当に嬉しいです」と感謝を述べた。
市ノ瀬は「こうして対面でたくさんの皆さんがいらっしゃるのを見ると本当にすごい作品だなと思いますし緊張もしたのですが、楽しかったです!」と今日のイベントについて振り返ると、「この作品はスタッフの皆さん、キャストの皆さん一人一人が本当に一話ずつ一言ずつ、気持ちを込めて丁寧に作り上げてきました。そんな私たちの気持ちが、皆さんに届いたんだって実感していますし、ここにいる皆さん一人一人が『水星の魔女』を好きでいてくれることがとても嬉しいです。今後とも『水星の魔女』を応援してくれると嬉しいです」と改めて対面した大勢の観客の前に感極まり、涙ぐみながらコメントを残した。
感動のフィナーレを迎えこれにてイベント終了、と思いきや前半に展開され、完結していなかった朗読パートを完結させるべく、グエルとシャディクたちが乱入し、朗読劇が再開。前半で決闘に敗れ、イベントの持ち時間を奪われ落ち込むスレッタだったが、見かねたミオリネの計らいで急遽時間が与えられることに。スレッタが用意した企画「みんなで歌おう! 株式会社ガンダム 社歌」が発表されると会場には笑いとどよめきが巻き起こった。作中でミオリネが起業した「株式会社ガンダム」のPRのために生まれた劇中歌で、放送直後には独特のフレーズとメロディーが頭から離れないと話題騒然になった名(迷)曲を1万人の観客と一緒に大合唱することに。さらにトロッコに乗ったエアリアルが登場。トロッコで会場を周遊し、会場を盛り上げた。
改めてフィナーレではこの日の出演者が全員登壇し、市ノ瀬の掛け声を合図に「目一杯の祝福をみんなに!」という言葉で本イベントが締めくくられた。
エピローグではイベントのために作成されたTシャツを着た笑顔のスレッタとミオリネがスクリーンに映し出され、観客に向け撮影OKの時間が設けられるとともに、イベントにきた観客へのスレッタとミオリネからの感謝のコメントが寄せられた。
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