公開初日を迎えた映画『仮面ライダーギーツ 4人のエースと黒狐』(監督:中澤祥次郎)、映画『王様戦隊キングオージャー アドベンチャー・ヘブン』(監督:上堀内佳寿也)の舞台挨拶が28日、ユナイテッド・シネマ豊洲で開催された。主要キャスト、監督、ゲスト俳優がステージに登壇し、見ごたえ満点の映画の見どころを熱く語りあった。

  • 上段左から杢代和人、星乃夢奈、佐藤瑠雅、崎山つばさ、渡辺碧斗、村上愛花、平川結月、佳久創、下段左から中澤祥次郎監督、青島心、簡秀吉、工藤遥、長田庄平、中村獅童、佐倉綾音、酒井大成、池田匡志、上堀内佳寿也監督

上映終了後、『仮面ライダーギーツ』チーム、『王様戦隊キングオージャー』チームがそれぞれ客席通路から姿を現し、つめかけた大勢のファンを歓喜させた。さらには、サプライズで『キングオージャー』映画ゲストの中村獅童、佐倉綾音もかけつけ、総勢18人で舞台挨拶がスタート。それぞれが劇中での名セリフを発しながら、笑顔でファンの声援に応えた。

まずは『仮面ライダーギーツ』チームから。いつもと様子の違う「4人の英寿」に分裂し、それぞれ別々の世界で事件に巻き込まれるという浮世英寿/仮面ライダーギーツを演じる簡秀吉は「さあ、ここからがハイライトだ!」と英寿の名セリフを披露。今回の映画については「コメディ要素がたっぷり。そして『ギーツ』1年間の集大成にふさわしい内容になっています」と出来栄えに満足しつつコメントした。さらに「映画では、人にとって大切なことは何かとか、願い続ける限りいつかは叶うとか、大事なメッセージが込められていますので、それらを感じ取ってください」と続け、映画の深み、面白さをアピールした。

桜井景和/仮面ライダータイクーンを演じる佐藤瑠雅は「世界を救ったのは君たちだ!」と世界平和を願う景和らしいセリフで挨拶。映画の感想は「面白いです。ここまでコメディっぽい内容なのかと驚きました。僕が以前からやりたかった作風なので、すごく楽しく演じることができました。ギターをじゃらん……とするシーンとか!」と、時おり中澤監督のほうを見てニコリとほほえみながら語った。

鞍馬祢音/仮面ライダーナーゴを演じる星乃夢奈は「叶うよ、願い続ける限り!」と、『ギーツ』のテーマである「願い」の強さをうかがわせるセリフを披露。映画については「テレビシリーズ以来、久しぶりにお会いしたライダーの方もいたので、懐かしい気持ちになりました。ずっとギーツが私たちに送り続けていたメッセージの数々が、映画の中でつながったのも素敵」と、ロボ、ケイロウなどテレビですでに姿を消したライダーと再会したときの嬉しさや、『ギーツ』全体のテーマが映画でも雄弁に語られていることの素晴らしさを挙げた。

吾妻道長/仮面ライダーバッファを演じる杢代和人は「俺はギーツを信じる!」と、激しいライバル関係を経て互いに信頼し合う間柄になったギーツとの絆を感じさせる名セリフを披露した。映画については「ワンシーン、ワンシーン、100%でお芝居をぶつけており、現場の熱量がすごく高かった。そんな僕らの情熱が、スクリーンを通してみなさんに伝われば嬉しい」と話し、『ギーツ』1年間で培ったものをすべて映画に注ぎ込んだことを明かした。

デザイアグランプリのナビゲーター・ツムリ役の青島心は「夏映画、公開スタートです!」と、ゲーム開始の決めゼリフをもじって挨拶。映画の感想としては「なんだ、この面白い映画は!?っていう思いしかなかったです。台本を読んだ段階で面白かったのに、映画が完成するともっと面白かった! 日常生活で、なんかイライラしたときにこの映画を観ると、ほっこりした良い気分になれます!」と、精神を落ち着かせる癒しの映画になりえることを、まぶしい笑顔で断言した。

デザイアグランプリ・運営側のライダーだったが、現在では英寿たちの頼もしい味方となった晴家ウィン/仮面ライダーパンクジャック役の崎山つばさは「パンクに行こうぜぇ!」とパンキッシュに挨拶。映画について「子どもたちはもちろんのこと、大人の方にも”刺さる”内容です。老若男女、ぜひご覧になってほしいですし、何度も映画館に足を運んでもらって、今年の夏の思い出にしていただければ」と、世代を超えて楽しむことのできる映画であると自信のほどを見せた。

映画のゲスト、世界滅亡ゲームを仕掛ける未来の指名手配犯・メラ/仮面ライダーX(クロス)ギーツ役の長田庄平(チョコレートプラネット)は「そろり、そろり」と、狂言師・和泉元彌のモノマネで客席を笑わせた後、「変身! ハアハハア!」とXギーツへの変身のかけ声をファンキーに披露。映画で悪の仮面ライダーになったことについて「Xギーツはむちゃくちゃカッコいいですよね。変身しているときの記憶はないのですが(笑)、映画を観るとものすごく動いていて、感動しました!」と、黒いギーツと呼ぶべき最強の敵・Xギーツのカッコよさにシビれたことを打ち明けた。

メラの相棒で、同じく未来の指名手配犯メロ役の工藤遥は「メロ、メロメロ~!」と可愛い決めゼリフを披露。自身の役柄について「メロとメラはポップな悪役という雰囲気で、ご覧になったみなさんから可愛がっていただける存在でありたい」と、世界滅亡を企てる悪でありながら、憎めない存在になりたいという希望を述べた。

『ギーツ』映画を手がけた中澤祥次郎監督は、映画の方向性について「明るく楽しく、何も考えずに楽しめる映画を目指しつつ、『ギーツ』の集大成という部分も意識しました。『キングオージャー』のカミホリ監督(上堀内監督)がすごい作品を作ると思っていましたから、負けないように頑張りました」と、上堀内監督に力強いエールを送りつつ、『ギーツ』映画の充実内容に自信を見せた。

続いて『王様戦隊キングオージャー』から、ギラ・ハスティー/クワガタオージャー役の酒井大成は「俺さまが世界を支配する!」と、あえて悪役を演じていたころのギラの決めゼリフを披露。映画については「テレビ画面と違い、映画館のスクリーンで観ると、音と映像の迫力がすごすぎる。ぜひみなさん劇場へ観に来てください!」と、映画館の大きな画面でしか得られない大迫力を体感してもらいたいと、澄んだ瞳をキラキラ輝かせながら語った。

ヤンマ・ガスト/トンボオージャー役の渡辺碧斗は「お前ら、いいから黙ってついてこい!」と、テクノロジーの国「ンコソパ」の総長らしいセリフを決めた後「テレビエピソードを撮影しているときから、一度『キングオージャー』を大きなスクリーンで観てみたいと思っていたので、それが映画という形で実現して嬉しい。CG映像、音響、そして世界観の大きさに、最初から最後までワクワクします」と、クオリティの高い映像を提供してきた『キングオージャー』がさらなるパワーアップを果たした今回の映画が、いかに面白いかを熱烈にアピールした。

ヒメノ・ラン/カマキリオージャー役の村上愛花は「私は強く、美しい!」と、美と医療の国イシャバーナの麗しき女王ならではのセリフを披露し、「とにかくみんなにカッコいい見せ場がある、というのが映画を観て思ったこと。シリアスなシーンもあれば面白いシーンもあります。笑って泣ける内容を30分によく詰め込んだものだと思いました!」と見どころ満載の内容を絶賛すると、上堀内監督が「ありがとう!」と村上にお礼を言う場面も見られた。

リタ・カニスカ/パピヨンオージャー役の平川結月は「ゴッカンは不動……」と、連日の酷暑を吹き飛ばすかのようにクールすぎるセリフを披露。映画については「死の国の背景ビジュアルがとても幻想的で、映画を観ながら引き込まれていきました。臨場感あふれる場所に、自分が立てているのが嬉しかったです。ぜひ、この世界観を体感してほしいです!」と、独自のファンタジックな世界観で攻める『キングオージャー』の醍醐味が、映画ではよりゴージャスな形で味わえると語った。

カグラギ・ディボウスキ/ハチオージャー役の佳久創は「豊穣の王殿、カグラギ、ぁディボウスキィ~!」と大仰な見得を切りながらダイナミックに挨拶。映画では、雛形あきこ演じる先代トウフ国王・イロキとカグラギの対面シーンが見どころと語り「雛形さんから、いろんなことを吸収させていただけるようなお芝居ができました。セリフがそんなに多くなくとも、2人の関係性がはっきりわかるようないいシーンがありますので、ぜひ劇場で確かめて」と、ファンに呼びかけた。

ジェラミー・ブラシエリ/スパイダークモノス役の池田匡志は「ジェラミー・ブラシエリ、時代遅れの語り部さ……」と、透きとおった美声で挨拶。映画については「佐倉綾音さん演じるデボニカの声がほんとうに素敵で、お声を聞いていると耳が掃除されるかのような、耳かきのような方でした。耳が幸せになる映画です!」と、人気声優である佐倉の演技と声の美しさを大絶賛し、ニッコリ微笑んだ。

映画ゲスト、死の国ハーカバーカへの案内人デボニカ役の佐倉綾音は「これが私の初めての実写映画です。ふだんは声優としてアニメの画面に声をアテているので、自分で役を演じるというのは不思議な感じ。撮影した時間は短かったのですが、その中でキャストのみなさんと仲良くなれて、ありがたい体験でした」と語って、ふだんとは違う生身の演技に戸惑いつつ、見事にデボニカの役を演じきった満足感をあらわした。

同じく映画ゲスト、シュゴッダム初代国王ライオニール役の中村獅童は「王骸武装!」と、映画の中で「変身」するシーンがあることをにおわせるセリフを披露。中村は「この映画に出ることを息子に隠していて、一緒に映画館へ観に行ったとき驚かそうかと思っていたら、テレビCMでバレてしまいました」と、当初の計画がテレビCMによって潰えた裏話を明かした。また「酒井くんと共演できたことがとても嬉しい。以前、彼は僕が出演した映画にエキストラで出ていて、『キングオージャー』の現場でそのことを話してくれた。ここでは彼が『主役』ですから、どんどん羽ばたいていってほしいです!」と、若く可能性に満ちた俳優・酒井大成の飛躍に期待し、ファンにいっそうの応援を呼びかけた。

『キングオージャー』の上堀内佳寿也監督は「夏休みの公開ということで、劇場に足を運んでくださった方たちから『映画を観に来てよかった』と思ってもらえるようなワクワク感を、絶対に出そうと思いました」と、特別感のある映画を目指したことを明かし、さらには「テレビシリーズと同様、『旅』をしているような感覚を大事にして作りました」と、ファンタジックな本作の持ち味を重んじつつコメントした。ゲスト2人については「獅童さんには、その存在感をお貸しください。佐倉さんには、その声をお貸しくださいとお願いしました」と言って、2人の持ち味を十二分に活かしながら作品を作っていったと語った。

映画でのライオニールの重厚そのものの衣装について、中村は「衣装合わせを二度やりました。僕の子どもが『キングオージャー』のファンであり、自分が出させていただくからには、真剣勝負だと思って取り組みました!」と、衣装を決める際に積極的に自分の意見を主張したことを明かした。上堀内監督は「あの衣装は半分くらいは獅童さんが考えたと思ってください」と、中村の意見を取り入れた形で衣装が完成したことを説明した。

長田はXギーツの「変身ポーズ」について「びっくりしたのは、変身シーンを撮る直前に、さあどうしますかねって言われたこと。その場で考えなければいけないなんて、もしかしたらこれドッキリなんじゃないかって疑いました(笑)。Xギーツなので腕のクロスを入れつつ、ギーツのネガ的存在というのを意識して、指をはじく仕草も入れ込みました」と、長田のセンスを活かす形で、カッコいいXギーツの変身ポーズが生まれたことを打ち明けた。

工藤は5年前となる2018年に『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』でルパンイエロー/早見初美花役でレギュラー出演していたことをふりかえり「5年前には戦隊をやっていて、今度は仮面ライダーにも出させていただけるんだ……と思いました。みなさんにあたたかく迎えてもらえて、ありがとうございます」と、久々に特撮ヒーローの世界に帰ってきたことで、ファンから「おかえり!」という優しい声援があったことに感激した。

佐倉は映画の裏話として「私、歌は苦手で、衣装合わせのとき監督に『歌ヘタですよ』と真顔で説明したんです」と、劇中で歌を歌う場面に抵抗があったことを打ち明けた。しかし村上たちから「お上手でした」「素敵でしたよ」と絶賛の声が飛び、少し困惑気味の表情を浮かべた。すると中村から「どんな歌でしたっけ?」という絶妙なタイミングでの「無茶ブリ」が入り、佐倉は困りながらも劇中の「死の国ハーカバーカ」にギラたちをいざなうための歌の一節を、澄みわたった美しい声で歌いあげた。

ここで、ゲスト出演者に「あなたにとってのヒーローは?」という質問が飛んだ。長田は「僕のヒーローはIKKOさんですね。チョコレートプラネットはIKKOさんのモノマネがきっかけでブレイクして、こうしてステージに立てています。もうIKKOさんに足を向けて寝られない(笑)」と、相方・松尾駿がモノマネをしたIKKOへの「恩」を改めて語った。

工藤は「5年前、ルパパトでお世話になった監督さんたちが、私にとってのヒーローです。中澤監督、ありがとうございます!」と語り、かつて『ルパパト』も手がけた中澤監督に改めて感謝の気持ちを述べた。

中村は「僕が子どものころ大好きだったのは『秘密戦隊ゴレンジャー』です。ずっとスーパー戦隊シリーズに出るのが夢でしたし、今回出演できて楽しかった。できれば映画だけじゃなくて、テレビシリーズにも出たい! お願いします!」と、少年時代に好きだった『秘密戦隊ゴレンジャー』(1975年)への憧れと、『キングオージャー』に再出演したいという「要望」を上堀内監督にアピール。するとステージ上で中村のスケジュール確保についての話し合いが始まり、「11月ごろなら(スケジュールが取れる)……」と、やけに具体的な話にまで発展していった。ほんとうに中村の『キングオージャー』テレビシリーズへの出演が叶うのか、今後の展開に期待したい。

佐倉は「私にとってのヒーローは、ずっと昔から『両親』です。ネガティブな状況に置かれても、必ず救いを見つけ出す。辛いこと、しんどいこと、壁にぶちあたっても、両親はいつも活路を見出し、糧になるものをつかんで帰ってくるんです。私が両親と同じ年齢になったとき、そんな風になれたらいいと思いながら、日々を過ごしています」と、尊敬する両親を挙げ、ニッコリ笑顔を見せた。

簡は「僕をいつも応援してくださる方々が、僕にとってのヒーロー。今ここにいるみなさんが一番のヒーローです!」と語り、熱い視線を注いでいる客席のファンを大いに喜ばせた。

酒井は「僕もあやねえ(佐倉)と同じく、両親がヒーローです。今、この場に立っていられるのは、両親のおかげだなと思っています」と、自身を育て、支え見守ってくれた両親への感謝を込めてコメントした。

イベントのしめくくりとして、簡がマイクを握り「映画が公開されて、嬉しい限りでございます。スタッフ・キャストが全身全霊で挑んだ作品なので、ぜひたくさんの方たちに劇場へ足を運んでいただきたいです。もう映画をご覧になった方も、何度も何度も繰り返し観てください。『仮面ライダーギーツ』の集大成を、ぞんぶんに楽しんでください」と熱いメッセージを投げかけた。

続いて酒井は「キングオージャーの映画も、キャスト・スタッフ一丸となって取り組んだ作品です。子どもから大人まで、多くの方たちに楽しんでいただけるものと信じています。ぜひ劇場へお越しください!」と、時おり緊張で言葉をつかえさせながらも、若き王らしく堂々と挨拶を行い、映画の応援をファンに呼びかけた。

映画『仮面ライダーギーツ 4人のエースと黒狐』映画『王様戦隊キングオージャー アドベンチャー・ヘブン』は全国劇場にて絶賛上映中。

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