味の素冷凍食品は、家庭用冷凍食品の新製品4品・リニューアル品6品を全国で、また新製品4品を地域限定で、8月6日より発売する。7月24日に行われた、2023年秋季新製品・リニューアル品の発表会の様子をレポートする。

新カンパニースローガン「FRESH FROZEN AJINOMOTO」

発表会の冒頭では、代表取締役社長・寺本博之氏より味の素冷凍食品の取り組みについて発表された。同社はこの7月4日より、新たなカンパニースローガン「FRESH FROZEN AJINOMOTO ~感動で笑顔を~」のもと、ブランドビジョンの刷新を行っている。

「味の素冷凍食品(FFA)は、常に新しい価値を持った製品を届けることを考え抜いてきました。近年、冷凍食品の価値が評価され、新たなステージに入っています。アフターコロナ、ウィズコロナの時代を通じ、冷凍食品だからできること・FFAだからできることは、製品やサービスを通してしてワクワク・ドキドキを届けること、また世界中の生活者のみなさんのWell-Beingに貢献することです。そのためには『味の素グループならでは』であることも重要です」と寺本氏。

  • 味の素冷凍食品 代表取締役社長・寺本博之氏

FFAでは2023年を「第二の創業期」と位置づけ、全員が一丸となるカンパニースローガン「FRESH FROZEN AJINOMOTO ~感動で笑顔を~」をカンパニースローガンとして策定。「おいしさNo.1」「楽しさ」「健康・栄養」そして「環境への配慮」をビジョン(ありたい姿)として設定している。

ビジョンのひとつ「おいしさ」では、原料素材へのこだわりと、味の素グループのおいしさ設計技術を駆使して「もっとおいしい」を追及する。また「楽しさ」では、デジタルツールを使った体験や、よしもと芸人など外部パートナーの力を借りて「私にもできた」の体験を届けていくという。寺本氏曰く、「ギョーザづくりを通して『誰が作っても失敗なく作れる、できた瞬間の笑顔』はかけがえのないもの、ということを伝えていきたいです」と期待を寄せる。

「健康・栄養」では、味の素グループの減塩技術生かした「減塩なのに、おいしい!」の実現、3大アレルゲンに対応した製品での「みんな同じ食事で、うれしい!」への貢献、そして栄養強化製品で「食事を通じて、おいしく、しっかり栄養補給!」を提案する。

また環境への配慮も行う。製造工程中に発生する二酸化炭素の削減や、製品パッケージに使用する包材をリサイクルしやすい素材に変更、また廃棄プラスチックゼロなどを挙げた。

2023年秋季は定番商品もリニューアル

味の素冷凍食品によると、コロナ禍で「内食疲れ」の救世主として冷凍食品は存在感を発揮している。そういった背景もあり、2022年度は食卓・弁当ともに市販用冷凍食品の市場は伸長、コロナ禍前比では他の食品市場と比較しても顕著に拡大したという。2023年の新製品やリニューアル品は、冷凍食品の強みである「コスパ」「タイパ」の良さにとどまらず、生活者が求める「おいしさ」や「健康」のニーズに応える製品が揃う。

「ギョーザ」「レンジでギョーザ」

今年51年目となる定番製品「ギョーザ」は、“中具”のにんにくや生姜といった香味野菜の風味をアップさせることで、素材のおいしさをより感じられるような味つけにリニューアルする。

  • リニューアルする定番の「ギョーザ」

ジューシーな肉汁や具のおいしさは活かしつつ、後味のにんにくや生姜の香りが強く感じられる一品だ。

  • リニューアル品「レンジでギョーザ」

また、電子レンジ調理でつくれる「レンジでギョーザ」は、香味野菜の風味やジューシーさ、食べ応えをより感じられるように中具のリニューアルに加え、具の量も1個当たり2g増量。香ばしい焼き目が本格的な、食べ応えのある手軽なギョーザだ。

「Cook Do」のミールキットが初登場

「Cook Do」と「クノール」からは、味の素冷凍食品の技術を活かしたチャレンジングな新製品が登場する。

「Cook Do」回鍋肉・「Cook Do」青椒肉絲は、近年成長を遂げているミールキットにおいて、冷蔵品は日持ちが短く、冷凍品は味がボケやすいとう課題があることに着目した。

  • 「Cook Do」回鍋肉

下ごしらえ済みの肉や野菜と、味の素の中華合わせ調味料ブランド「Cook Do」の調味料が全部入ったミールキットは、フライパンで約5分炒めれば完成。具材がすべてバラバラに凍結されているため、解凍は不要。また回鍋肉ではキャベツを素揚げに、青椒肉絲ではピーマンや豚肉を細切りにするなど、料理をする手間を省きつつ、本格的な中華料理が楽しめる。

同商品は地域限定発売となっており、東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県・山梨県・群馬県・愛知県・三重県・岐阜県・静岡県で販売される。

  • 「Cook Do」回鍋肉、フライパンで約5分炒めれば完成する

「クノール」具材たっぷりの冷凍スープ

味の素のスープブランド「クノール」からは、新鮮で採れたての野菜のおいしい瞬間を閉じ込める冷凍技術を活かした冷凍スープを発売する。販売エリアは東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県・山梨県・群馬県限定。

  • 「クノール」左:クラムチャウダー、右:ミネストローネ

どちらも北海道野菜をたっぷりと使用した、あたためるだけで贅沢な味わいを楽しめるスープだ。味は、ミネストローネとクラムチャウダーの2種類で展開する。

おいしく減塩、定番のチャーハン・エビピラフ・ギョーザ

日本の人口動向として高齢化が加速しており、高血圧に関する疾患は課題となっている。塩分を控えたい方は増えている一方、「塩分を控えると好きなメニューが食べられない」「減塩商品はおいしくない」という悩みもあるという。今秋は、味の素グループの減塩技術を活かした「おいしい減塩」新製品も登場する。

  • 減塩商品「白チャーハン」

「白チャーハン」は、直火焼豚と卵、白葱を使用したシンプルな定番チャーハン。同社の従来品比で塩分40%カット、また減塩製品特有の苦みをマスキングする技術で、まろやかでおいしい塩味に仕上げている。おいしさはそのままに、1食分(250g)の食塩相当量は厚生労働省が推奨する1日の塩分摂取目標値の1/3以下(約1.8g)まで抑えた、塩分に配慮する方には嬉しい商品だ。

  • 「おいしく塩分配慮エビピラフ」

また、同社の定番商品からは、従来品比で塩分を40%カットした新製品も出る。「おいしく塩分配慮エビピラフ」は、白身魚と香味野菜を煮出したブイヨンとバターとともに米を直火で炊き上げることで、米の芯までうま味が染み込んだ、減塩でもしっかり味を感じられるピラフだ。

  • 「おいしく塩分配慮ギョーザ」

「おいしく塩分配慮ギョーザ」は、定番の「ギョーザ」から塩分を40%カット。「ギョーザ」の味わいや満足感はそのままに、普段のおかずと置き換えることで健康的な食事を楽しむことができる。

包材を変更した「黒豚大餃子」「海老大餃子」

同社が取り組むサステナビリティ活動の一環として、「黒豚大餃子」「海老大餃子」はパッケージをリニューアル。一部を紙の包材に変更することで、プラスチック削減につとめる。

  • 「海老大餃子」「黒豚大餃子」

上質感のある材質とデザインを活かしつつ、従来品比で約36%のプラスチック使用量の削減を見込んでいるという。