ABCテレビ・テレビ朝日のドラマ『around1/4(アラウンドクォーター)』(ABCテレビ毎週日曜23:55~、テレビ朝日毎週土曜26:30~※ほか地域でも放送、TVer/ABEMAで見逃し配信)が現在放送中だ。今作は、かつてのバイト仲間だった康祐(EXILE/FANTASTICS佐藤大樹)、早苗(美山加恋)、明日美(工藤遥)、直己(松岡広大)、一真(曽田陵介)の5人が25歳前後(アラウンドクォーター:略してアラクオ)を迎えたことで直面する“25歳の壁”、“恋の分岐点”にフォーカスを当て、悩み傷つき過ちを繰り返しながらも、自分なりの乗り越え方を見つけていく恋愛群像ストーリー。

今回はドラマ『ロマンス暴風域』に続いてラブシーンに挑み、“アラクオ”の恋を体現する工藤にインタビュー。演じる明日美は、年上の彼氏とラブラブな恋愛をしているものの、実は“ある事情”を抱えており、「不安要素しかないですよ(笑)」と工藤が心配する一幕も。また、本格的な女優活動を始めてからの丸5年を振り返ってもらうと、先輩・真野恵里菜への感謝と決意の言葉が飛び出した。

  • 女優の工藤遥 撮影:宮田浩史

    女優の工藤遥 撮影:宮田浩史

■ラブシーンへの不安は全くない

――今作の印象を教えてください。

仕事に恋に、いろいろなことを少しずつ経験してきたがゆえの悩みを持つ25歳前後の男女5人の物語ですが、親友や同級生ではなく、バイト仲間という特殊な関係に面白さを感じました。それぞれの恋愛観がここまでバラバラなんだ! という驚きもありました。

――工藤さんから見て明日美はどんなキャラクターですか。

5人の中で一番ピュアというか、自分の気持ちに正直すぎる子だと思っています。一見サバサバしていてしっかりしている女性に見えるのですが、実際の考え方や行動はもう少し幼くて、20歳前後で止まっているような印象を受けました。

――工藤さんと似ている部分はありますか。

サバサバしているところや、皆で集まったときのテンションの上がり方、ツッコミキャラなところ、率先して何かをやりたがるところは近いかもしれません。

――メインキャスト5人が顔を合わせたのは本読みのときだとお伺いしましたが、初対面での印象を教えてください。

5人でワイワイお話している第1話冒頭のシーンの本読みをしたとき、初めてなのにもう皆のキャラが完全に立っていたんです。マイペースだったり、自由人だったりという個性豊かな登場人物たちを真摯に演じている共演者の方々を見て、きっとストイックな方たちなんだろうなと感じました。動きやセットのない本読みの時点で、すでに映像が浮かぶ状態まで作り上げられている役作りの完成度に感動しましたね。

――今作にはラブシーンもありますが、どのような思いで臨みますか。(インタビューは撮影前)

私のお相手は平岡(祐太)さんですが、そういったシーンもたくさん経験されているので、きっとこちらがどう出ても正のように大人な対応をしてくださるだろうと思っています。そこに関する不安は全くありません。

■体当たりで挑んだ『ロマンス暴風域』

――昨年放送されたドラマ『ロマンス暴風域』(MBS/TBS)でも、風俗嬢のせりか役でラブシーンに挑まれていましたね。今回の役作りに活きる部分はありますか。

せりかは「考えるな、感じろ」というタイプだったので、直感を大切に、本能を意識して演じていました。対して明日美ちゃんは考えすぎて空回りしているタイプなので、恋愛や性に奔放な部分は同じでも、役へのアプローチの仕方は真逆なのかなと感じています。

――風俗嬢かつ既婚者のせりかは、語る言葉も何が本当で嘘なのか分からないという難役で、演じきった工藤さんには大きな反響が寄せられました。改めて振り返っていかがですか。

せりか役で反響をいただけたからこそ、『アラクオ』に呼んでいただけたと言っても過言ではないと思っています。私はせりかが何者なのかずっと分からなくて。 “儚い”を通り超えて存在していたのかどうかさえ怪しい、誰かの妄想だったんじゃないかというくらい掴みどころがなさすぎる人物を、どう表現すればいいのかとても悩みました。でも監督が「その瞬間の感情を大事に演じていたら、映像になったときせりかとして絶対に1つに繋がるから」と言い切ってくださったので、その言葉を信じて現場に立っていました。体当たりでぶつかったからこそ得られたものがたくさんありましたし、せりかを演じることができて本当に良かったです。今回の『アラクオ』も現場にいる監督たちがすごく楽しそうで、「今の演技どう見えてましたか?」と1質問したら100返してくださるような現場なので、心強い方々のもとで安心して作品を作っています。

■“許されぬ恋”に「友達だったら絶対に止めます」

――明日美の恋愛を見て、どのように感じますか。また友達だったら、どんな声をかけますか。

不安要素しかないですよ(笑)。友達だったら絶対に止めます。それでも止められないんだとしたら「私は言ったからね、もう知らないからね、あとは好きにしな」って、心のどこかで見放してしまうかもしれません。

――それは、間違った恋をしていることが許せないということでしょうか。

許せないのではなく、本人にとってもいいことはないじゃないですか。自分も傷つくし、人にも迷惑をかけるし、あなたは今、生産性のない、得のないことをしているのよ、と冷静に言ってしまいたくなります。

――ド正論ですね(笑)。

私は恋愛を人生の+αと思ってるので、傷つくのも無駄なことをするのも避けたいと思ってしまうんです。『アラクオ』だと直己に近いですね。明日美ちゃんも、やめられるタイミングが絶対どこかにあったはず。それでも自分で足を突っ込んだんだから、他の人にはもう助けてもらえないだろうし、失うもののほうが多い気がするんですよね。現実的なことを言うと、死ぬほどお金を取られちゃうケースもあるわけで、「失うことしかないよ!?」と思ってしまいます。