粉がついた丸い道具を壁に当て、犯人の指紋を調べる警察官。まるで刑事ドラマのような手法で見つかった可愛い足跡が、Twitterで注目を浴びています。

キッチンで検出された肉球の跡をシェアしたのは、小説家の篠たまき(@shinotamaki_)さん。心温まるキュートな事件に、6月18日時点で1.9万件以上のいいねが寄せられています。

コーヒーの粉をキッチンにブチまてけしまいました。
慌てて粉を払ったら不審な足跡が浮かび上がりました。
これ、お巡りさんが白い粉ポンポンで指紋を取るのと同じ?(@shinotamaki_より引用)

  • (@shinotamaki_より引用)

「なんて可愛い容疑ニャの足跡…」「可愛い不審者ですね」など、足跡を残した猫さんにときめく方が続出しているこちらのツイート。

加えて、「ニャニものかが侵入してますな…」「まだ比較的新しい足跡ですな」と、事件の捜査に参加する方の声も投稿されていました。

そこで、ツイートを投稿した篠さんに、寄せられた反響への感想と、事件の真相を伺うことに。2匹の容疑者がいるようですが、一体、足跡の主はどちらの猫さんなのでしょうか…?

ツイ主さんに聞いてみた

――反響に対する感想を教えていただけますか?

殺伐としたお話の多いこの頃ですが、「ほんわか」「ほっこり」するTL作りに少しだけ貢献できたことを心より嬉しく思っています。

海外の方が拡散しておられ、言語は違ってもほっこり笑ってくださる様子に、ささやかな「世界はひとつ」感を味わっています。

――不審な足跡を残した”犯猫”さんの正体は判明したのでしょうか?

候補の猫は2匹いましたが、足跡の主は「ぎんたろう」でした。もう一匹の候補だった「じゅさぶろう」は足跡が残された位置までジャンプできないため、早々に容疑が晴れました。

  • (左)犯猫の「ぎんたろう」さん・(右)同居猫の「じゅさぶろう」さん(@shinotamaki_より引用)


○ 容疑者1
名前:「夢野 吟多郎 詩之助(ゆめの ぎんたろう うたのすけ)」 こと「ぎんたろう」さん
年齢:8~10歳(保護猫のため年齢不詳)

プロフィール: 2018年に、過酷な環境だった被災地の避難区域を彷徨っていた所をボランティアが保護。篠さんとは保護猫譲渡会で出会う。

篠さんによって引き取られた後、ぎんたろうが収容されていたシェルターは多頭崩壊しており、悲惨な飼育環境であったことが判明。

性格: 甘えっ子で、決して人間や猫を傷つけたりしない温厚な性格。非常に辛い経験をしたはずだが、人間好きの気持ちを捨てなかった優しい猫。やんちゃな一面もある。


○ 容疑者2
名前:「黒蜜 樹三郎(くろみつの じゅさぶろう)」こと「じゅさぶろう」さん
年齢:20~22歳(保護猫のため年齢不詳)

プロフィール: 高齢のため、毎日あたたかい所でうたた寝している。趣味はブラッシングされること。年齢の割に健康状態は良好だが、足腰が弱り、高さ40cm以上の場所には飛び乗れない。

性格: パソコンや書籍などを踏んだりしない几帳面な性格。新しい猫を迎え入れても優しく接してくれる良い家長猫。


偶然の足跡検出と見事な推理で、多くの人に笑いと癒しを届けた篠さん。ご自身が書かれたホラー小説『やみ窓』では、巧みな表現や構想によって、読者へ不思議な恐怖体験を提供しています。

猫さんの迷事件で心が和んだ夏の夜には、篠さんの小説で、幻想的な”怖さ”を楽しんでみてはいかがでしょうか?