日常の買い物やネットサービスを利用することでポイントを貯めて、その貯めたポイントを使うことでお金の節約ができる「ポイ活」。意識せずにやっている人も多いと思いますが、ちょっとした手間で効率よくポイントを貯めることができます。その一つが公共料金をクレジットカード払いにすることです。これだけで自動的に継続的にポイントを貯められます。

そこで今回、公共料金の支払いに使える還元率の高いクレジットカードの紹介と年間どのくらいポイントが付くのかの試算、さらには手続きの方法までわかりやすくお伝えします。

  • 公共料金でポイ活できる! クレジットカード払いにする方法は?

■公共料金もクレジットカードで払える

政府や地方公共団体などの公的機関が料金や価格の水準の決定に直接関わっているものを総称して「公共料金」と呼びます。電気、ガス、水道、電話料金、NHK受信料などが公共料金にあたります。これらは「固定費」として、毎月一定額が指定口座から引き落とされるのが一般的でしたが、近年、これらの公共料金のほとんどが、クレジットカード払いが可能となっています。

また、公共料金には当てはまらないものの、固定費にあたる新聞購読料や国民年金保険料もクレジットカード払いが可能となっています。中には、金額が大きい家賃もクレジットカード払いができるところもあります。

ただ、これらの料金のすべてがクレジットカード払いに対応しているとは限らないので、まずは、ご利用の電力会社、ガス会社、水道局などが対応しているか、ホームページなどで確認してみましょう。

■どのくらいポイントが付く?

総務省統計局「家計調査」をもとに、電気、ガス、上下水道料などの水道光熱費を還元率1%のクレジットカードで支払った場合の獲得ポイントをみてみましょう。

<光熱費のクレジットカード払いによる獲得ポイント>

  • 光熱費をクレカ払いにすると、どのくらいポイント獲得できる?/出所:総務省統計局「家計調査(家計収支編)2022年」をもとに筆者作成

これは水道光熱費のみであり、通信料や保険料などのその他の固定費もクレジットカード払いにすれば、より多くのポイントを獲得できるでしょう。何よりもこうした固定費は今後ずっと払い続ける費用なので、ひと月では数百円でも積み重ねれば数万円になります。

また、一度クレジットカード払いに設定しておけば、あとは自動でポイントが貯まるので手間もかかりません。早く始めるほど得をするので、ぜひ「手続きの方法」まで読み進めてみてください。

■公共料金の支払いでも還元率の高いクレジットカード5選

クレジットカードの種類によっては、公共料金の支払いに使うと通常の還元率よりも下がってしまうカードがあります。そこで、還元率が下がらない、1%以上ポイントが付く年会費無料のクレジットカードを5つご紹介します。

●リクルートカード
・年会費:無料
・公共料金の支払いでの還元率:1.2%
・通常の還元率:1.2%
<特徴>
利用代金の1.2%の還元率でリクルートポイントが貯まります。さらにリクルートのサービスを使うとプラス1~3%還元されます。Pontaポイントやdポイントにも等価交換できるので、ポイントを有効利用できます。

●JCB CARD W
・年会費:無料
・公共料金の支払いでの還元率:1.0%(※)
・通常の還元率:1.0%(※)
※nanacoポイントに交換した場合
<特徴>
JCB CARD Wは18歳から39歳限定入会のカードです。しかし39歳までに入会しておけば、40歳以降も年会費無料で継続できます。Oki Dokiポイントは1000円(税込)=2ポイント付与され、交換先によってレートが変わります。交換レートが高いのはnanacoポイントで、Oki Dokiポイント1ポイントがnanacoポイント5ポイントになります。

●dカード
・年会費:無料
・公共料金の支払いでの還元率:1.0%
・通常の還元率:1.0%
<特徴>
100円で1ポイントが貯まり、貯まったポイントはdポイント加盟店やd払いなどで1ポイント1円として使えます。またドコモのケータイ料金に充当することもできます。ポイントがアップするキャンペーンも頻繁に実施されているので、効率よくポイントを貯めることができます。

●PayPayカード
・年会費:無料
・公共料金の支払いでの還元率:1.0%
・通常の還元率:1.0%
<特徴>
PayPayカードはPayPay残高にチャージができる唯一のカードです。通常還元率は1.0%ですが、ヤフーショッピングやLOHACOでの買い物にPayPayカードを使うと最大5%のポイントが付きます。貯めたポイントはPayPayで1ポイント1円としてすぐに使えるので便利です。

●au PAYカード
・年会費:無料(※)
・公共料金の支払いでの還元率:1.0%
・通常の還元率:1.0%
※au PAY カードに登録されているau IDにひも付くau携帯電話などの契約がない場合、かつ、1年間カード利用がない場合は、年会費1375円(税込)がかかります。
<特徴>
au PAYカードの利用代金100円で1Pontaポイントが貯まります。auでんき、都市ガスfor auを利用している人は、年会費はかかりますが、au PAYゴールドカードで支払うとPontaの還元率が最大3%になります。

■クレジットカード払いの注意点

ポイントが貯まって便利なクレジットカード払いですが、注意しなければならない点もあります。

・カードの利用限度額を圧迫する
クレジットカードには毎月の利用限度額が設けられています。普段買い物で使っているカードを公共料金の支払いにも利用すると、高額な買い物をしたときに、利用限度額を超えてしまい、公共料金の決済ができなくなる恐れがあります。利用限度額内で収まるように管理するか、普段の買い物で使うカードと分けて、公共料金専用のカードを作るとよいでしょう。

・口座振替割引の方が得な場合がある
公共料金には口座振替割引サービスを行っているところがあります。口座振替を選択すると月に数十円程度割引になるというものです。例えば、東京電力であれば、月に55円(税込)割引となります。この場合、還元率1%のクレジットカードで支払えば、月の電気料金が5500円以上であればクレジットカード払いの方がお得ということになります。毎月の使用料からどちらの得なのか比較してから支払い方法を選びましょう。

・カード更新時に手続きが必要になる場合がある
クレジットカードは有効期限が迫ってくると、新しいカードが届く仕組みになっていますが、カードによっては自動更新されずに、更新手続きが必要な場合があります。放っておくと支払いが滞ってしまうことがあるので、自動更新になっているか、事前に利用先に確認をしておきましょう。

■手続きの方法

最後に手続きの方法(一例)をお伝えします。

1. 各公共料金のホームページにアクセスします。
「支払方法の変更」などで検索して、申し込みページにアクセスします。

2. 住所、氏名などの契約者情報を入力します。

3. クレジットカードの番号、有効期限などを入力します。

4. 送信して申し込み完了です。

インターネットでの申し込みの他、郵送での申し込みにも対応しているところがほとんどです。インターネットでの申し込みは数分で終わるので、非常に簡単です。

公共料金を口座引き落としにしている場合は、電気、ガス、水道と、口座引き落とし日に個別に確認する必要がありましたが、公共料金を1枚のクレジットカードで支払うようにすれば、クレジットカード会社の引き落とし日1回の確認で済みます。

一度申し込みをしてしまえば、勝手に「ポイ活」ができてしまう公共料金のクレジットカード払い、この機会に始めてみてはいかがでしょうか。

※2023年6月公開日時点の情報です