タレントのタモリが、第60回ギャラクシー賞(主催:放送批評懇談会)の放送批評懇談会60周年記念賞を受賞。31日、都内のホテルで行われた贈賞式で、自身の趣味について語った。
司会の長野智子に多趣味であることを指摘されたタモリは「過大評価です。たしかにいろんなことやってるんですけど、挫折の歴史なんです。根性がないんで、『これが面白いな』ってその分野に行くと、先人にすごい人たちがいっぱいいるんで、すぐ諦めて、また次に行って、全てがやることなすこと中途半端ですから。それを言われると恥ずかしいんです」と恐縮。
また、タモリの代表的な趣味である“坂道”について聞かれると、「僕、九州から学生でこっち(東京)に出てきて、友達と一緒に地下鉄銀座線に乗ろうと思ったんです。当時は渋谷は銀座線しか地下鉄がなかったんですけど、あらゆる地下の入口に行っても、地下鉄の乗り場がないんですよ。で、ふと見たら、空中を地下鉄が走ってる。『地下鉄って空中走るんだ』っていう驚きから、東京の坂道に興味を持つことになったんです。青山通りの地下を走ってたのに、渋谷という谷に差し掛かると空中になるというのが、すごい起伏を富んだ東京はすばらしいなと思って、坂道に興味を持ちましたね」と力説。
これを聞いた長野は「すごい感動しましたね」と感激したが、タモリは「これまた過大評価です」と謙そんしていた。
放送批評懇談会は「1970年代のデビュー以来、鋭い批評性に裏打ちされた知的な笑いは変わることがありません。その唯一無二の批評性は、今の時代においてこそ必要とされているものです。さらに、その一貫して自由で柔軟な生き方は、タレントという枠を越えた絶大な存在感を示し、多くの人々から支持されてきました。半世紀近く常にテレビやラジオの第一線で活躍してきた放送界への多大な貢献は、当会の60年におよぶ批評活動を記念して贈る賞にまさにふさわしく、心からの敬意を表するものです」と選評している。