俳優の椎名桔平が、WOWOWで8月に放送される連続ドラマ『事件』で主演を務めることが28日、明らかになった。

  • 連続ドラマ『事件』

原作は、1978年に第31回日本推理作家協会賞を受賞した大岡昇平の裁判小説で、今回のドラマ版では舞台を昭和から令和に移し、当時未導入の裁判員裁判制度での心理戦を描写。生まれ育った環境から飛び出そうと葛藤する人々を通じて閉塞した今を生きる人々の孤独や苦悩と同時に社会の闇をえぐり、その先に光る繊細な希望を濃密に描く人間ドラマとなっている。監督は同局の『インフルエンス』『絶叫』などを手がけてきた水田成英。

主人公の弁護士・菊地大三郎を演じる椎名は「裁判小説の傑作と謳われる原作を『現代に置き換え、人間ドラマとして骨太な作品を作りたい』との趣旨をいただき、大変だろうけどぜひ演じてみたいと思いました。原作は半世紀以上も前の小説ですが、そこに描かれた人間模様は今も色褪せない魅力にあふれています。多くの人が詳しくは知らない裁判の制度や手続きが驚くほど緻密に書かれていて、そのドラマチックな展開に心が躍りました」とコメント。

そして「元裁判官で現在は弁護士である菊地は、裁判官時代の5年前に自ら下した判決について、今も自問自答を繰り返している人間です。刑事事件を裁く責任の重さを改めて感じさせられるキャラクターであり、50歳を過ぎた彼が事件を通して成⻑する姿に、自分の人生を重ねてみたりもしました。『間違わない人間なんていない。間違えれば、やり直せばいい』。その言葉にようやく辿り着いた菊地の心情を一つの拠り所と考えて演じました。法廷ミステリーとしてだけでは無く、人間賛歌の作品としても、ぜひみなさまに見ていただけたら嬉しく思います」と、自らが演じる役柄と作品の見どころについて語っている。