■空いた時間にはスマホのメモをノートに清書

――そんな岡山さんですが、昨年はドラマ『ミステリと言う勿れ』(フジテレビ)、『恋なんて、本気でやってどうするの?』(カンテレ)、『大奥』(NHK)や、映画『キングダム2 遥かなる大地へ』など、たくさんの作品に出演されていたと思います。今年も出演が続いていますが、今もお忙しいのでしょうか。

出演本数としてはこれまでのほうが多くて忙しかったのですが、ここ数年は人の目に触れやすい作品に参加させていただく機会が増えたのかなと感じます。実は昨年くらいから自分の時間も持てているので、過集中で作品に向き合っている時期も体にいろんなものが入ってきて面白いですが、ゆとりのある生活もまた世界観が変わるのですごく楽しいです。

――時間があるときはどんなことをされていますか。

映画や本、アニメや漫画といったエンタメを見る側として楽しんだり、絵を描くのも友達と会うのも好きですし、いろいろとやっています。あと僕はものすごく“メモ癖”があって。ジャンル問わずそのとき感じたことを日記のような感覚でスマホにメモして、それを大学ノートに書き起こして清書するので、その作業が時間を食うんですよね。

――スマホのメモを、ノートに清書しているんですか。

記憶に焼き付けたくて。スマホに打つだけだと、読み返さないと思い出せなかったりするのですが、ノートに鉛筆で直接書くと頭に強く残るんです。

――どんなことをメモしているか教えてください。

何か作品を見てすごく面白いと感じたときに、なぜ面白かったかというとこうだから、つまり自分はこういうことを面白いと感じるんだな、とか。あとは芝居について、これが難しくて、自分にはこういう癖があるから、そこをこういじったら解消できるかもしれない、とか。

――深く自分に向き合っていらっしゃるんですね。深層心理を探ったり、振り返ったりすることで、自分をブラッシュアップしていきたいという目的なのでしょうか。

目指すところはそこですね。僕は要領が良くないので、書かないと整理できないんです。

■宝くじをきっかけに、第3話から新たな章に

――素敵な時間の使い方を教えていただきました。では最後に、『日曜の夜ぐらいは...』のこれからの見どころを教えてください。

第2話までは見ている方が自分と登場人物たちとの繋がりを見つける時間だったんじゃないかなと思うのですが、ここで「宝くじが当たる」という、今までの彼女たちの生活から飛距離のある出来事が起こって新しい章に入ります。地に足をつけて淡々と生きているキャラクターたちの息遣いまで丁寧に描写された作品に、ファンタジーに近いビビットな要素が混ざってくることで、新しい味わいがどう広がっていくのか。見ている方にとっての生きる助けや、あたたかい時間が増えるヒントがたくさん散りばめられているので、キャラクターに共感しながら栄養を吸収してくれたらうれしいです。

■岡山天音
1994年6月17日生まれ、東京都出身。2009年にNHK教育『中学生日記』で俳優デビュー。2017年公開の『ポエトリーエンジェル』で第32回高崎映画祭新進男優賞を受賞。NHK連続テレビ小説『ひよっこ』(17)では売れない漫画家役を好演。代表作にドラマ『I”s』、『ゆうべはお楽しみでしたね』、『ヴィレヴァン!』、『同期のサクラ』、『最愛』、『ミステリと言う勿れ』、『恋なんて、本気でやってどうするの?』、『大奥』、映画『新聞記者』、『王様になれ』、『青くて痛くて脆い』、『FUNNY BUNNY』、『キングダム2 遥かなる大地へ』、『さかなのこ』、『百花』、『あの娘は知らない』など。WOWOWドラマ『ああ、ラブホテル 〜秘密〜 第1話「運命の2人」』(5月19日放送)に出演する。映画『キングダム 運命の炎』が7月2日に全国公開され、主演映画『笑いのカイブツ』の公開も控える。