回転寿司チェーン「くら寿司」は、5月9日、台湾・高雄市に「くら寿司 グローバル旗艦店 高雄時代大道」をオープンする。開店に先立ち5月8日に台湾にて発表会を開催した。
海外発のグローバル旗艦店とは?
くら寿司の「グローバル旗艦店」とは、和食を代表する回転寿司の文化を海外にも広めていくためのジャパンカルチャー発信型店舗を指す。同社はグローバル旗艦店を2020年1月に浅草にオープン。以降、日本を代表する観光スポットに相次いで出店し、現在4つのグローバル旗艦店(浅草・道頓堀・原宿・押上)を展開している。
5月9日にオープンする高雄時代大道店は、海外初となるグローバル旗艦店。店舗面積876.75平方メートル・座席数288席とくら寿司として世界最大の店舗面積と座席数を誇る。
発表会では田中邦彦代表取締役社長のメッセージとして、「コロナ収束に向けて世界の経済が動き始めている今、高雄時代大道店のグローバル旗艦店のオープンはグローバル化に向けて加速していくという合図であり、大きな1歩であると思っています」と伝えられた。
同店は日本のグローバル旗艦店同様、世界的に活躍するクリエイティブディレクターの佐藤可士和氏がデザインを監修。外装を含む建築デザイン全体を同氏が担っている。
店舗のコンセプトについて佐藤氏は「江戸時代の食×エンターテイメント、庶民文化の原風景を現代に蘇らせることが、空間コンセプトになっています」と話す。
建物正面にはカラフルに発光する200個の"提灯ウォール"を設置。横幅20メートルを超える建物側面には、日本らしさを感じてもらえるようにと、江戸の町人文化の象徴であり、寿司との親和性も高い江戸文字をベースにした相撲の番付表がモチーフの『メニュー番付グラフィック』を施している。
待合スペースには、歌川広重の巨大な浮世絵が飾られており、日本の江戸時代のような「和」を感じられる空間に。内装は白木の柱やテーブルに加え、椅子の座面に畳のシートを採用。さらに、新型コロナウイルス対策も兼ね暖簾を使用して緩やかな仕切りがある半個室席など、全体を通してジャパニーズモダンなデザインに仕上がっている。
また、射的や千本くじなど、実際に遊んで日本文化を体験できる"縁日スペース"も併設。
くら寿司は今年度中に上海への出店も予定している。さらに、2030年までには海外の店舗数を現在の4倍、400店舗にまで展開すると発表した。人口減により成長が鈍化する国内市場に対し、海外への出店拡大を行い、さらなる成長を目指すという。
■Information
「くら寿司 グローバル旗艦店 高雄時代大道」
住所:高雄市前鎮區興邦里7鄰中山三路11號