職場では必要なこと以外あまり話したくないという方も多くいますが、職場で必要以上に話さなくなるとどのような影響があるのでしょうか。
今回は、職場で必要最低限しか話さないことで発生するメリットとデメリットや、話さなくても仕事を円滑に進めるためのコツ、注意点をご紹介します。
職場で必要以上に話さなくなったら仕事が楽に? 話さないメリットとは
職場で必要以上のことを話さなければ、ストレスを避けられたり、業務に集中できたりなど、いくつかのメリットを得られます。
この章では、必要以上にしゃべらないことで得られるメリットについて詳しく解説します。
人間関係のストレスに悩まずに済む
職場であまり話さないことのメリットとして、人間関係に悩む確率が減ることが考えられます。
職場にはさまざまな人がいます。職場によっては派閥が分かれていたり、ふとした会話から妬み嫉みを買ってしまったりすることも考えられます。どうしても苦手な人がいて、ストレスの種になることもあるでしょう。
職場で周りの人の話に入って人間関係に深入りしていると、距離感が近くなり、相手に気を遣ったり、顔色をうかがったりする機会も増え、悩みも増えてしまうかもしれません。
一方で必要以上に会話をしなければ、人間関係に深入りせずに済んだり、そもそも苦手な人と接触する機会を減らせたりするため、いざこざに巻き込まれることは少ないといえるでしょう。
陰口を聞かずに済む
雑談の中に陰口が混ざっていることもあるため、陰口を聞かずに済むというメリットもあります。
職場の人との雑談は、明るい内容の会話ばかりではなく、その場に居ない人の陰口や愚痴を聞いてしまうこともあります。普段から雑談に混ざっていると、陰口を聞いてしまうことも少なくありません。「言霊」という言葉があるように、ネガティブな話は、こちらの気分も暗くさせるものです。
普段から雑談に混ざらなければ陰口を聞く機会がなく、もやもやした気持ちにならずに済みます。
仕事の効率が上がる
仕事の効率が上がるというメリットもあります。なぜなら、必要なこと以外を話さなければ雑談に使う時間がなくなり、勤務時間内で作業時間をフルに取れるためです。
職場の人間関係を良好にするために、雑談する時間を設けることは悪いことではありません。しかし、勤務時間内における雑談で仕事がおろそかになってしまっては、本末転倒です。その点、必要なこと以外を話さなければ雑談に時間を割くことがなくなります。作業を中断されて、集中力がそがれることも減るでしょう。
特に残業時間の多い方は、作業時間をフルに取れれば仕事の効率が上がり、残業時間を短縮したり、無くしたりできるかもしれません。
自分のペースで仕事ができる
自分のペースで仕事ができる点もメリットの一つです。
多くの人は、その日のうちに終わらせたいタスクや、作業の優先度、順番などを考えながら仕事に向かっているでしょう。しかし、雑談や愚痴に付き合ってばかりいると、それらの計画が崩れてしまいます。
遅れを取り戻そうと無理をしたり、妥協したりする必要が出てきたりするなど、自分のペースで仕事が進められなくなってしまいます。
業務中は必要以上に周囲と話さないことを心掛ければ、心を穏やかに保ち、自分にとってベストなパフォーマンスを出すことにつながります。
プライベートを詮索されずに済む
仲の良い友人などと、プライベートにまつわる近況や家族のことについて会話するのは楽しいものです。しかし仕事関係の人に、プライベートのことを根掘り葉掘り聞かれ、公私混同するのは避けたいと思っている方も多いことでしょう。
職場で雑談をすると、どうしてもプライベートな話題に触れられる機会も多くなります。普段から必要以上に話さないようにすれば、詮索されて無駄なストレスやプレッシャーを受ける確率が減ります。
職場で必要以上に話さない場合のデメリット・相手への印象とは
職場で必要以上に話さないことには、メリットだけではなくデメリットもあります。
この章では、職場で必要以上に話さないことのデメリットについて、相手に与える印象と共に解説します。
何を考えているか読み取れないと思われる
まず、何を考えているか読み取れないと思われるというデメリットが考えられます。
普段から話をしないということは、意思表示が少ないということです。意思表示が少ないと、何を考えているのかや、人となりが伝わってこないため、周りにいる人はその人といることに居心地の悪さを感じてしまう可能性があります。
また、意思表示がなかったり表情が乏しかったりすることから、悪気がないのに怖い印象を与えたり、不機嫌だと思われたりすることも少なくありません。
一緒にいて気を遣う、疲れると思われる
周囲の人に、一緒にいると気を遣う、疲れると思われてしまうこともあるでしょう。
必要以上に会話をしないということは、必要なこと以外は自分から話し掛けることがないということです。つまり常に受け身でいるということであり、話し掛けられても話が広がらないということも少なくありません。そのため相手は「自分が何か話さなければ」と気を遣ったり、話題探しに疲れたりしてしまうのです。
必要以上に話さないことで自分が気を遣うことは減りますが、相手に気を遣わせてしまうかもしれないということを理解しておきましょう。
総じてネガティブな印象を与えてしまう可能性がある
普段から話さなかったりリアクションが薄かったりする相手に対し、「陰気」「怖そう」などネガティブなイメージを感じてしまう人もいます。
職場において必要以上に話す必要はありません。しかしあまりにも無口すぎると、周囲から「仕事の相談をしたいけど話し掛けづらい」「仕事のアイデアが思い浮かんだけれど、提案しづらい」と思われてしまうなど、業務の遂行上の問題が生じることもあります。
必要以上に話さないことと、無口になることは違います。「人間関係が面倒だから」など、必要以上に話したくないことには何かしらの理由があるとは思いますが、必要なことに関するコミュニケーションは、通常以上に念入りに行いましょう。
理解されず、仕事を任せられないこともある
自分のことを理解されず、仕事を任せられないこともあるというデメリットもあります。
基本的に、仕事を振り分けるのは上司やチームのリーダーです。上司やチームのリーダーは、それぞれの抱えている仕事量や能力によって仕事を振り分けていますが、性格を見極めた上で、この業務を任せられそうだと考えて仕事を振ることもあります。
そのようなときに、性格を理解するための軸となるものがコミュニケーションです。上司とのコミュニケーションが希薄だと、自分の性格や、どんなことに興味があるのか、モチベーションを感じるのかなどが伝わらず、知らず知らずのうちに活躍できるチャンスを逃してしまう可能性があります。
職場で必要以上に話さなくても、仕事を円滑に進めるためのコツや注意点
ここまで紹介した通り、職場で必要以上に話さないことにはメリットだけではなくデメリットもあります。
ここからは、必要以上に話さないことがデメリットにならないようにするための、コツや注意点について解説します。
挨拶や、敬語などの言葉遣いはしっかりと
まず、挨拶や敬語など、礼儀正しくふるまうことが挙げられます。なぜなら、礼儀は人間関係を構築するために欠かせないものだからです。
挨拶が欠けている、敬語などの言葉遣いがしっかりしていないといった言動は、社会人としてのマナーが疑われます。社会人としてのマナーが備わっていないと判断されると、仕事ができないと思われたり、仕事ぶりは認めてもらえたとしてもマイナス評価を受けたりする原因になります。
出勤および退勤時の挨拶や、何かをしてもらったときのお礼、ミスをしたときの謝罪はしっかりと行い、必要に応じて適した敬語を使うなど、社会人としてのマナーを忘れないようにしましょう。
仕事に支障を出さない程度にはコミュニケーションをする
できる限り話したくなくとも、仕事に支障を出さない程度にコミュニケーションを取ることは必要です。報連相などの会話は、仕事を円滑にするためには重要です。
会話が嫌だからと報連相までしなくなると、自分の評価が下がるだけではなく、逆に進捗確認のために上司が何度も話し掛けに来ることにもつながります。
お互いの情報共有はきちんとして、話し掛けられる回数を減らすようにしましょう。
口数は少なくとも、必要なときはちゃんと否定・拒否する
必要なときはしっかりと否定や拒否をすることも大切です。なぜなら、否定や拒否をしないと「あの人は何も言わないから、嫌な仕事を押し付けてしまおう」という人が現れるなど、ストレスがたまる原因につながるためです。
必要なこと以外を話さなくなると口数が減ります。とはいえ、理不尽なことには明確に意思を示すことで、自分自身の身を守ったりストレスをためにくくできたりします。「断る方が面倒だから」などと、不満を心に秘めているのに引き受けてしまうことだけはしないようにしましょう。
話し掛けられたら笑顔で接する
話し掛けられたら笑顔で接するように心掛けることも大切です。なぜなら、笑顔は人に安心感や好印象を与えられるためです。
必要なこと以外は話さないとはいえ、仕事をしていると全く話さないということはほぼありません。相手から話し掛けられたときや、業務上話さなければならない場面では、笑顔で接するように意識しましょう。
笑顔で接する人を嫌悪する人は少ないため、口数が少ないからといってマイナスな印象を与えにくくなるでしょう。
プライベートな話を避けたいときは、代わりの話題を用意する
プライベートな話を避けたい場合は、代わりの話題を用意しておくこともコツの一つです。なぜなら、代わりの話題を振ると、プライベートなことを聞かれても答えなくて済むためです。
プライベートな話題は、自分にとって答える心理的ハードルが高くても、相手にとっては「会話のネタが無いので取りあえず」で振っているということもあります。この場合は、嫌悪感を出したり無口になったりするのではなく、上手にかわした上で、別の雑談ネタで会話すれば、プライベートを深掘りされることはありません。
その場でいきなり別の話題を考えるのは難しいものなので、事前にいくつかの話題と自分の回答を用意しておくといいでしょう。
仕事ではしっかり成果を出す
仕事ではしっかりと成果を出すことは、最も重要です。なぜなら、仕事で成果を出していれば、必要以上に話さなくても周囲から信頼されるためです。
必要なこと以外を話さなくなると周りの人にマイナスな印象を与え、仕事上の信頼関係が悪くなることがあります。しかし、仕事で成果を出していれば、「この人はあまり話さないけれど、仕事はしっかりしていて信頼できる」と思ってもらえるでしょう。
ある程度まとめて、簡潔に話す
業務上の報連相については、ある程度話す内容をまとめ、なるべく簡潔に話すことを意識するのも有効です。なぜなら、話をまとめておくことで話す回数をできるだけ少なくすることができるためです。簡潔に話せば、一回の会話に必要な時間も短くなります。
必要なこと以外を話したくないという人には、会話自体をなるべく減らしたいと考えている人も多いでしょう。このような人は特に、話をまとめて簡潔に伝えると、話す機会を減らせるためおすすめです
職場で必要以上に話さなくても、メリハリを付けて周囲と上手に関わろう
職場で必要以上に話さないことには、メリットとデメリットがあります。
必要以上に話さないことがデメリットにならないように、メリハリをつけて周囲と上手に関わりましょう。