前述の制作者のうち、フジテレビが30年前のエピソードであることが表しているように、「正直、最近フジテレビさんではそんなにがっぷり仕事をしてないんですよ。だから、今回よくこんな番組をやらせてもらえたなっていう印象が強くて、驚いてます」と心境を吐露。
そんな立場から見て、フジに対して「こんなこと言うと怒られるけど、一時期元気ないみたいな感じで言われちゃってたじゃないですか。でも今、港(浩一)さんが社長になって、『オールナイトフジ』(復活版)を佐久間(宣行)さんが司会やるとか、何がなんだか分からなくなってきたけど、何かパワーが渦巻いてる感がありますよね」と、変化を感じているという。
今回の番組についても、深夜の単発ながら、3つのコーナーそれぞれに立派なセットを組み、出川の控室に編成制作局長が挨拶に訪れ、バラエティ制作の部長が立ち会うという現場に「あまりにも熱を感じました」と驚きながら、「今回(フジテレビ若手ディレクターと)の出会いが、そんな(優秀な人との)出会いになってくれたら、それはすごくうれしいですね」と期待。
様々なディレクターを見てきた経験から、「自分のやりたい番組を遠慮せずにやってほしいです。そこがブレなかったら、いずれ面白い番組が絶対に作れると思うんで。そこはリアルです」と、若き制作者たちにエールを送る。今回の収録では、ディレクターがこだわったある演出に対して、「ただハードルを上げちゃうだけだから絶対良くないと思ったんだけど、自分の中で絶対やりたいことなんだろうなって。それは大事なことなんで」と、熱意を信じて任せたそうだ。
■若手Dを信頼「僕が意見は別にいいんです」
今回放送されるのは、出川が“WHY!?”と気になった一般人の半生を自ら取材する『WHY!? そんな人間に!?』(玉置遼D/入社8年目)、出川のリアクションにつながる料理を天才キッズたちが考案する『出川哲朗が“オイシくなる”料理 ~出川専属 天才子供料理人~』(坪井一季D/入社6年目)、令和のモテ男のデートをウオッチングする『REALにかっこよくない?』(岡耕平D/入社6年目)の3本。収録にあたっては、「3人が企画を考えてくれたんで、僕が意見は別にいいんです」という姿勢で、信頼して臨んだ。
具体的に、『出川哲朗が“オイシくなる”料理』では、「『採点は、リアクションがオイシくなると思ったことだけで決めるんじゃなくて、料理が美味しいかどうかでも半分入れてください』とか言うから、何を言ってるんだと思って。罰ゲームとしてリアクションがオイシくなる料理が美味しいわけないじゃんって矛盾してると思ったんだけど、『子どもたちは美味しいと自信を持ってるんで』って言うんですよ。いつもだったら、『いや、おかしいですよ』ってなっちゃうんだけど、そこに熱い思いがあったんで、やってみたら、めちゃくちゃ熱くて本当に辛い料理が、辛さがくる一瞬に美味しくなるんです。だから、リアクションのオイシいと料理の美味しいが共存共栄するんだということにびっくりしました」と、発見があったという。
収録を終えて、「リアルガチに3本とも本当に面白かったですね。3つともそれぞれのディレクターさんの特徴がすごい出てたと思うんで楽しかったし、自分が言うのもおかしいですけど、番組としても素晴らしい出来になるんじゃないかなと思います」と太鼓判を押した。