9割がキャッシュレス決済を利用も「給与のデジタル払いを希望する」人はわずか1割!

mitorizは、消費者購買行動レポートデータサービス「Point of Buy(POB)」の会員に4月1日から解禁される「給与のデジタル払い及び、キャッシュレス決済に関する意識調査」を実施した。

まもなく解禁される「給与のデジタル払い」に関しての認知度や理解度、キャッシュレス決済サービスの利用状況に関してアンケートを実施。消費者から収集したレシートデータによる同社のPOBデータで実際の買い物時のキャッシュレス利用状況を分析している。

同調査は2023年3月17日〜18日、POB会員(平均年齢48.8歳)2,008人を対象に、インターネットにて実施した。

2023年4月から解禁される「給与のデジタル払いについて聞いたことがあるか」を聞いたところ、51.3%の人が「ある」と回答し、過半数の人が「給与のデジタル払い」を認知していることがわかった。

続いて、聞いたことがあると回答した1,030人に「内容を理解しているか」を尋ねたところ「理解している(15.5%)」「やや理解している(44.8%)」となり、合わせて60.3%という結果となった。

続いて、ここ1年で給与を受け取ったことがある対象1,435人に「給与のデジタル払いを希望するか」を聞いたところ、「希望する(3.2%)」と「おそらく希望する(7.5%)」が合わせて10.7%となった。

最も多かった回答は「希望しない(37.1%)」で、「おそらく希望しない(28.0%)」と合わせて65.1%となり、調査時点では希望しないと考えている人が比較的多いことがわかった。また、24.3%の人は「どちらともいえない」と答えており、どちらが良いか判断しかねている人も多い印象だ。

■「希望する」・「おそらく希望する」の回答者コメント
・銀行などでおろす手間がない。現金に触らなくて良い。(30代女性)
・給与のデジタル払い浸透のためポイント付与制度ができると考えており、得できると思うから。(30代女性)
・全額現金で貰うよりも、チャージする手間が省けるから。(40代男性)

■「希望しない」・「おそらく希望しない」の回答者コメント
・田舎はデジタルで支払いできる店や企業が少ないから。(20代女性)
・指定の口座に振り込んでもらう方が安心するから。(30代女性)
・電子決済する際は自分でチャージするので、給与は現金で欲しい。もらった気がしないので。(40代女性)

■「どちらともいえない」の回答者コメント
・結局チャージするので、メリットをあまり感じられない。(30代男性)
・様々なPayを利用しているので一つに指定しにくい。(40代女性)
・理解できていない所があるので、どうしたらベストなのか自分には分からない。(50代女性)

「キャッシュレス決済を利用しているか」を聞き「ある」と回答した対象1,890人(94.1%)に、利用する理由を複数回答で答えてもらった。

結果は「ポイントなどが還元されるから(81.9%)」が最も多く、次いで「支払いが早く済む(66.8%)」、「キャンペーンなどがお得(52.3%)」と続いた。キャッシュレス決済の利用において、利便性はもちろんだが、ポイント還元やキャンペーンなどお得だからという理由で使っている人が多いことがわかった。

また、「利用していない」と回答した対象118名に、その理由を尋ねたところ「セキュリティなど安全面に不安(23.7%)」が最も多い結果となった。

さらにPOBデータ(レシートデータ/レシート:144,472,465枚)から20代〜60代を対象に買い物時の決済手段について分析した。

全体で最も比率が高いのは現金決済(44.7%)だが、次いでQRコード決済(21.7%)となり、年代別でもキャッシュレス決済ではQRコード決済の利用比率が最も高く、いわゆる「○○Pay」系のサービスがいかに世の中に普及しているかがわかる結果となった。

また、QR決済やクレジットカード決済は年代による目立った傾向はなさそうだが、現金決済は30代以降、年代が上がるにつれて利用比率が若干高くなり、また、WAON、nanaco、楽天Edyといった流通系の電子マネー・タッチ式決済も年代が上がるほど使われている比率が高いことがわかった。

逆にiDやQuick Payといった電子決済サービスは若年層の利用比率が高く、年代が上がるほど、あまり利用されていない傾向が出ている。