JR東海が2023年度重点施策と関連設備投資について発表。東海道新幹線N700Sをはじめ、新型特急車両HC85系、新形式の通勤型電車315系の追加投入などを進め、引き続き輸送サービスの充実に取り組むとしている。

  • 新型特急車両HC85系 (JR東海提供)

東海道新幹線では、「のぞみ12本ダイヤ」を活用して需要に合わせた弾力的な列車設定に取り組むほか、N700Sの追加投入も進め、2023年度は4編成を投入する予定。既存のN700Aタイプの車両に対し、N700Sの一部機能を追加する改造工事も行うという。

在来線では、ハイブリッド方式を採用した新型特急車両HC85系の追加投入を進め、2023年度は14両を投入予定。特急「ひだ」に続き、特急「南紀」での営業運転を開始する。特急「しなの」「ひだ」などの列車について、需要に合わせ弾力的な増結や増発も行う。新形式の通勤型電車315系の追加投入も進め、2023年度は120両を投入予定としている。

  • 新形式の通勤型電車315系(JR東海提供)

設備の整備等も進める。東海道新幹線では、新幹線全駅への可動柵整備に向けた調査設計に取り組むほか、自動運転システム(GoA2)の導入に向けた開発を推進。車いすスペースを6席設置したN700Sの追加投入に加え、「EXサービス」(エクスプレス予約・スマートEX)で予約可能な車いす対応座席を拡大する。

在来線の設備も整備し、刈谷駅でホームの拡幅や可動柵の設置などに向けた工事を進めるほか、半田駅・沼津駅付近の連続立体交差化に向けた工事も進める。名古屋駅にて、東海道本線下りホーム・中央本線ホームへの可動柵の設置工事を進める。

  • 車いすスペースを拡充したHC85系 (JR東海提供)

  • 車側カメラを設置した車両 (JR東海提供)

車いすスペースを拡充したHC85系・315系を追加投入するほか、駅におけるエレベーター等のバリアフリー設備の整備について、国や関係自治体と連携を図りつつ取り組む。車側カメラを設置した車両で安全確認の技術検証を実施するとともに、乗客のドアに挟まれたことなどを検知する画像認識技術活用の検討を進める。東海道本線(名古屋~米原間)と中央本線(勝川駅)で「お客様サポートサービス」の導入駅拡大も計画している。