間違えた金額の切手を貼ってしまったり、必要以上に貼りすぎてしまって焦ったりした経験はありませんか?
切手は金券なので損した気分になってしまいますよね。できれば綺麗にはがして、なんとか再利用したいものです。
この記事ではそのようなときにも役に立つ切手のはがし方や、破らずに再利用できる方法を紹介します。
間違って貼ってしまった切手は再利用できる?
そもそも一度間違えて貼ってしまった切手を、別の郵便物に貼り替えて投函してもよいのでしょうか。
切手は破れたり汚れたりしていなければ再利用できる
切手の再利用について、郵便局の公式サイトにはこのように記載されています。
「切手や、切手に準ずる『郵便物の料金を表す部分』が破れたり汚れたりしている場合には、切手としての効果を認めない」という意味です。
逆にいえば、「破れたり汚れたりしていない」限り、切手は別の郵便物に貼り替えて再利用することができるということです。
ただし元の郵便物から切手だけを無理にはがそうとすると、紙にのりが残ってしまうなどで、最悪の場合には破れて切手の価値がなくなってしまうため注意が必要です。
切手のはがし方でおすすめなのは「水はがし」
切手コレクターがよく使う「水はがし」と呼ばれる方法を紹介しましょう。この方法はのりも残らず綺麗に取れることで知られています。
用意する道具は、ハサミ、洗面器などの容器、お湯、タオルなど。家にあるものだけで試せます。水はがしの手順は次の通りです。
切手の部分を切り取る
まずは切手が貼ってある部分をハサミなどで切り取ってください。 切手の周囲を2~3ミリ程度残して四角くカットします。
このとき、誤って切手本体にまでハサミを入れてしまわないようくれぐれも注意しましょう。
ぬるま湯に浸ける
洗面器や深さのある小皿などにお湯を注ぎます。お湯の温度は人肌やぬるめのお風呂程度、35度前後がおすすめです。冷たい水でもはがすことはできますが、お湯の方が早く効果が出ます。
台紙ごと切り取った切手を、その中に入れてください。 お湯に浮かべるのではなく、水面の下に潜るように軽く押さえ込んでしっかり沈めましょう。
そのまま5~10分待ってください。 のり成分がお湯に溶けて、切手が台紙から自然と分離してずれ始め、最終的には完全にはがれます。
水切りし乾燥させる
お湯から切手をすくい上げます。 取るのは指でもかまいませんが、汚したくない場合はピンセットや箸などを使うとよいでしょう。
よく乾いたタオルやティッシュペーパーの上で切手の水切りをします。 清潔なタオルで上下を優しく挟んで、切手が含んだ水分を吸い取りましょう。残ったのりがタオルなどに接着することはありません。その後は自然に乾燥するまで放置しても大丈夫です。
新聞やチラシなど印刷してある紙の上に置くのは、切手に色移りする可能性があるためおすすめしません。
完全に乾燥すると、ヨレが気になる人もいるかもしれません。さらに形を綺麗に整えたい場合は、押し花の要領で電話帳や辞書など厚くて重い本の間に挟んでおくとよいでしょう。
あとは裏面に手持ちののりを付け、新しい郵便物に貼り付ければOKです。
水はがしを行う際の注意点
浸けるお湯の温度が高すぎると切手本体のインクに影響し、変色などが起こる恐れがあるため、温度管理に注意しましょう。
また焦って早く取り出しすぎたり乱雑に扱ったりすると、うまくはがれなかったり、切手本体が傷ついたりする事態にもつながります。10分経ってもはがれる気配がないときには、20分、30分待って様子を見てください。切手はがしに焦りは禁物です。
また切手のデザインや種類によっては、水はがしが向いていないものもあります。
その他の切手のはがし方
そのほかにもインターネットサイトを中心に、さまざまな切手のはがし方が紹介されています。ただし再現性や確実性には賛否両論があり、切手の種類や環境、使う道具によって得られる結果には差があります。
冷蔵庫を使う方法
「郵便物を冷蔵庫に20分置いておくだけで勝手に紙から切手がはがれる」という説があります。
冷蔵庫の庫内は、庫外と比較して空気が乾燥しています。そのため切手も乾燥してはがれやすくなるという根拠です。この方法を実際に試してみて、はがれたという人もはがれなかったという人もいるようです。
ドライヤーを使ってはがす方法
ドライヤーを使ってはがす方法は、切手の部分を水で濡らしてからドライヤーで温風を当てるという手順です。
数分で隅がめくれ始めてはがすことはできますが、台紙に一部ののりが残ってしまうなど、水はがしほどは綺麗には取れない可能性もあります。
また水はがしの湯温と同様、温度が高くなりすぎると切手本体を傷つける恐れがありますので、注意が必要です。
蒸気を使ってはがす方法
蒸気を使ってはがす方法は、やかんや鍋から出る蒸気を、切手の部分に数分間当てるというもの。
ドライヤーと同様、熱と湿気でのり成分を溶かす原理ですが、 こちらも綺麗にはがれるかどうかが確実ではありません。 高温で切手を変色させてしまったり、作業者が火傷を負ってしまったりするリスクもあります。試してみる場合には十分な配慮が必要でしょう。
アイロンを使ってはがす方法
アイロンを使ってはがす方法は、切手の上から水で濡らしたハンカチなどの布を置いて、アイロンで熱を加えるというものです。布が乾燥するまでアイロンをかけると切手がはがれてくるということですが、こちらもドライヤーや蒸気の方法と同様のリスクがあります。
確実に切手を再利用したいならこんな方法も
最後に、水はがしと同じレベルで確実かつ綺麗に切手を再利用する方法を2つ紹介しましょう。
紙の裏側から浸透させるだけの「切手はがし液」を使う
「切手はがし液」という切手はがしの専用商品があります。失敗したくない人は、こちらを活用してみてはいかがでしょうか。
例えばコクヨの「切手はがし」は、スティックのりのような形状で、液体をスポンジヘッドに染み込ませて使う商品です。 使い方はとても簡単。切手を貼ってしまった紙の裏側から、液体を軽く叩き込むように塗布します。 しばらして表向きにすると、切手が綺麗にはがれます。
形状や塗り方は商品によって異なります。複数の文具・事務用品メーカーから発売されていますので、チェックしてみてください。
紙ごと切り取ってのりで貼付する
紙ごと切り取ってそのまま新たな郵便物に貼る方法もあります。台紙ごと切り取った部分の裏側にのり付けして、貼り付けるだけです。
切手のみを再利用するやり方と比較すると少し見栄えが劣りますが、手間やリスクは格段に小さくなります。送る相手が見栄えの悪さや再利用であることを気にしない間柄や連絡内容であれば、この方法が有用でしょう。
切手のはがし方を覚えて、いざというときに役立てよう
切手のはがし方は、手間はかかりますが綺麗に取れる「水はがし」がおすすめです。専用のはがし液を使ったり、紙ごと切ってのりで貼ったりする方法もいいでしょう。
そのほかにもさまざまな方法がありますが、確実にはがせるかどうかには諸説あります。自己責任で試してみるのも一案です。
もし誤って切手を貼ってしまっても大丈夫。いざというときには、紹介した方法を参考に試してみてくださいね。