京王電鉄は、2023年10月の実施(予定)に向けて、国土交通大臣宛に鉄道旅客運賃の変更認可申請を行ったと発表した。

  • 京王電鉄が鉄道旅客運賃の変更認可申請を行ったと発表

同社はこれまで、安全性向上・サービス向上に積極的に取り組むとともに、生産性向上などの経営効率化に努めることで、業界最安水準の運賃を長年にわたり維持してきた。直近の値上げは約28年前の1995年(消費税率変更によるものを除く)。その後、1997年に値下げも実施している。

しかし、新型コロナウイルス感染症の影響で、利用者は同業他社と比較しても大きく減少しており、今後もコロナ禍前の水準までの回復が見込めないと想定されるなど、鉄道事業はきわめて厳しい経営状況にある。

このような状況下でも、同社は「日本一安全でサービスの良い鉄道」をめざし、2021年10月に発生した車内傷害事件を受けた防犯対策や、ホームドア等のバリアフリー設備の整備などを進め、それらを適切に維持管理することで、あらゆる人が安全・安心・快適に利用できる鉄道サービスを提供し続けるため、運賃改定を行い、不足する費用の一部について利用者に負担を求めるとしている。運賃改定にあたって、固定費削減や業務効率化など、あらゆる経営努力を徹底するとともに、さらなるサービスの向上に努めるとして、利用者に理解を求めている。

おもな申請内容として、改定率13.3%、増収率11.5%。初乗り運賃はきっぷ130円を140円に、ICカード126円を140円に値上げする。その他の区間は改定額を抑え、最大で42円の値上げとし、新宿~高尾山口間できっぷ390円を430円、ICカード388円を430円とする。通勤定期は普通運賃の値上げに合わせた改定(割引率は37.6%で変更なし)を行う一方、通学定期は家計負担に配慮し、運賃据置き(割引率を77.4%から80.1%に引上げ)とする。

なお、運賃改定の申請に合わせ、相模原線京王多摩川~橋本間で乗車キロに応じて設定していた加算運賃は廃止するとのこと。