幅広く活動している中で最近特にやりがいを感じている仕事を尋ねると「歌が好きだからか、声を使う仕事は好き。今回のキティ役もすごく楽しかった」と答えた。

「声優のお仕事はこれまでも少しやらせてもらったことがあって難しいと思っていましたが、今回自分にしっくりくる役で声を演じる楽しさを知ったので、終わったあとマネージャーにずっと『面白かった』って話していました。自分の声がキャラクターの声になるという、アニメーションや吹き替えの面白さも感じて、またやりたいなと思いました」

低い声が魅力の土屋。「本当は高い声になりたかった」と打ち明けるも、「それを欲してもらえたときは、自分の声ってありなんだと感じられてうれしい」と語る。

そして、「一番うれしいなと思ったのは、耳が聞こえにくい年配の方に『あなたの声は聞きやすい。高い声は聞こえなくて』と言われたとき。私の声が役に立つことがあるんだと思ってうれしかったですね」と自分の声に喜びを感じたエピソードを紹介。

女優業や歌手活動においても、自分の声でよかったと感じる瞬間はあるという。

「最初に気づいたのは『下妻物語』のケンカをするシーン。ほかの方たちが高めの声だったので、その中で低い声はパンチが出ていいなと思いました。歌手としては、海外の方は低い女性の声を好きな人がけっこういて、『この低さがいい』と言ってもらえたときはうれしかったです」

土屋ならではの武器となっているものの、それでも自分の低い声が「好きではない」と言い、「普段の声は、かわいい高い声がいいです。ジェットコースターに乗ったときとかに『きゃ~!!』ってかわいく言いたいです」と笑いながら願望を語る。ちなみに、子供の頃は高かったそうで、「中学から声変わりして低くなりました」とのこと。

本作のキティ役は、まさに土屋の低音ボイスで生きた作品に。土屋は「キティの声を好きになってくれたらうれしいです」とほほ笑む。

最後に今後の活動について尋ねると、「特に決めていなくて、なるようになれ! でいきます」と回答。「オファーがないとできない仕事で、お話をいただけることがありがたいと思っているので、これからもお話をいただいたものをやっていけたら。やってみて好きになることもたくさんあるので、いろんなことに挑戦していきたいです」と語った。

■土屋アンナ
1984年3月11日生まれ、東京都出身。1998年にモデルとしてデビューし、その後、歌手や女優としても幅広く活躍している。映画『下妻物語』(2004年)で日本アカデミー賞新人賞等、数多くの賞を受賞。Amazon Prime Video『ザ・マスクド・シンガー』(2021)では圧巻のパフォーマンスで優勝に輝いた。プライベートでは二男二女の母である。