普段、何の気なしに使っている「漢字」。
漢字に馴染みのない方からすると難しく感じるかもしれませんが、漢字ならではの素晴らしさを語ればキリがありません。
現在、ツイッター上では、漢字にまつわるこんなツイートが大きな注目を集めています。
欧米の知識人には、東洋の漢字は覚えるべき字数が多すぎて非効率だと論じる人も珍しくない。
けれど、一文字あたりの情報量を増やせるという圧倒的な利点がある。
「17時からMTG」という掲示板を見て、わくわくしながらマジック・ザ・ギャザリングのデッキを持ち込んでしまう……なんて悲劇を防げる。
(@rootportより引用)
投稿したのは作家でマンガ原作者の「Rootport(@rootport)」さん。
Rootportさん曰く、欧米の知識人の中には「東洋の漢字は覚えるべき字数が多すぎて非効率だ」と言う人も少なからずいるのだとか。
しかし、漢字には、一文字あたりの情報量を漢字を使うことで増やすことができる、とても良い利点があると訴えます。
例えば、一般的にはミーティング(Meeting)の略語として使われる「MTG」。
「MTG=ミーティング」の略だと知っていれば何も問題ありませんが、この略語を知らなかった場合、もしかしたら人気のトレーディングカードゲーム「マジック・ザ・ギャザリング(Magic The Gathering)」の略だと勘違いしてしまう人もいる可能性もあるとRootportさんは説きます。
その場合、張り切ってマジック・ザ・ギャザリングの“デッキ”を会議の場に持ち込んでしまうなどという悲劇……または喜劇のような展開がが起こり得る可能性も。
しかし、最初から漢字2文字で「会議」と書いていれば、そんな事故も防げます。
やっぱり漢字って超便利〜!!
Rootportさんはさらに、こんなふうにも続けています。
アルファベットでは、ミーティングもマジック・ザ・ギャザリング「MTG」になってしまう。一方、「会議」と「万智牌」「風雲會」では混乱しようがない。
なぜこんなことをボヤいているかというと、AI界隈ではDDPMとかGANとかVAEとかアルファベットの略語が飛び交っているけど、略語だけでは情報量がゼロだよな…って。
Denoising Diffusion Probabilistic Models → 除塵拡散確率モデルみたいに、適当に漢字を当て字したほうが覚えやすいよな…って。スティーヴン・ロジャー・フィッシャー『文字の歴史』は、(欧米の著者ながら)視覚情報の重要性という点で漢字を擁護していた。
もしも無駄な文字なので非効率だという理由で、英語の「know」から「k」を取り除いたら、どれほど混乱するだろうか?と。(@rootportより引用)
この漢字の利点を説いたツイートは大きな反響を呼び、2.2万件のいいねを獲得(3月9日時点)。数々のコメントも寄せられました。
「漢字は言語の圧縮率ヤベェからな……漢字二文字である程度会話出来る位意味が圧縮されてる」
「めっちゃ共感。若い人はアルファベットの略語多用するのが流行の業界なんだけど、日本語で書いた方が少ない文字数に情報を詰め込めるから一番効率が良いし間違いが防げると思うのに、なんで自分の文章を略語で飾ろうとするの?と日々思っていました」
「漢字って英語におけるA,B,Cみたいな文字じゃなくapple,smileみたいな単語の枠組みに当たるよね」
「言わば漢字は言葉の集積回路なのです」
「今だにAV機器って見るとドキッとしちゃうもんなぁ…。病名とか専門的な英単語が分からなくても漢字なら何となく理解できるの便利だなと思います」
「1文字あたりの情報量が多いのでTwitterのような1回の発信の文字数が制限されているような場所でも1回の発信で多くの情報が送れたり、同じ内容でも文字数を減らせる利点もあったりする」
また、普段からカードゲーム『マジック・ザ・ギャザリング』に馴染みのある方々からは「ほんとだ…。Magic the Gatheringにしか見えなかった」「これはワクワクしてしまいますね その後めっちゃガッカリする」といった声も寄せられていました。
ツイ主のRootportさんに今回のツイートの反響について感想を尋ねると、「マジック・ザ・ギャザリングという世界で一番面白いゲームのことを多くの人に知っていただけて嬉しいです! 」と話されていました。
そんなに面白いとは……「マジック・ザ・ギャザリング」、とても気になってきますね。
Rootportさんは、AI界隈でこの漢字の便利さを感じたとのことですが、そんなAI技術を駆使したフルカラーコミックを2023年3月9日に新潮社より出版されるとのこと。
マンガのタイトルは『サイバーパンク桃太郎』。なんと全編AIで作画したマンガであり、商業出版された漫画の中では世界初の〝AIマンガ〟なんだそうです。
気になる方はぜひチェックしてみてはいかがでしょう?
アルファベットでは、ミーティングもマジック・ザ・ギャザリング「MTG」になってしまう。一方、「会議」と「万智牌」「風雲會」では混乱しようがない。
— Rootport💰🍹🍑 (@rootport) March 4, 2023
スティーヴン・ロジャー・フィッシャー『文字の歴史』は、(欧米の著者ながら)視覚情報の重要性という点で漢字を擁護していた。もしも無駄な文字なので非効率だという理由で、英語の「know」から「k」を取り除いたら、どれほど混乱するだろうか?と。
— Rootport💰🍹🍑 (@rootport) March 4, 2023