1944年開業の老舗で西日本を代表する大型温泉リゾート「別府温泉 杉乃井ホテル」(大分県別府市)。1月26日にそのフラッグシップ棟となる「宙館(そらかん)」が開業した。新たなステージに入ったリゾート空間を堪能してきた。
「別府温泉 杉乃井ホテル」とは?
杉乃井ホテルは、別府八湯の一つ「観海寺温泉」に位置し、山は鶴見岳の景観を仰ぎ、晴れた日には遠く四国・佐田岬までを望む、別府湾一望の高台に建つ老舗ホテル。
1944年に開業、高度経済成長期における旅行需要の拡大とともに徐々に規模を拡大し、大分・別府を代表する大型温泉リゾートへとして、西日本のファミリー層を中心とする利用者に親しまれてきた。
2002年にオリックス不動産が取得し、2008年に直営での運営を開始。現在は、全国に5ブランド・15軒の旅館とホテルを展開する「ORIX HOTELS & RESORTS」単館シリーズの代表的なホテルとなっている。
開業にあわせて行われた発表会で、オリックス・ホテルマネジメント取締役社長 オリックス不動産 専務執行役員 運営事業本部長 杉乃井ホテル&リゾート 代表取締役の似内隆晃氏は次のように話した。
「杉乃井ホテルは、眺望を愛でる発想から生まれた大展望露天風呂『棚湯』(※現在リニューアル工事のため営業を休止中)やお客さまの目の前で調理するライブキッチンを採用したビュッフェレストランなど、新しいものをいち早く取り入れ、九州エリアのご家族三世代に親しまれてきました。その中で培われてきたノウハウや知見はORIX HOTELS & RESORTSの基礎となっており、グループを牽引する存在と思っております」
2019年から進めている大規模リニューアル計画で、2021年にはカジュアルに過ごせる客室棟「虹館」(155室)を開業している。「今回開業した宙館は、温泉・食事など宙館だけの体験を詰め込み、フラッグシップと位置付けています。ワンランク上の特別なひとときを提供したい」と似内氏。
さらに敷地内のアミューズメント施設の改修やアクティビティの拡充などを順次実施し、2025年1月には旧Hana館を建て替えて新設する客室棟「星館」(300室)を開業、"新生・杉乃井ホテル"としてグランドオープン予定だ。
新コンセプトは「君としあわせ。」
杉乃井ホテル総支配人の鞍馬達也氏は、「新生・杉乃井ホテルのグランドオープンに向けてこのたび我々は『君としあわせ。』という新しいコミュニケーションコンセプトを設けました。ご家族やカップル、友人同士など、利用されるすべてのみなさまに"君としあわせ。"を感じていただけるような、そしていつ来ても、何度来ても、思い出が積み重なる場所となっていきたいと考えてつくったコンセプトです」と挨拶。
「別府は日本から世界中から注目されるエリアになっていくと確信しています。我々もその発展をリードし、皆さまの力を借りながら地域を盛り上げていきたい」と抱負を語った。
フラッグシップ棟「宙館」の魅力は?
新たに開業した宙館は地上14階・地下1階建て、杉乃井ホテルの敷地内でもっとも高い場所に位置する。
見どころ1: 絶景!!! 海も山も見える展望露天風呂
最上階にあるのが、海抜約250mから望む大パノラマの展望露天風呂「宙湯(そらゆ)」。宙館に宿泊したゲストだけが利用できる特別な空間だ。ゆったり広々とした贅沢なつくりに思わず感嘆の声が上がる。お湯に浸かると視界に入るのは絶景と温泉の水面だけ、という感覚。
見どころ2: 食のライブ会場!? なビュッフェレストラン
温泉のほかに力を入れているのが食。ビュッフェレストラン「TERRACE & DINING SORA」では、九州・大分の地産の食材を取り入れた、和食・洋食・中華・デザートの多種多様な料理が並ぶ。お寿司やグリル料理など目の前で調理してもらえるオープンキッチンがさらに食事を盛り上げてくれる。
見どころ3: 大きな窓のある広々とした客室でゆったり
客室は、5タイプ全336室。開放的な大きな窓が特徴的で、平均45m2以上の広めのお部屋でゆったりと過ごすことができる。
宿泊料金は「デラックス」が3月31日まで公式ホームページ開業限定プラン1泊2食付き1名2万4,750円~、通常1泊2食付き1名2万7,500円~(いずれも1室2名利用時、サービス料・消費税込・入湯税別)。
楽しいエンタメ施設も大充実
このほか杉乃井ホテルの敷地内にはエンターテインメント施設も充実。屋外温泉プール「アクアガーデン」での噴水ショー、屋内プール「アクアビート」(夏季限定)のほか、同日オープンした「SUGINOI BOWL & PARK」では、ボウリング、ボッチャ、卓球、ダーツ、ビリヤード、カラオケ、デジタル射的など、多彩なアクティビティが用意されている。敷地内だけでも数日遊べてしまいそう。
宙館は、小さな子ども連れでも安心して過ごせる配慮が行き届いていながらも、洗練されたデザインと落ち着いた空間で大人もうれしい——ベビー&キッズフレンドリーを超えた"ファミリーフレンドリー"なホテルという印象だった。三世代に渡って親しまれてきたというのも納得。
施設の宿泊棟は「中館」(63室/7階建て)、虹館(155室/8階建て)、今回開業した宙館(336室/地上14階・地下1階建て)、そして2025年にオープンする星館(300室/地下1階・地上13階建て)を含めると854室に。朝夕食提供する旅館スタイルのホテルとしては全国的にも最大級の規模となる。時代に合わせて変化し続けてきた老舗の大型温泉リゾートの、今後のさらなる進化が楽しみだ。