1944年開業の老舗で西日本を代表する大型温泉リゾート「別府温泉 杉乃井ホテル」(大分県別府市)。1月26日にそのフラッグシップ棟となる「宙館(そらかん)」が開業した。新たなステージに入ったリゾート空間を堪能してきた。

  • 「別府温泉 杉乃井ホテル」(大分県別府市)のフラッグシップ棟「宙館(そらかん)」。杉乃井ホテルは、東九州自動車道別府I.C.より車で5分、JR別府駅から車で10分(西口から無料シャトルバス運行中)、別府国際観光港から車で20分、大分空港から車で45分

「別府温泉 杉乃井ホテル」とは?

杉乃井ホテルは、別府八湯の一つ「観海寺温泉」に位置し、山は鶴見岳の景観を仰ぎ、晴れた日には遠く四国・佐田岬までを望む、別府湾一望の高台に建つ老舗ホテル。

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    「宙館」からの眺望

1944年に開業、高度経済成長期における旅行需要の拡大とともに徐々に規模を拡大し、大分・別府を代表する大型温泉リゾートへとして、西日本のファミリー層を中心とする利用者に親しまれてきた。

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    大型温泉リゾート、杉乃井ホテルの全貌。客室棟もエンターテインメント施設を備えとにかく広い! 1泊ではとても周りきれない

2002年にオリックス不動産が取得し、2008年に直営での運営を開始。現在は、全国に5ブランド・15軒の旅館とホテルを展開する「ORIX HOTELS & RESORTS」単館シリーズの代表的なホテルとなっている。

開業にあわせて行われた発表会で、オリックス・ホテルマネジメント取締役社長 オリックス不動産 専務執行役員 運営事業本部長 杉乃井ホテル&リゾート 代表取締役の似内隆晃氏は次のように話した。

「杉乃井ホテルは、眺望を愛でる発想から生まれた大展望露天風呂『棚湯』(※現在リニューアル工事のため営業を休止中)やお客さまの目の前で調理するライブキッチンを採用したビュッフェレストランなど、新しいものをいち早く取り入れ、九州エリアのご家族三世代に親しまれてきました。その中で培われてきたノウハウや知見はORIX HOTELS & RESORTSの基礎となっており、グループを牽引する存在と思っております」

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    発表会に登壇した(左から)オリックス・ホテルマネジメント 執行役員 営業本部長 杉乃井ホテル&リゾート 副社長の森直樹氏、別府市 観光・産業部長の松川幸路氏、オリックス・ホテルマネジメント取締役社長 オリックス不動産 専務執行役員 運営事業本部長 杉乃井ホテル&リゾート 代表取締役の似内隆晃氏、杉乃井ホテル総支配人の鞍馬達也氏

2019年から進めている大規模リニューアル計画で、2021年にはカジュアルに過ごせる客室棟「虹館」(155室)を開業している。「今回開業した宙館は、温泉・食事など宙館だけの体験を詰め込み、フラッグシップと位置付けています。ワンランク上の特別なひとときを提供したい」と似内氏。

さらに敷地内のアミューズメント施設の改修やアクティビティの拡充などを順次実施し、2025年1月には旧Hana館を建て替えて新設する客室棟「星館」(300室)を開業、"新生・杉乃井ホテル"としてグランドオープン予定だ。

新コンセプトは「君としあわせ。」

杉乃井ホテル総支配人の鞍馬達也氏は、「新生・杉乃井ホテルのグランドオープンに向けてこのたび我々は『君としあわせ。』という新しいコミュニケーションコンセプトを設けました。ご家族やカップル、友人同士など、利用されるすべてのみなさまに"君としあわせ。"を感じていただけるような、そしていつ来ても、何度来ても、思い出が積み重なる場所となっていきたいと考えてつくったコンセプトです」と挨拶。

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    杉乃井ホテル総支配人の鞍馬達也氏。別府の魅力を「温泉が身近にあり、地元の方々に浸透している。海も山も小さなエリアで感じられる街。近年では新たな賑わいも生まれている」と語ってくれた

「別府は日本から世界中から注目されるエリアになっていくと確信しています。我々もその発展をリードし、皆さまの力を借りながら地域を盛り上げていきたい」と抱負を語った。

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    発表会には大分を拠点に"新時代のNIPPONエンターテインメント"を世界に発信している和太鼓演奏グループ「DRUM TAO(ドラム・タオ)」も登場

フラッグシップ棟「宙館」の魅力は?

新たに開業した宙館は地上14階・地下1階建て、杉乃井ホテルの敷地内でもっとも高い場所に位置する。

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    杉乃井ホテルの中でもワンランク上の特別なひとときを提供する「宙館」。"大空の上に広がる果てしない宙(そら)"をイメージして命名されたという

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    一面ガラス張りの明るいロビー

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    思い出作りのフォトスポットとしてぴったりの「ソラニワ」

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    館内各所には大分・別府にゆかりのあるアーティストの作品が飾られている

見どころ1: 絶景!!! 海も山も見える展望露天風呂

最上階にあるのが、海抜約250mから望む大パノラマの展望露天風呂「宙湯(そらゆ)」。宙館に宿泊したゲストだけが利用できる特別な空間だ。ゆったり広々とした贅沢なつくりに思わず感嘆の声が上がる。お湯に浸かると視界に入るのは絶景と温泉の水面だけ、という感覚。

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    展望露天風呂「宙湯(そらゆ)」

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    海も山も温泉街も望む大パノラマ

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    広々としていて段差がつけられているためどの場所からでも景色が楽しめる

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    鉄輪温泉から立ち上がる湯けむりが見えた

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    インフィニティ感!

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    内風呂も壁面がガラス張りで広々

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    なんとサウナも正面がガラス張り、絶景を拝める(男湯はドライサウナ、女湯はミストサウナ)

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    湯上がり処まで贅沢な眺望

見どころ2: 食のライブ会場!? なビュッフェレストラン

温泉のほかに力を入れているのが食。ビュッフェレストラン「TERRACE & DINING SORA」では、九州・大分の地産の食材を取り入れた、和食・洋食・中華・デザートの多種多様な料理が並ぶ。お寿司やグリル料理など目の前で調理してもらえるオープンキッチンがさらに食事を盛り上げてくれる。

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    ビュッフェレストラン「TERRACE & DINING SORA」

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    ホテルのイチオシ「牛モモ肉の塩釜焼き」

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    「ロティサリーチキン」

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    魚介類を焼く鉄板から炎が上がる!

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    握りたてのお寿司も

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    ビュッフェ形式でありながらワンランク上のお料理が味わえる

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    大分の郷土料理「とり天」をはじめとした天ぷら

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    こちらも大分の郷土料理「だんご汁」

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    豪華! 北京ダックも

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    別府名物「地獄蒸し」を堪能

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    地獄蒸しの温泉卵(朝食時)

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    地元産のビール、日本酒、ワインなどお酒も幅広く取り揃える

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    パティシエが目の前でつくるモンブランは絶品!

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    ほかにもデザートが豊富! 自分でつくる「あんみつ」などユニークなメニューも

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    フルーツもたっぷり

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    「エッグベネディクト」もできたて(朝食時)

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    オムレツもふわふわ(朝食時)

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    子連れファミリーにもうれしい子ども用ビュッフェ台まで

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    落ち着いた雰囲気の席

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    テラス席からも別府の眺望が楽しめる

見どころ3: 大きな窓のある広々とした客室でゆったり

客室は、5タイプ全336室。開放的な大きな窓が特徴的で、平均45m2以上の広めのお部屋でゆったりと過ごすことができる。

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    「デラックス」(46.85〜49.06m2)

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    「デラックス」

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    「ジュニアスイート」(51.37m2〜66.08m2)。ベッド4台入るのは家族連れにうれしい

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    「スイート」(90.57m2)。赤ちゃん&高齢者も安心の畳のお部屋も

宿泊料金は「デラックス」が3月31日まで公式ホームページ開業限定プラン1泊2食付き1名2万4,750円~、通常1泊2食付き1名2万7,500円~(いずれも1室2名利用時、サービス料・消費税込・入湯税別)。

楽しいエンタメ施設も大充実

このほか杉乃井ホテルの敷地内にはエンターテインメント施設も充実。屋外温泉プール「アクアガーデン」での噴水ショー、屋内プール「アクアビート」(夏季限定)のほか、同日オープンした「SUGINOI BOWL & PARK」では、ボウリング、ボッチャ、卓球、ダーツ、ビリヤード、カラオケ、デジタル射的など、多彩なアクティビティが用意されている。敷地内だけでも数日遊べてしまいそう。

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    エンターテインメント施設「SUGINOI BOWL & PARK」

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    円形の卓球台が

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    子どもが喜びそうなキッズエリア

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    カラオケルームも

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    ボウリングまで

宙館は、小さな子ども連れでも安心して過ごせる配慮が行き届いていながらも、洗練されたデザインと落ち着いた空間で大人もうれしい——ベビー&キッズフレンドリーを超えた"ファミリーフレンドリー"なホテルという印象だった。三世代に渡って親しまれてきたというのも納得。

施設の宿泊棟は「中館」(63室/7階建て)、虹館(155室/8階建て)、今回開業した宙館(336室/地上14階・地下1階建て)、そして2025年にオープンする星館(300室/地下1階・地上13階建て)を含めると854室に。朝夕食提供する旅館スタイルのホテルとしては全国的にも最大級の規模となる。時代に合わせて変化し続けてきた老舗の大型温泉リゾートの、今後のさらなる進化が楽しみだ。