女優の小芝風花が主演を務めるテレビ朝日系ドラマ『波よ聞いてくれ』が4月にスタート(毎週金曜23:15~※一部地域除く)する。

  • 小芝風花=テレビ朝日提供

原作は、国内外で熱狂的な支持を集めた大ヒット作『無限の住人』で知られる沙村広明氏の同名コミック。雑誌『月刊アフタヌーン』(講談社)連載中で、2020年の「マンガ大賞」では第4位にランクイン、同年には地上波でアニメ化もされた話題作だ。小芝が演じるのは、スープカレー店でアルバイトをする主人公・鼓田ミナレ。彼氏にフラれた上に金もだまし取られ、やけ酒を飲んでは見ず知らずの男に愚痴をこぼし、泥酔して記憶をなくすという、“超絶やさぐれ女”となっている。ところがこの失恋トークをした見ず知らずの男が実は地元ラジオ局のチーフディレクターで、素質を見出されたミナレは、深夜のラジオで冠番組を持ち、ラジオパーソナリティーとして開花していくことに。

初主演を務めた映画『魔女の宅急便』(14年)や連続テレビ小説『あさが来た』(16年)、コメディエンヌとしての才能を発揮した『トクサツガガガ』(19年)、『妖怪シェアハウス』シリーズ(20年、22年)、『彼女はキレイだった』(21年)など数々の作品で活躍してきた小芝が、これまで以上に破天荒で型破りなキャラクターに挑戦する。「私自身とミナレという人物がかけ離れている印象だったので、『この役を私が演じるんだ!?』と」と驚きを吐露した小芝。役柄に合わせて髪は人生初の地毛を金髪に、そしてメイクやファッションもこれまでとは全く異なるビジュアルに変身を遂げ、「新しい自分になれた気がして、今はワクワクしています!」と胸を膨らませる。内面もミナレのやさぐれたキャラクターを掴むため「普段はやらないのですが、今はお酒を飲みながら台本を読んでいます(笑)」と告白。新境地となる役どころでどんな芝居を見せるのか。

ミナレがラジオパーソナリティーを担当することになる深夜番組『波よ聞いてくれ』では、元カレへの復讐劇、幽霊が現れる部屋への突撃レポート、ストーカーへの公開生説教など、刺激的な企画を続々とオンエア。そんなストーリーを描きながら、ラジオ制作の裏側やラジオ番組にかける制作スタッフの熱い思いと葛藤、駆け引きなど泥臭く熱い一面も映し出していく。

脚本を手掛けるのは、『LIAR GAME』(07年)、『メイちゃんの執事』(09年)など数々の人気コミックを実写化させてきた古家和尚氏。演出は『架空OL日記』(20年)、『殺意の道程』(21年)などバカリズム脚本作品でタッグを組み、新しいコメディの形に挑んできた住田崇氏が担当する。

コメントは以下の通り。

■小芝風花(鼓田ミナレ 役)

――主演が決まった時の率直なお気持ちをお聞かせください。また、原作を読まれて、いかがでしたか?

最初お話をいただいた時は、私自身とミナレという人物がかけ離れている印象だったので、「この役を私が演じるんだ!?」と驚きました。高崎プロデューサーとはご一緒するのが今回で4度目なのですが、すごいチャレンジというか、冒険をさせてくださるなって思いました(笑)。原作も読ませていただき、アニメ版も拝見させていただきましたが、鼓田ミナレという人物をなかなか掴みきれなくて、また、作品の世界観も独特で、出てくるキャラクターもみんなちょっとおかしくて(笑)。ただ、原作の漫画もアニメ版もなぜか、ついつい続きに手が伸びちゃうような癖になる感じがあり、ドラマ版でも「なんか変わったドラマをやっているけど、来週も気になるな」みたいな感じになっていただけたらうれしいです。

――今回演じられる鼓田ミナレというキャラクターについて、どのような印象を受けましたか? “やさぐれ女”というこれまでにない破天荒なキャラクターに挑みますが、心がけたいことなどございましたら教えてください。

とにかく破天荒で、ガサツな部分もあったり、人として足りない部分もたくさんある人なのですが、それと同時に周りを動かしたり巻き込んだりするパワーがとても強い人だなと思いました。漫画やアニメでは、「こんな人、本当にいる!?」と思うような、何を起こすかわからない強いキャラクターなのですが、そんな原作で描かれるミナレの良さも引継ぎながら、監督やプロデューサーとは「ミナレみたいな人っているよね」と感じさせるようなリアリティも出せるようにしていきたいということはお話しています。でも、こういったやさぐれた役は初めてで、さらに第1話では酔っぱらって荒れているミナレからスタートするので、そういう雰囲気を掴めたらいいなと思い、普段はやらないのですが、今はお酒を飲みながら台本を読んでいます(笑)。

――役柄に合わせて初めて金髪にされましたが、いかがですか? また小芝さんにとって、髪型など外見を変えることは役作りにどのような影響を与えますか?

最初にこのお話をいただいた際に、この役に挑むなら絶対に金髪にしたいと思ったんです! なので、マネージャーには自ら「私、今回金髪できますか!?」ってすぐに確認したんです(笑)。ただ、初めて地毛を金髪にして鏡を見た時は、「え、似合わないかも……」と思ってしまったんですけど(笑)、髪の毛をセットしていただいたり、強めのメイクをしていただいたり、おしゃれな衣装を用意していただいたり、今回はカラコンも付けたりと、ヘアメイクやファッションなどいろいろ相談しながら、皆さんのおかげでちゃんと鼓田ミナレのビジュアルを作っていただけました。トータルすると新しい自分になれた気がして、今はワクワクしています!

髪の毛を染める前に台本読んだ時は、どこかしっくり来なかったのですが、ビジュアルが変わったことでとても助けられて、こういう感じでいいのかなという役の方向性が自分の中で少し見えた気がします。

――ミナレは素質を見出され、ラジオDJとして開花していくことになりますが、ラジオDJの役に挑むにあたり、準備していることや参考にしている人などございましたら教えてください。

私は普段、ラジオをあまり聴いていなかったのですが、ミナレも最初は全くその世界に関わりのないスープカレー屋さんのアルバイトなので、実はそんなに聴いていないんです。なので、撮影が始まってから、ミナレの成長と共に徐々に聴いていこうかなと思っています。ただ、ミナレ自身は全く噛まずに見事なトーク力を持っているので、セリフ量がとてつもなくて(笑)。いつものテンポでいくとこぼれてしまうようなセリフ量なので、テンポもとても大事ですが、早すぎて視聴者を置いていってしまってはいけないのでセリフもきちんと聞かせたいと思っています。さらに、ミナレは普段の会話の時とラジオで話してる時など場面ごとに話し方が変わるので、本当に一筋縄ではいかない役だなと思っています。そういう意味ではとても不安で、だいぶプレッシャーを感じています。昔、事務所の活舌レッスンで使っていた「外郎売」で練習をしたり、口元を緩めてから台本を読むようにしたりしています。

――小芝さんご自身、ラジオにまつわる思い出などございましたらお聞かせください。

これまでラジオ番組のパーソナリティーを務めさせていただいたことがあるのですが、ミナレの番組とはだいぶ違って爽やかな番組ではありましたが(笑)、この作品でも描かれているように、ラジオの良さはリスナーさんとの距離感がテレビと比べて近いですし、テレビでは話せないようなことが話せるなど、割とフリーダムなところが魅力ということは、確かにそうだなと感じていました。ただ、ミナレの場合は、リスナーに寄り添うのではなく、いろいろぶち壊しながら、“ミナレ劇場”のような感じになっていくので、ミナレが作るラジオの感じや、それがドラマとして映像になった時にどう表現されるのか、未知ではありますが、とても楽しみです。

――これから始まる撮影に向けての意気込みと、楽しみにしている視聴者の皆様へメッセージをお願い致します。

ミナレって、ホントにたくさん失敗をするんです。でも、そんなたくさん失敗をするミナレを見ていると「あ、別に失敗していいんだ!」とこちらの気持ちが少し軽くなったりするんですね。なので、この役を通して、別にダメな部分があっても失敗しても、「そんなに堅苦しく考えなくてもいいかな」と見てる人の心がふわっと軽くなればいいなと思っています。そんなミナレのパワフルな部分もダメな部分も全力でお届けできるように、撮影を頑張ります。

  • ドラマ化を記念した沙村広明氏描き下ろしイラスト。原作のミナレ(右)と小芝扮するミナレ(左)が共演を果たした(C)沙村広明/講談社

■沙村広明氏(原作)

去年の秋に「テレビドラマ化の話が来ています」と担当さんから伺って驚いたのですが、「来年の春に放送します」と言われて「はっや!」と2度驚いてしまいました。ありがとうございます。

小芝風花さんが主演だと聞いて、「え? こんな可憐そうな女優さんがミナレ(=めちゃくちゃな女)を!?」と驚いたのですが、その後いくつかの出演作品を拝見させていただいて、「逆にお前にできない役は何なんだよ……」と、2度驚いてしまいました。どうぞよろしくお願いします。

■テレビ朝日 高崎壮太プロデューサー

原作を初めて読んだときその強烈な個性にぶっ飛ばされました。キャラクターたちが、ストーリーが、とにかく変です。けど、こんな友達、こんな同僚が周りにいたら最高だなと思いました。特に主人公のミナレが最っっっっ高なんです! 破天荒でやさぐれてて、ダメダメで、でも思いやりがあって自由で。そんな唯一無二の主人公・鼓田ミナレを小芝風花さんがやってくださります!

小芝さんとは縁あって作品をご一緒するのが今回で4回目です。現場で何度も小芝さんの痺れるようなお芝居を見てきました。年上のお芝居モンスターたちに囲まれながらもその場の全員を手玉に取るようなお芝居を見せられ圧倒されたこともありました。「鼓田ミナレ」との出会いが小芝さんを覚醒させ、きっと今までに見たことのない新しい一面を見せてくれると思います。(金髪もカッコイイし似合ってます!)

ラジオ・スープカレー・ゲス彼氏・官能小説・亀・殺し屋・陰陽師……なんでもありの「キメラ」的エンタメ作品。

金曜の夜に、鼓田ミナレというエネルギーの塊のような主人公と共に一週間働いて疲れた視聴者の皆様をさらにどっと疲れさせるかもしれない、悪夢のような、ときに劇薬のような破壊力満点の作品をお届けしたいと思います。沙村先生にお預かりしました大切なこの作品をフルスイングで実写化したいと思います!

  • (C)沙村広明/講談社