キャンプ、BBQなど老若男女を問わず今年も注目されそうなアウトドア。グランピングやテントサウナ、トレッキングなど多様な楽しみ方があるのも人気の理由でしょう。また、その楽しみ方に応じたギアやプロダクトも続々と誕生しています。

本稿では、アウトドアブランドのカリマーが出す「春夏モデル」を紹介。なお紹介した製品は発売前の段階のため、仕様が変わる可能性があります。

カリマーの軽量リュックサック

今回の目玉商品と言えるのが、「フットワークよく山歩きできる」リュックサック「cleave 30(クリーブ 30)」。

  • 「cleave 30 Medium(クリーブ 30 ミディアム)」(2万7,500円)

容量調整ができるロールトップタイプで、普通の登山よりも軽い装備で、可能な限り速い速度で山を登る「ファストハイク」のニーズに応えた製品で、「行動しながらの操作性の快適さ」「荷物の出し入れ・撤収のしやすさ」を実現した機動的なリュックのようです。

  • 優れた強度を持つ「X-GRID R/S生地」を使用

同社で広報を務める中島亜唯さんは、「ファストハイクに向く軽いリュックサックが欲しい、というユーザーの要望は以前からありましたが、安易な流行りに乗るのは違うよね、と見送ってきました。が、今回は開発メンバーが山行シーンもギアの進化により変化していく中で、『一度手掛けてみましょう』と背中を押してくれたのもあり実現しました」とその紆余曲折の背景を明かします。

ただ、そこはカリマー。ニーズに合わせた軽さを実現しつつ、"らしさ"である「腰で背負う」「体が痛くならないショルダーハーネス」などの機能性も維持しているのが特徴です。

「機能は必要最低限、収納ポケットもそぎ落としましたというリュックは他社にありますが、カリマーは違います。きちんとユーザーに向き合った製品を出すのが私たちの考え方です」

例えば、荷物が重くても凸凹のパッドとメッシュで通気性がよく、快適に背負える背面パッドなどが同社のこだわり。また、ショルダーハーネスは給水ボトルや行動食を携行したり、トレッキング中に自分のトレッキングポールを引っかけたり自由にアレンジできるのもポイントだと言います。

  • ショルダーハーネスは使い方を自由にアレンジ可能

「従来だと、一度リュックを降ろしてトレッキングポールを付ける、もしくは一緒にいる仲間にお願いして付けてもらう形だったと思います。それを自分だけで完結するので、煩わしさが解消でき、より行動量を増やせるのではないでしょうか」

容量20L、30Lが用意。前者はよく見かけるパネルローディングタイプの「cleave 20(クリーブ 20)」(2万円)、後者が上蓋部分をくるっと丸めて留めるロールトップタイプとなり、背面の長さの違いで「cleave 30 Small(クリーブ 30 スモール)」(2万7,500円)、「cleave 30 Medium(クリーブ 30 ミディアム)」(2万7,500円)の2つがあります。

「男性がミディアム、女性もしくは小柄な男性はスモールというサイズ感です」

これが軽量ファストハイク向けリュックサックということもあり、正解ではないでしょう、と中島さんは認めつつ、これをスタートに、よりブラッシュアップしていければいいですね、とこれからの展開にも期待を寄せていました。

新素材で熱中症対策

リュックサック以外では、新素材を使ったプロダクトが面白そうです。太陽からの熱線や紫外線を跳ね返す遮熱素材「コカゲル」を内蔵した帽子「thermo shield hat(サーモシールドハット)」(7,700円)が登場します。

  • 「thermo shield hat(サーモシールドハット)」(7,700円)

遮熱素材の機能として、「帽子内部の温度上昇を抑制」「紫外線を98%以上カット(UPF50+)」、その他には「帽子内部の蒸れを抑える為に頭頂部と両サイドにはベンチレーションホール」などを備えています。

「真夏日の熱中症を予防できないか? という考えから生まれました。本体の遮熱素材には穴を開けて通気性を落とさない工夫もされています」

  • 遮熱シートに穴を開けて通気性を向上

「真夏の直射日光」を再現した装置による実験では、内部の温度上昇を平均で約8度抑える効果が確認できたそうです。

  • 実験では平均で約8度抑える効果

「登山だけでなく、フェスや子どものサッカー観戦などで長時間外にいる時には活躍するでしょう」

同じ機能を持つキャップタイプの「thermo shield cap(サーモシールドキャップ)」(6,050円)もあるので、シーンによる使い分けも可能です。

  • 「thermo shield cap(サーモシールドキャップ)」(6,050円)

隠しギアに心を奪われる

アパレルに目を向けると、「built-in vest jkt(ビルトイン ベスト ジャケット)」(2万9,700円)がその機能性の高さから注目です。

  • 「built-in vest jkt(ビルトイン ベスト ジャケット)」(2万9,700円)

「キャンプなどにお勧めのマウンテンパーカーで、フロントのジップを開けると入れ替え可能なベストが内蔵されています」

  • 9つのポケットをフロントに内蔵している

大小さまざまなポケットが9個配置されていて、内蔵ベストは小物を収納したまま入れ替えが可能な為、通常のマウンテンパーカーとしての着用から、ちょっとした小物を収容する便利ツールとしても機能します。また、表地は難燃素材です。

こういう隠しギミックを備えるギア、筆者は大好きですよ! 80年代の名作『グーニーズ』に登場する発明家の少年のベルトみたいなノリです(たとえが古い……)。

ブランドのコアとなる部分は大事にしつつ、今の時代に合わせた製品を出してきたカリマーの春夏モデルでした。これらの製品は2月以降、順次発売されていきます。