2009年に公開され、全世界興収No.1という偉業を成し遂げた『アバター』の続編『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』(12月16日公開)が13年ぶりにスクリーンに戻ってきた。本作で主人公ジェイク・サリーに扮するサム・ワーシントンと、サリーの前に立ちはだかる敵・クオリッチ大佐を演じるスティーヴン・ラングが来日し、自身にとって『アバター』という作品がどんな存在であるかを語り合った。

  • 『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』に出演するスティーヴン・ラング(左)とサム・ワーシントン

巨匠ジェームズ・キャメロンが手掛けた壮大なSF映画『アバター』。2009年に公開されると全世界で大ヒットを記録し、世界興収は29億2,291万ドル(box office mojo調べ)という驚異的な数字を叩き出し、いまだにその記録は破られていない。

そんな作品で主人公・ジェイクを演じるサムと、本作ではサムに敵意むき出しに攻撃を仕掛けてくるクオリッチ大佐に扮するスティーヴン。サムは「ジェイクにとってクオリッチ大佐というのは、自分が過去にしてしまったことと折り合いをつけなければいけないという象徴のような存在」と位置づけ、「だからこそ殺しにくい相手なんです」と関係性を説明する。

一方スティーヴンは「クオリッチ大佐にとって、ジェイクというのは失望感の対象のような存在」と語り、「ずっと兄弟みたいに思っていたし、同じ海兵隊の仲間という感覚があった。彼も自分の期待が分かっていたはずなのに、その道を外れていってしまった。戦士として素晴らしい才能を持っている人物という敬意はありながらも、自分の価値観を変えてしまった存在として、がっかりしている。疎ましいと思う相手なんです」と敵意を見せるのは必然だと述べる。

本作では、まったく違う道へ進んでいくジェイクとクオリッチ大佐。ジェイクは父親になり守るべきものができた。サム自身も前作から今作にかけて、プライベートで父親になったという共通点がある。

サムは「守らなければいけないものができると、本能的に脅威に対して恐れる気持ちが出てきます」と述べると、「子供を持つ父親になると自然とそういう気持ちになるもの。そういった部分は自然と役に取り入れるようにはなりました。僕もジェイクも、今までのようにただ無鉄砲に生きていてはいけないということを学んだと思います」とジェイクの変化と自身の変化がリンクしていると語る。

クオリッチは本作で、潔いほどのヴィランを演じた。スティーヴンと言えば、映画『ドント・ブリーズ』でも悪役を演じているが「どんな人物を演じるときでも、私は自分なりに共感できる部分を見つけるところから始めます。たとえヴィランと言われるようなキャラクターで、他の人が見たら愛すべきではない人でも、少なくても自分だけはその人物の人間性を認めてあげることで、見え方が変わってくると思うんです」と持論を展開した。