日本出版販売は12月1日、「2022年 年間ベストセラー」を発表した。集計期間は2021年11月22日~2022年11月21日。約3,000軒の書店のPOS販売データを基に、全国の書店での販売状況を総合的に勘案して作成した。
総合1位は『80歳の壁』(和田秀樹)だった。80歳を目前に寝たきりや要介護などといった大きな「壁」を乗り越え、長生きするよりも元気でいることを提案し、シニア読者のニーズとマッチした。
2位は、2021年の年間ベストセラーでは第1位を獲得した『人は話し方が9割』(永松茂久)、3位はMBS/TBS系列「日曜日の初耳学」内で紹介され、番組放送をきっかけに大きく売上を伸ばした『ジェイソン流お金の増やし方』(厚切りジェイソン)となった。4位は10~20代から支持を受ける作家Fのエッセイ『20代で得た知見』がランクインした。
9位には、『本当の自由を手に入れる お金の大学』(両@リベ大学長)がランクイン。15位はコムドットのメンバー・やまとのエッセイ『聖域』だった。YouTuberのエッセイ本が初めて総合ランキング20位以内にランクインした。
単行本フィクションでは、逢坂冬馬のデビュー作『同志少女よ、敵を撃て』が1位となった。デビュー作ながら直木賞の候補作となり、一気に注目の的となった。2位は、東野圭吾の『マスカレード・ゲーム』、3位には又吉直樹、ヨシタケシンスケ共著の『その本は』がランクインした。
単行本実用の1位は、人気料理研究家リュウジによる『リュウジ式至高のレシピ』だった。「地球の歩き方」シリーズで趣向を凝らした作品が多く発売されたが、その中の『地球の歩き方JOJOジョジョの奇妙な冒険』は5位、『地球の歩き方 ムー』は10位にランクインした。
単行本ビジネスの1位は、2020年年間ベストセラーから3年連続して『人は話し方が9割』となった。『ジェイソン流お金の増やし方』は数多くのメディアに取り上げられ、発売から約1年で累計発行部数55万部(※電子書籍含む) を突破。『数値化の鬼』は上位10位の中で唯一2022年に刊行された書籍で、累計発行部数18.5万部(12月1日時点)を記録している。
新書ノンフィクションの1位は、総合1位の『80歳の壁』、2位も同著者の『70歳が老化の分かれ道』だった。瀬戸内寂聴が生前に語ったメッセージをまとめた『寂聴九十七歳の遺言』『今を生きるあなたへ』もそれぞれランクインした。
文庫では、原田ひ香のリストラ・年金生活・格差社会等を題材にした『三千円の使いかた』が1位となった。2位は東野圭吾の『希望の糸』がランクイン。3位の『流浪の月』(凪良ゆう)は、2022年2月の文庫化、また同年5月の映画化の後押しもあり、発売より一気に売上を伸ばした。
児童書の1位は『898ぴきせいぞろい!ポケモン大図鑑(上・下)。9位にも『ポケモンをさがせ!あたらしいぼうけん』がランクインしている。2位・3位は「パンどろぼう」シリーズ、4位には『ドラゴン最強王図鑑』が入った。
写真集の1位は男性5人組YouTuber・コムドット初の写真集『TRACE』だった。2位は、『乃木坂46賀喜遥香1st写真集 まっさら』がランクインしている。
コミックの1位は「呪術廻戦」18巻(芥見下々)だった。2位は「SPY×FAMILY」9巻(遠藤達哉)、3位は「ONE PIECE」101巻(尾田栄一郎)となっている。「HUNTER×HUNTER」37巻(冨樫義博)は、2022年11月に約4年ぶりの刊行で話題となり、発売から2週間余りで第8位にランクインした。