厚生労働省はこのほど、2022年「賃金引上げ等の実態に関する調査」の結果を発表した。調査期間は2022年7月20日~8月10日、調査対象は常用労働者100人以上を雇用する企業、有効回答は2,020社。

平均賃金改定額5,534円

  • 企業規模・産業、賃金の改定の実施状況・実施時期別企業割合(出典:厚生労働省Webサイト)

賃金の改定状況をみると、2022年中に「1人平均賃金(1人当たりの月額賃金)を引き上げた・引き上げる」企業は85.7%。前年(80.7%)より5ポイント上昇し、3年ぶりに増加した。

一方、「1人平均賃金を引き下げた・引き下げる」は0.9%(前年1.0%)、「賃金の改定を実施しない」は6.2%(同10.1%)、「未定」は7.3%(同8.2%)となった。

「1人平均賃金を引き上げた・引き上げる」企業を産業別にみると、「学術研究、専門・技術サービス業」が最も高く95.7%(同94.7%)。次いで「建設業」が95.4%(同87.8%)、「医療、福祉」が95.2%(同86.9%)と続いた。

平均賃金の改定額(予定を含む)は5,534円(同4,694円)、改定率は1.9%(同1.6%)だった。

平均賃金の改定額を産業別にみると、「建設業」の8,101円(同6,373円)が最も高く、以下、「情報通信業」が7,919円(同6,028円)、「学術研究、専門・技術サービス業」が7,588円(同5,743円)と続いた。反対に最も低かったのは「電気・ガス・熱供給・水道業」の3,670円(同4,374円)だった。

また、定期昇給がある企業においてベースアップを「行った・行う」企業の割合は、管理職で24.6%(同15.1%)、一般職で29.9%(同17.1%)と、ともに前年より増加した。