住宅ローン滞納問題相談室は11月22日、「地方移住先」に関する調査結果を発表した。調査は10月27日~11月10日、地方に移住した20~60代の男女200名(女性101名・男性99名)を対象にインターネットで行われた。

  • 地方移住を選んだ理由・動機

    地方移住を選んだ理由・動機

まず、地方移住を選んだ理由・動機を教えてもらったところ、「転職・転勤など仕事の変化」(50.5%)が過半数を占め、次いで「子育て・育児環境」(13.5%)、「リモートワークなどの働き方の変化」(13%)と続き、「コロナの影響」という人は6%にとどまった。

  • 移住先人気ランキング

    移住先人気ランキング

地方への移住先として東京都・大阪府を除く都道府県からどこが選ばれているのか調査したところ、1位「千葉県」9.5%)、2位「福岡県」(8.5%)、3位「長野県」(6.5%)という結果に。

「千葉県」は、人口は東京の約半分で、海や山といった自然豊かな環境でありながら、都心までのアクセスの良さが大きな魅力。また、住宅・就業支援のほか、空き家情報の提供や移住支援金の制度があるなど、各種の移住支援も用意されている。

「福岡県」は、ビジネスのしやすい環境を目指す「国家戦略特区」にも指定されており、スタートアップ法人の減税措置なども提示されているほか、それぞれの自治体に移住コンシェルジュが設置されており、充実したサポートを受けることができる。

「長野県」は、新幹線で2時間もかからずに東京と行き来できる距離にあり、豊かな自然や温泉、レジャー施設も充実。また、家賃などの住居費の相場は4万円台と東京の半分ほどで、移住支援金のほか、事業を起こす場合には創業支援金なども用意されている。

以下、4位「北海道」、5位「広島県」、6位「静岡県」、7位「愛知県」「熊本県」が上位にランクインした。

  • 地方移住するのにかかった費用

    地方移住するのにかかった費用

続いて、移住先を選ぶ際に重視したものを聞いたところ、「自然が豊か」(22%)、「収入・仕事」(18%)、「土地・住宅が安い」(17%)が上位に。

地方移住するにあたってかかった費用については、「100万円以下」が71.5%を占めており、「300万円以下」は18.5%、「600万円以上」は合わせて10%と少なかった。

これらの移住費用の内訳として挙げられるのは、引越し費用のほか、住居費(住宅購入費・家賃および敷金)や車の購入費用などになるが、移住自体の費用はそこまでかからなくとも、当面の生活費や入り用なものを揃えると、どうしても一定の出費は覚悟する必要が。そこで、そうしたものも含めた移住の資金をどのように用意したのかと質問したところ、「貯金」がダントツの70%。次いで「家族・親族の支援」(14%)、「ローン」(6%)と続いた。

  • 地方移住に失敗・後悔したことは?

    地方移住に失敗・後悔したことは?

最後に、実際に移住してみて初めてわかった失敗や後悔について教えてもらったところ、「なし」が最も多く24%。これに対し、失敗や後悔の内容を見てみると、「公共交通機関の少なさ」(17%)、「仕事の選択肢・収入減」(9%)、「住居・家選び」「気候」(ともに7%)、「医療機関の少なさ」(4%)など、事前のリサーチである程度の対処が可能な項目をあげる人も。

一方で「人間関係」(15%)や「日常の刺激の少なさ」(11%)、「生活費の変化」(5%)など、実際に居住してみないと見えてこない対処の難しい事柄をあげる人も多かった。