ロッテは11月7日、全国「子ども×噛む力」調査の結果を発表した。同調査は9月16日~20日、全国47都道府県別の3~12歳の子どもを持つ親2,350名を対象に、インターネットで実施した。
同調査では、子どもが「よく噛むこと」に対する親の意識、子どもの夕食時一口あたりの咀嚼回数や口や舌のトレーニング等に関する行動、噛むことが及ぼす心身の健康効果への親の理解度といった知識、主にこの3要素で構成された質問の回答結果を集計し、健康面において好ましいとされる順序に点数を割り振り、偏差値で算出した。
全国「子ども×噛む力」調査ランキング1位は秋田県(偏差値:73)、2位は山梨県(偏差値:68)、3位は大阪府(偏差値:67)だった。
1位の秋田県と2位の山梨県は、噛むことの意識面において高い得点傾向にあり、3位の大阪府は「気が付くと口がポカンと開いてしまい、顎が上がってしまう」といった「お口ポカン」の傾向がみられる子どもの割合が、最も低い18.0%だった。
一方、「子ども×噛む力」ランキングが最も低かったのは神奈川県で、和歌山県が続いた。
親に普段から子どもに対し、食事中に「よく噛む」よう伝えているか尋ねたところ、17.0%が「頻繁に伝えている」、45.8%が「時々伝えている」と回答した。およそ6割が「よく噛むこと」を子どもに伝えている。
夕食時の一口あたりの噛む回数を聞くと、専門家が推奨する30回以上子どもが噛んでいると回答した親は2.9%しかおらず、86.4%もの親が子どもが一口あたり噛んでいる回数は20回未満と回答した。親が「よく噛むこと」を伝えているにも関わらず、子どもは実践できていないことがわかった。
「よく噛むこと」の重要性やなぜ「よく噛むこと」が大事なのか子どもに話したことがあるか尋ねると、53.1%が「話したことがある」と回答した。
子どもは、「硬い食べ物」と「軟らかい食べ物」のどちらを食べることが多いか尋ねたところ、77.7%が「軟らかい食べ物」と回答した。
「歯の健康」のみでなく「口周り全体」の健康のために、子どもが普段から実践していることはあるか聞くと、58.8%が「何もしていない」と回答した。具体的な行動として最も回答が多かったのは、「なるべく咀嚼回数が多い硬い食べ物を食べるようにしている」(17.1%)となり、口遊びやフーセンガムなど子どもの口周りの発達に良いとされる行動をしている子どもは10人に1人もいないという結果だった。
同社によると、気が付くと口がポカンと開いてしまい顎が上がってしまう「お口ポカン」の状態や、「強く噛み締められず軟らかいものばかり好んで食べている」などの行動は「口腔機能発達不全症」のサインである可能性があるという。
そこで、口腔機能が十分に発達していないことのあらわれである各症状についての質問すると、29.0%が「お口ポカン」、27.3%が「軟らかいものばかり好んで食べている」と答えた。また「食べ物をなかなか飲み込まない」(26.3%)」、「滑舌が気になる」(18.6%)」、「いびき」(18.2%)、「片側の歯・顎ばかりで噛んでいる」(13.6%)といった回答も多かった。
小児歯科医で国立モンゴル医学科学大学 客員教授の岡崎先生は「ほとんどの親が、"お口ポカン"や"いびき"などの各症状が、ひいては全身の健康に影響を及ぼす程の問題があるとは思っておらず、子どもが自覚症状を訴えることもないため注意してほしい」とコメントしたという。
子どもの口周りの運動のためには、「フーセンガムを噛む」「シャボン玉」や「吹き戻し」など口をつかった遊びが効果的とのこと。フーセンガムをふくらませることは「噛む」ことに加えて「舌を動かしてガムをまとめる・伸ばす」「口をしっかり閉じる」など、繊細な動きと筋肉運動が必要で口周りのトレーニングになると考えられるという。