タニタは10月18日、「人生100年時代の健康とフレイルに関する調査2022」の結果を発表した。調査は8月5日〜9日、全国の40歳以上の男女2,500名(男女各1,250名)を対象にインターネットで行われた。
「フレイル」とは、加齢に伴い心身の活力が低下するとともに、社会的なつながりが薄れている状態を指し、“健康な状態”と“要介護状態”の中間の段階といわれる状態のこと。
調査によると、“フレイル”の認知度は41.9%。75歳以上の人(750名)で、2020年4月以降に“後期高齢者医療制度で行われる健康診査”(フレイル健診)を「受診した」人は23.1%にとどまり、66.8%が「受診していない」と回答。特に75歳~79歳男性では、76.8%が受信していないことが分かった。
また、自身がフレイルになることについて、どのくらい心配か聞いたところ、61.2%が「(非常に+やや)心配である」と回答。特に「身体的フレイル」(75.8%)や「精神的フレイル(心理的・認知的フレイル)」を心配する人が多かった。
続いて、親がフレイルになることについて聴取した。現在、親が「既にフレイルになっている」人は2.8%、「既に要介護状態になっている」人は11.4%。
そこで、親がフレイル・要介護状態のいずれでもない人に、父親がフレイルになることについてどのくらい心配か聞いたところ、57.2%が「(非常に+やや)心配である」と回答。他方、母親の場合には60.2%が「(非常に+やや)心配である」と回答し、特に「身体的フレイル」(父親78.5%、母親79.0%)を心配する声が多くあがった。
また、親のフレイル予防・改善として「現在、サポートしていること」「今後サポートしたいこと」を聞くと、「コミュニケーション」が突出して高く、次いで「共食(一緒に食事を摂る)」「栄養管理」「趣味・余暇活動」「運動・スポーツ」の順に。
さらに、親のフレイルが心配である人が「現在、サポートしていること」をみると、「特になし」は32.7%となっており、親のフレイルは心配ではあるものの、3人に1人は何もできていないという実態が明らかとなった。
次に、フレイルやフレイルの前段階の状態にある人がどのくらいいるのかを調査した。
全回答者(2,500名)に、くらしや運動、健康状態についての質問25項目(厚生労働省作成の基本チェックリスト)を提示し、自身にあてはまるかどうか回答してもらったところ、「フレイル(8項目以上に該当)」に該当するのは26.0%、「プレフレイル(4~7項目に該当)」は36.4%となり、「フレイルに該当しない」人は37.6%だった。
ここで、基本チェックリストに対する回答を、特定高齢者の候補を選定するための基準に照らし合わせて集計したところ、30.2%が特定高齢者の候補に該当。特に、85歳以上では男性45.2%、女性59.6%と高い結果に。
特定高齢者の候補を選定するための基準のひとつである「i.抑うつ気分の質問領域を除く20項目(問1-20)のうち10項目以上に該当する」人の割合は7.0%。85歳以上の女性は特に多く、29.2%。
「ii.運動器の質問5項目(問6-10)中3項目以上に該当する」人は13.4%で、男性(10.4%)よりも女性(16.4%)の方が6ポイント高い。「iii.低栄養評価の2項目(問11、12)の質問にともに該当する」人の割合は5.9%、「iv.口腔機能に関する3項目(問13-15)の質問のうち2項目以上に該当する」人の割合は19.5%だった。
最後に、全回答者(2,500名)に、“フレイル”にならないために行いたいと思うものを聞いたところ、「栄養バランスの良い食事を摂る」(65.2%)が最も多く、次いで「1日3食摂る」(62.2%)、「ウオーキング」(59.9%)、「たんぱく質を摂る(肉・魚・鶏卵・豆類など)」(53.2%)、「カルシウムを摂る(牛乳・小魚・大豆など)」(48.0%)と続いた。