歌手、タレント、女優と幅広い活躍を見せるファーストサマーウイカ。そんな彼女が、ドリームワークス・アニメーションが贈る映画『バッドガイズ』(10月7日公開)で、自身3度目となる日本語吹き替え声優を務めた。「もともと最初になりたいと思っていた職業が声優さん」と語っていたウイカにとって、本作を経験したことで、どんなことが胸に去来したのだろうか。

  • ファーストサマーウイカ

ドリームワークス・アニメーションが構想6年の歳月を費やして製作したクライム・コメディ『バッドガイズ』。「ワルをやるなら思い切り」を合言葉に、権力者や富豪たちから華麗なテクニックで財宝を奪う怪盗集団・バッドガイズが、名だたる強盗たちが奪うことができなかった伝説のお宝“黄金のイルカ”を奪取するために奮闘する姿が描かれる本作で、ウイカは天才ハッカーの毒舌ガール・タランチュラの声を担当した。

「“毒舌ガール”と言われていますが、日本語の台本を読んでいる限り、そこまで口が悪いという印象はなかったですね。それよりも割とシャークやピラニアがボケまくっていたので、突っ込みキャラというか、真面目で姉御肌な印象はありました。キャラクターの顔も似ている気がして親近感を持って演じることができました」

この言葉通り、劇中タランチュラは、突っ込みどころ満載の愛すべきメンバーたちに、テンポよく切り込み、チームをまとめ上げる存在として物語に彩りを添えている。

「私も高校時代男の子たちとバンドを組んでいたので、似た感じの雰囲気は経験していましたし、タランチュラが天才ハッカーとしてしっかりプライドを持って戦っている姿も、共感できる部分が多かったので、演じていても気持ちが入りやすかったです」

マルチな活躍を続けるウイカだが、最初になりたかった職業が「声優業」だという。その意味で、どんな仕事でもオファーが来ることは「うれしい」というが、声優の仕事は「めちゃくちゃうれしい」と一つギアが上がるという。

「今はファーストサマーウイカという存在を知っていただき、『この役だったら任せてみても面白いんじゃないか』と私のイメージに近しいキャラクターのお仕事をいただけると思っているんです。それだけでもとてもありがたいことなのですが、機会があれば自分とはまったくイメージの違うキャラクターの役にも挑戦できたらと思っています」

そのなかで、大きな夢として挙げるのが「このキャラと言えばこの人だよね」と言われるような作品に巡り合うこと。

「例えば悟空の声だったら、ルフィーだったら……みたいな形で認識されるようなキャラクターに声を当てられるようになったら、こんなに素敵なことはないですよね。それともう一つ、声優のお仕事をしたいなと最初に思ったのがゲームのキャラクターの声をやりたかったからなので、いつかゲームに登場するキャラクターを演じることができたら最高です」