このアニメから飛び出してきたような狼、すばらしい造形ですよね。これすべて廃材で作られているというから、さらに驚きです。

神籬

  • (Twitter 廃材再生師:加治聖哉@scrapanimal より引用)

作者の加治聖哉さんは、1996年生まれ、新潟県村上市出身のアーティスト。廃材を使った等身大の動物造形作家として有名です。「役目を終え、死んでしまった『廃材』たちに、もう一度、『生命』を吹き込む」をコンセプトに、小は8mmの蚊から大は全長約20mのザトウクジラまで数々の廃材アートを完成させてきました。最近では実在する動物だけでなく恐竜や幻獣、神として祀られる動物たちをモチーフとすることも。今回の作品「神籬(ひもろぎ)」もその一つ。全長4mの山犬をつくり上げ、ツイッターに投稿すると多くのフォロワーから賞賛の声が集まりました。

「え、すご! 」「今にも動き出しそうですよね」「命感じる」「凄くカッコいいです! 」「迫力や躍動感が伝わって来ます」「これを作った技術もすごいと思うのですが、なにより姿がかっこよくて一目惚れしました…」などなど。作者の加治聖哉さんにお話を伺いました。

■作者に聞く

……そもそも、なんで廃材を使ってアート作品をつくろうと考えましたか。

きっかけは大学の頃、建築生の家具制作の授業で、完成した家具たちの裏で無造作に捨てられているまだ使える材料を見てもったいないと感じたところからなにか出来ないかと考え始めました。モチーフは私が動物が好きで、実物大の方が迫力があると思ってこのように制作しています。

……今回の作品の廃材は何でしょうか。

今回は素体に建築資材の間柱の端や建具の端材など使用しています。また表面の毛並みには地域のお肉屋さんから頂いた、片栗粉の空箱を約100個使用して制作しています。

……このモチーフを選んだ理由は?

外見は大きな山犬、オオカミをモチーフにしていて、意味合いとしては山と岩の神の依り代になるものとして制作しました。

……大きさはどのくらいでしょうか?

サイズは全長3870㎜、高さ1510㎜、幅1180㎜になります。大きさは最初に出来上がりのサイズを想定して比率を計算し、制作しています。

……製作期間はどのくらいでしょうか。

制作期間は約3週間です。

……創作上で苦労、工夫した点は?

こだわった点は、ふわふわ感が出るように毛並みを表現したことと、神々しさや威厳のある雰囲気が出るようなポージングと材料を使用したことです。

……最近は伝説上の生き物をモチーフにされることが多いようですが、なぜでしょうか。

作りたいと思ったモチーフが伝説の生き物だったのもありますが、実在している動物を制作した中で得た経験からそろそろ伝説の生き物も作れるんじゃないかと思ったからです。

▼神籬