秀〆は9月28日、全国各地で異なる形を持つ「お正月飾り」の全国マップと各地の土地柄に根差した特徴をまとめた全国マップを公開した。
北海道は、広く大きな大地を表すような大きなサイズが特徴の「宝章(ほうしょう)飾り」。厳寒で稲作は難しいため、茅草(かやくさ)を代用するのが伝統となっており、張子(はりこ)のオカメや鯛を豊富に使用するという特徴も見られる。
関東地方の「玉飾り」は、粋な江戸文化を継承し、縁起物を多く飾り付けているのが特徴。飾り付けには、家が代々続くように橙(ダイダイ)、葉の裏が白く清廉潔白を表す裏白(ウラジロ)、ゆずり葉、タイ(めでたい)、エビ(長生き)、昆布(ヨロコブ)など様々な思いが込められている。
東海地方(愛知)のお正月飾りには、関西特有の横型のしめ縄を生かした「大根〆」、関東特有の縦型のしめ縄を生かした「玉〆」の2種類があり、関東と関西の文化交流が現れている。しめ縄の形状が異なるが、シンプルな飾りつけが特徴。
関西地方のお正月飾りは、ゴンボの通称がある「しめ縄」。歴史を重視する傾向にあり、橙、裏白、ゆずり葉、ゴヘイの縁起物を使用したものが一般的となっている。
中国地方(広島)の「しめ飾り」は、関西地方と同様に縁起物の橙、裏白、ゆずり葉、扇を使用しており、橙の周りをしめ縄がぐるぐると円を描くようにしているのが特徴。平安時代に厳島神社が建立されるなど独特な歴史を象徴する飾りとなっている。
九州地方(福岡)でのお正月飾りは「鶴飾り」。九州地方ではそれぞれの県や地域ごとに様々な形があり、福岡(北部)では鶴の形状をしたものとなっている。藁を鶴のように作り、そこに縁起物の橙、裏白、ゆずり葉を飾り付けている。
全国マップを発表した秀〆は、長野県に本社を構え、お正月飾り、しめ縄、お盆飾りなど日本の伝統商材を取り扱う創業37年目の企業。年末の生産数は100万個以上、出荷数は300万個を超えるという。