10月のイベントや行事、記念日といえば、スポーツや読書、紅葉など、秋を彩る魅力あるものであふれています。
本記事では10月を代表するイベントや行事、記念日を紹介。開催されるようになった起源についても解説しています。歴史を知ることで、10月のイベントをさらに楽しめるでしょう。
10月のイベントや行事、記念日を紹介
スポーツや読書に関するものなど、秋にはさまざまなイベントが開催されます。また伝統的な行事として定着しているものから、業界や団体がPR効果を目的として制定したものまで、さまざまな記念日があります。
ここでは、10月を代表するイベントや行事、記念日を、カレンダー順に紹介します。
衣替え(10月1日)
10月1日は、夏服から冬服へ衣装を変える一般的な日とされています。ただし、地域などによって気候が異なるため、衣替えの時期は多少前後する場合もあるでしょう。
衣替えのならわしは古く、平安時代から続いています。もともと中国の習慣だったのが日本に伝来し、宮中行事として定着したといわれています。江戸時代になると、衣替えは年4回に増えたそうです。
その後1873年(明治6年)に新暦が施行され、さらに洋服の文化が広まると、現在のように6月1日から9月30日までは夏服、10月1日から翌年5月31日までが冬服として定着します。
赤い羽根共同募金運動 (10月1日~翌年3月31日)
10月1日から翌年3月31日までの6カ月間は、赤い羽根共同募金運動が行われます。この運動は、1947年(昭和22年)に国民たすけあい運動として開始されました。
1947年といえば、第二次世界大戦の敗戦による深刻な社会的・経済的混乱の真っただ中だった日本。多くの人が生活に困窮していたのです。生活困窮者が多い状況下、困ったときはお互いさまの気持ちから、募金活動が始まりました。
現在では社会福祉法に定められた地域福祉の推進を目的として、さまざまな福祉活動を支援しています。
十三夜(10月中旬~下旬ごろ) ~2022年は10月8日~
十三夜は稲作の収穫に感謝し、月を鑑賞する日です。旧暦9月13日の夜を指し、旧暦8月15日の十五夜の次に月が美しいといわれることから「後の月(のちのつき)」「後の月見(あとのつきみ)」とも呼ばれています。
中国から伝わった十五夜に対し、十三夜は日本で始まった風習です。平安時代に醍醐天皇が月見の宴を催し、詩歌を楽しんだのが始まりとされています。
収穫期の栗や枝豆をお供えするため、栗名月・豆名月とも呼ぶそうです。なお、十五夜は里芋をお供えするので芋名月と呼ばれます。
スポーツの日(10月第2月曜日) ~2022年は10月10日~
スポーツの日は、体を動かして元気な心と体を作ろうという日です。
もともとは体育の日と呼ばれ、10月10日を国民の祝日として定めていました。体育の日は1964年(昭和39年)に開催された東京五輪をきっかけに、「スポーツにしたしみ、健康な心身をつちかう」日として1966年(昭和41年)に始まりました。10月10日が選ばれたのは、東京五輪の開会式が行われた日だからです。
その後1998年(平成10年)に祝日法が改正され、2000年(平成12年)からは10月の第2月曜日が体育の日となりました。
さらに、2018年(平成30年)の法改正により、2020年(令和2年)からは「スポーツを楽しみ、他者を尊重する精神を培うとともに、健康で活力ある社会の実現を願う」日としてスポーツの日に名称が変更されたのです。
銭湯の日 (10月10日)
1964年(昭和39年)10月10日に開催された東京五輪により、国民のスポーツへの意欲が向上しました。そこで銭湯の日は、東京都公衆浴場業生活衛生同業組合が申請し、1996年(平成8年)に日本記念日協会により認定されました。
スポーツで汗をかいた後の入浴は健康増進につながるとされることや、「1010(銭湯)」の語呂合わせから、10月10日を銭湯の日としたのです。
さつまいもの日(10月13日)
秋といえばさつまいもがおいしい季節。さつまいもは「十三里」とも呼ばれるため、1987年(昭和62年)に「川越いも友の会」が、旬にあたる10月の13日をさつまいもの日と定めました。
なお、なぜさつまいもを「十三里」と呼ぶかというと、江戸時代に「栗(九里)より(四里)うまい十三里(9+4=13)」と、さつまいものおいしさを褒めた洒落が由来とされています。また別の説としては、江戸から十三里(約52㎞)のところにある川越が、さつまいものおいしい産地と知られているため、というものもあります。
鉄道の日(10月14日)
1872年(明治5年)10月14日は、新橋から横浜間に日本で最初の鉄道が開通した日です。その誕生と発展を記念して、1922年(大正11年)に日本国有鉄道が10月14日を鉄道記念日と定めました。その後、1994年(平成6年)に鉄道の日と改称されました。
鉄道が国民に広く愛されるよう願いを込めて、毎年鉄道の日には、鉄道に関する多彩なイベントが全国各地で開催されています。特に2022年は、鉄道開通150周年という記念すべき年です。
神嘗祭(10月17日)
神嘗祭(かんなめさい・しんじょうさい)は、毎年10月17日に三重県の伊勢神宮で行われる五穀豊穣(ほうじょう)の感謝祭で、もともとは国祭日でした。奈良時代である721年(養老5年)から続いているそうで、明治時代の改暦以前は9月に行われていました。
「嘗」という漢字は「な(める)」とも読み、味わう、試すという意味があります。神嘗祭はその年に収穫された新穀(その年に収穫した穀物、特に新米)を天照大御神(あまてらすおおみかみ)にささげ感謝する祭典であり、年間1500回に及ぶ神宮の恒例祭の中で、最も重要なお祭りとされています。
読書週間(10月27日~11月9日)
1947年(昭和22年)と戦後まもない頃、読書の力によって平和な文化国家を創ろうと、各出版社や図書館などが協力して第1回読書週間が始まりました。当初は11月17日~11月23日の開催で、これはアメリカの「チルドレンズ・ブック・ウィーク」にならったものといわれています。第2回からは現在の10月27日~11月9日となりました。
この読書週間は日本中に広がり、今では多くの人々が本に親しむようになりました。
ハロウィン(10月31日)
ハロウィンは、古代ケルト民族のサフィン祭が起源といわれています。サフィン祭とは先祖の霊を迎え、秋の収穫を祝うお祭りです。
古代ケルト民族にとっては、10月31日が一年の終わりにあたります。大みそかのこの日、先祖だけでなく、悪霊も一緒にやってくるといわれていたので、悪霊を追い払うためにかがり火をたいたり、仮装したりしたとされているのです。月日が流れるにつれて宗教的な役割が薄れ、現在では仮装をして楽しむ、イベント的な意味合いが強くなっているようです。
なお諸説ありますが、お菓子をあげる理由は悪霊に元の世界へ帰ってもらうためであり、ジャック・オ・ランタン(かぼちゃのランタン)を飾るのは死者が迷わないようするためといわれています。
紅葉狩り(10月ごろ~)
紅葉狩り(もみじがり)は野山に足を運び、紅葉した木々を眺めて楽しむ行事です。北海道や東北、山の上など寒いところだと、9月末、10月くらいから紅葉が始まる地域もあります。古くは『万葉集』にも紅葉を詠ったものが複数あり、貴族が紅葉狩りを楽しんでいたといわれています。
さて「狩り」は一般的に狩猟を意味するため、なぜ紅葉狩りと呼ぶのか疑問に感じる人もいるでしょう。これは、自然の中で季節の花や植物を求めて美しさを鑑賞、採集する場合にも、言葉の前に「狩り」が使われるためです。なお、紅葉見(もみじみ)や観楓(かんぷう)も紅葉狩りと同じ意味です。
10月のイベントや行事といえば? 意味や由来を知ってより楽しもう
スポーツや読書、紅葉など、10月は楽しいことが盛りだくさん。また歴史が長いものや海を渡って伝来してきたものまで、10月にはさまざまなイベントや行事、記念日があります。
起源を知るからこそ、改めてその面白さに気付くこともあるでしょう。10月のイベントや行事についての知識を深め、秋を楽しみましょう。