関東ICカード相互利用協議会は14日、障がい者割引が適用される新たなICカードのサービス(2021年6月発表)について、概要が決定したことを受け、その内容を発表した。サービス開始時期は2023年3月中を予定している。

  • 障がい者本人用「Suica」と介護者用「Suica」 (JR東日本提供)

サービス対象は第1種身体障害者または第1種知的障害者の大人の利用者(第2種身体障害者および第2種知的障害者はサービス対象外)と、障がい者本人を介護する任意の1名。発売される障がい者用ICカードには、障がい者本人用の「Suica」と「PASMO」、介護する任意の1名用の「Suica」と「PASMO」がある。

障がい者用ICカードは定期乗車券として利用することもでき、障がい者本人が所有する「My Suica」または「記名PASMO」を障がい者用ICカードに変更することも可能。なお、「Apple Pay」の「Suica」「モバイルSuica」、「Apple Pay」の「PASMO」「モバイルPASMO」を障がい者用ICカードとして利用することはできない。

購入箇所(登録箇所)は、「Suica」がJR東日本の「Suica」エリア内の「みどりの窓口」、「りんかいSuica」がりんかい線の定期券発売窓口、「PASMO」が「PASMO」鉄道事業者の窓口など(一部事業者を除く)となっている。

  • 障がい者本人用「PASMO」と介護者用「PASMO」 (パスモ提供)

なお、障がい者用ICカードを購入する際は、サービスの対象であることを確認するため、障害者手帳などを発売窓口で提示する必要がある。本人用と介護者用は同時に購入できるが、別々に購入することはできない。また、障がい者1名に対して「Suica」または「PASMO」いずれか1組限りとなり、複数持つことはできない。

障がい者用ICカードは本人用・介護者用を同時かつ同一行程で乗車する場合に、自動改札機またはバス運賃機で割引運賃を自動精算して利用できる。本人用・介護者用を別々または単独で利用することはできず、利用の際には障害者手帳などの携行が求められる。

利用可能エリアは、首都圏の「Suica」「PASMO」エリア、新潟地区の「Suica」エリア、仙台地区の「Suica」エリア、青森・盛岡・秋田地区の「Suica」エリアとなり、対象エリア内の鉄道・バス事業者で利用可能。「Suica」「PASMO」(鉄道・バス)以外の全国相互利用エリアでは利用できず、全国相互利用サービスを実施するその他の交通事業者が発行する障がい者向けの交通系ICカードを「Suica」「PASMO」の利用エリアで使うことはできない。