東京商工リサーチは9月12日、2021年「企業の平均年齢」調査の結果を発表した。調査は、同社企業データベース収録の157万社(2021年末時点)の年齢(業歴)を抽出し、分析した。

  • 企業の平均年齢について

    企業の平均年齢について

国内157万社の2021年の平均年齢は34.1年だった。創業・設立から11年以上50年以下が約7割(構成比69.2%)を占め、100年超の企業は4,559社で、全体の0.29%。34年を境に平均年齢がほぼ一定なのは、休廃業・解散(2021年4万4,377件)や倒産(同6,030件)で市場から退場する企業数に対し、新規参入が14万4,622社(2021年)と退出を上回っていることが主な要因のよう。

一方、2021年の倒産企業の平均寿命は23.8年で、平均年齢とは10.3年差。杜撰な経営計画や見込み違いから頓挫し、設立後すぐに行き詰まる企業が多いことも示唆している。

  • 企業の平均年齢(産業別)

    企業の平均年齢(産業別)

産業別では、最長が「製造業」の42.1年で、10産業中、唯一40年を上回った。次いで、「卸売業」(39.6年)、「小売業」(38.4年)、「運輸業」(38.2年)と続いた。一方、最も平均年齢が短いのは「情報通信業」の23.1年で、最長の「製造業」とは19年の差がある。

地区別では、最も平均年齢が高いのは「中部」の36.2年。全国トップの「長野県」(38.7年)のほか、5位の「静岡県」、11位の「岐阜県」など、全県が全国平均以上という結果に。江戸-京都を結ぶ街道の宿場町に始まり、国道1号線、東海道本線、新幹線など交通網がいち早く整備され、産業の発展も早かった。次いで、伝統工芸などの地場産業が盛んな「北陸」の36.1年、「東北」の35.3年と続く。県別では、1位「長野県」(38.7年)、2位「島根県」(38.2年)、3位「富山県」(37.5年)、4位「山口県」(37.4年)、5位「静岡県」(36.9年)と続き、最短は「沖縄県」(27.4年)で30年を下回った。

業歴と都道府県別の人口増減率を比較すると、2021年に唯一人口が増加した「沖縄県」は平均年齢が最も短い。次いで、人口減少率が最少の「神奈川県」が2番目に短い31.5年。このほか、首都圏や「福岡県」「大阪府」「宮城県」など、人口減少率が低位の地域ほど平均年齢が短い傾向がみられた。 逆に、人口減少率が高い地域は、企業の平均年齢が長くなる傾向がある。人口減少が起業数の減少に繋がり、結果的に平均年齢が伸びた可能性もある。