八芳園が美しい月を眺めながらアルコールを楽しめるイベント『MOON BAR』を企画した。料亭「壺中庵 - KOCHUAN」の前庭にて9月10日、11日、23日～25日の期間限定で実施される。そこで編集部でも早速、体験取材してきた。
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八芳園で『MOON BAR』が開催されている。コンセプトは「都心で最も風情を感じる場所 月待の庭で過ごす、新たに出会う日常を。」
■イベントの概要
壺中庵は、八芳園にある日本庭園のなかに佇む歴史的建造物であり、現在は、料亭「壺中庵 - KOCHUAN」として経営をしている。今回、その前庭にてMOON BARが企画された。参加費は20歳以上が4,000円、6歳以上が3,000円、未就学児が無料。なお20歳以上、6歳以上の参加費にはシーズナルボール、ドリンク1杯が含まれている。
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会場となった、八芳園 料亭「壺中庵 - KOCHUAN」の前庭にて(東京都港区白金台1丁目1-1)
江戸時代より400年の歴史を重ねる日本庭園は、なだらかな丘陵地に広がっている。その青々とした芝生の上に、月見客のためのベンチが用意された。周りを背の高い木々が囲んだ、特別なこの空間。コオロギなど、虫の鳴き声も盛んに聞こえてくる。開催時間になると、料亭の前では琴の生演奏もはじまった。
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心休まるひとときを琴の音色が演出する
来場者は、バーカウンターでドリンクを注文できる。そこでMOON BARオリジナルカクテルの「月見日和」(1,600円)と「梅見心地」(1,500円)を注文した。月見日和はIPAを蒸留したジンをベースに柑橘やアペリティフワインを加えたもので、爽快感があふれる味わいが特徴。一方で、梅見心地は芳醇な香りを持つクラフトジン「LAST ELEGANT」をベースに、梅、しそ、スパイスを加えており、ほのかな苦味もアクセントになっている。
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バーカウンターの様子
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MOON BARオリジナルカクテルの「月見日和」(左)と「梅見心地」(右)
月見といえば、月見団子。MOON BARでは、オリジナル特別メニューとして「シーズナルボール」を用意した。見た目にも可愛らしい、ひと口サイズのハーブコロッケ、ホタテと栗のしんじょう、鯛とじゃがいもの和風パテ、蟹とナッツ シャドークイーンポテト和え、サーモンチーズ揚げで、季節を味わう。
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月見団子ならぬ、シーズナルボールはバラエティ豊か
取材したこの日は雲がちながらも、時おり見事な満月を眺めることができた。夜空を見上げながら、美味しい月見酒で喉を潤し、シーズナルボールをつまむ―――。日常生活のストレスや忙しさを忘れる、デトックスのひとときだ。
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雲の合間から満月が顔をのぞかせる
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オリジナルカクテルは、エシカル・スピリッツが監修したもの。どちらもジンを使用している。しっかりとした飲みごたえがありつつも、華やかで飲みやすい
仕事の話、プライベートの話を含めて、様々な話題がのぼる。「そういえば最近、都会の人はスマホを見てばかり。下ばかり見つめていて、空を見上げる機会ってなくなりましたよね」と同席の編集部員。暑かった夏が過ぎ、いま秋が着実に近づきつつある。こうして季節の移ろいを肌で感じる時間の、なんと贅沢なことか。いまから400年前、江戸時代の人たちもこの庭で月見酒を酌み交わしながら、満月を愛でていたんだろうか―――。
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庭園内では、特別ライトアップ「Moon Light -光の庭-」の演出
このあと2杯目として、クラフトジンの「LAST ELEGANT」(1,100円)と「REVIVE from Hoegaarden
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LAST ELEGANT(左)とREVIVE from Hoegaarden
(右)
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立ち飲みのできるテーブルも用意されていた
■イベント開催のきっかけは?
はじめに、フード開発の柳晴貴氏に話を聞いた。
―――お団子や和菓子ではなく、上品な料理が出てきたので驚きました。
柳氏「ベースには"月見団子"というイメージがありました。今回のバーカウンターではジンを使用したオリジナルカクテルをご提供するので、相性の良い料理を開発しました。ホタテ、サーモン、キノコなど旬のものに、チーズやナッツをあわせています。じゃがいもベースのもの、揚げもの、そして栗のしんじょう(真薯)がありますので、食感の違いも楽しんでもらえたらと思います」
続いて、壺中庵 副支配人の伊東亜美氏にも話を聞いた。
―――イベント開催のきっかけは?
伊東氏「壺中庵では日本の四季、季節の移ろいを大事にしています。そのなかで、お月見イベントをしてみたい、というアイデアが浮かびました。都会で忙しく暮らしていると、ゆっくり月見を楽しむ時間がありません。壺中庵なら前庭に芝生もありますし、皆様にくつろいだ気持ちになっていただけるのではないか、ということで企画がスタートしました。このような大きなイベントを行うのは、今回が初めてです」
―――八芳園の壺中庵となると、敷居が高く感じるお客様も多いと想像します。
伊東氏「これまで壺中庵のご利用がなかった方にも、ぜひ、この機会に壺中庵を知っていただきたいという思いもあります。どうかお気軽にお越しいただいて、日本の風情、四季の豊かさを感じてもらえれば。空がひらけた前庭には秋の風が抜けていきます。虫の声もにぎやかに聞こえます。いま都会の喧騒のなかで日々を過ごしている方も多いと思いますが、イベントの開催中、琴の音色を遠くに聞きながら、安らかな時間の流れを感じていただけたら幸いです」
■Information
『MOON BAR』
【場所】東京都港区白金台1丁目1−1 料亭「壺中庵」 前庭にて
【開催日】9月10日～11日／9月23日～25日 ※12月、2023年1月開催予定
【営業時間】19:00～21:00(ラストオーダー20:30)
【参加費】20歳以上:4,000円／6歳以上:3,000円／未就学児:無料
※未就学児以外はシーズナルボール、ドリンク1杯が参加費に含まれている
