メルシャンは、「メルシャン・ワインズ サニーサイド オーガニック レッド/ホワイト」(各750ml、オープン価格)を8月30日より全国発売した。

同社の輸入ワインブランド「Mercian Wines(メルシャン・ワインズ」の新商品となる「サニーサイド オーガニック」。発売前に実施された説明会では、同社マーケティング部輸入グループ・須永和子氏と技術部商品開発グループ・上原彩子氏から、本商品の発売背景や特徴などが紹介された。

■ワイン市場の再活性化に取り組む新ブランド

「2008年以降、順調に拡大をしてきたワイン市場は、直近5年に関してはやや縮小傾向にあり、新しい価値提案での市場の活性化が求められています」という須永氏。

2021年メルシャン家庭用調査の結果から、ワインは他のお酒に比べて「ぜいたくな気分」を求められる傾向がある一方、「ワインの選択基準や好みがわからない」ことが、さらなる市場拡大のボトルネックになっていると紹介された。

ワイン市場の再拡大に向けて、同社が今年3月に立ち上げたのが、日本人に合うワインを世界のワイナリーと共創する輸入ワインの新ブランド「Mercian Wines」だ。

既存の輸入ワインの枠にとらわれず、世界の高品質なワインの造り手がタッグを組み、日本人の嗜好に合った高品質の輸入ワインを手頃な価格で提案。「環境負荷軽減」「産地との共存」「人への負荷軽減」「情報の見える化」をテーマに、世界の優れたワイナリーをパートナーとしながら、近年のエシカル消費ニーズにも応える持続可能なワイン造りを目指す。

「ワインの新しい魅力を創り、ワイン市場の再拡大に挑戦していくため、『Mercian Wines』では生産者様とともにストーリー性のあるワイン造りを行い、日本人の嗜好に合った安全・安心なワインを生み出していきます。畑、ブドウ、醸造、充填というすべての品質にこだわった、気軽で自由に楽しめるワインを通じ、日常を快い楽しいひとときに変えていきたいと思っています」(須永氏)

■サステナブルな取り組みで有名なワイナリーと共創

そんな「Mercian Wines」には、個性豊かで産地と造り手の物語に溢れたぜいたくな「ラグジュアリー・コレクション」、好奇心を満たし、新しい体験が楽しめる「ディスカバー」、間違いのない品質を気軽に楽しめる「クオリティ」の3シリーズが存在する。

このほど発売された「メルシャン・ワインズ サニーサイド オーガニック」は「クオリティ」シリーズの商品。須永氏は世界のオーガニックワインの動向について次のように紹介した。

「フランスでは直近10年でオーガニックの認証(もしくはオーガニックに転換中)のブドウ畑の面積が約2.7倍と急拡大し、日本へ輸入されるオーガニックワインの市場も年々拡大しています。2018年比でその販売数量は約2.4倍で、この基調は今後も続くと考えています」(須永氏)

また、メルシャン社が実施したWEB調査では、輸入オーガニックワインの注目度は高い一方、「価格的に手を伸ばしにくい」「味にクセがあって飲みにくい」といったイメージも根強い結果に。そこで「サニーサイド オーガニック」は日本人の嗜好に合った、より手頃な価格のオーガニックワインの実現が開発のコンセプトとなっている。

本商品の共創ワイナリーはスペインのペニンシュラ社。ワイン界で最難関といわれる資格マスター・オブ・ワイン(MW)の資格を持つサム・ハロップ氏が醸造責任者を務め、サステナビリティを大きな柱に掲げるワイナリーだ。

「今回ペニシチュラ社との共創に至った経緯としては、サステナビリティを大きな柱に掲げるスペインのワイナリーであることがあります。スペイン国内のサスナビティに関する認証を初めて取得したワイナリーのひとつを保有し、ワイン造りに関するサステナブルな取り組みで知られるワイナリーにフォーカスしました」(須永氏)

同ワイナリーでは、有機農法を行いやすいカスティーリャ地方の自然環境を生かし、農薬を削減したブドウ栽培を実践。「適切な水の使用量の目安」から1ヘクタールあたりのブドウの収量を考え、平均収量に制限を設けるなど、環境への負荷軽減に取り組む。

また、高品質な有機栽培ブドウを適正な価格で取引することで有機栽培の普及させる環境保全への取り組みや、生産者などへブドウ栽培や醸造における技術指導を実施する“エコエコプロジェクト”を展開。高品質のワインが市場に認知され、取引量が増えることで生産者が経済的に潤い、ひいては地域経済への貢献を目指しているという。

■果実味豊かな香りと味わい、おすすめのマリアージュは?

こうした社会課題の解決を目的とする同プロジェクトへの共感から生まれた「サニーサイドオーガニック」は、40代の輸入ワインユーザーがメインターゲット。

レッドとホワイトの2種類で、華やかでフルーティーな香り、果実味豊かで暖かい日の光に包み込まれるような優しい味わいが楽しめることが特長だ。上原氏はその味わいへのこだわりについて説明した。

「市場において販売数量の多い輸入ワインを試飲し、甘味・酸味、タンニンなどを指標とする渋味成分などのデータを科学的に解析。ターゲットに好まれる味わいの仮説を立て、また検証を重ねて、味わいの方向性を決めていきました。ワインが本来持つフレッシュな果実味を実現するため、あえて樽のニュアンスを用いない味づくりにこだわり、酸味・渋味・甘味の最適なバランスを図っています」(上原氏)

チェリーやプラムの果実を思わせるふくよかな香りと、ほのかなスパイシー香が特長のレッドは適度な重厚さ、フレッシュで凝縮感のある果実味と優しいまろやかな渋み、酸味が心地よく調和する赤ワイン。

爽やかな香りとトロピカルな風味、上品で華やかなマスカットや桃のニュアンスもあるホワイトは、柔らかな酸味とフレッシュで豊かな果実味を楽しめる白ワイン。フレッシュな柑橘香も感じられる香りは、フルーティーながらも力強い。軽めから中程度の厚みがあり、はつらつとした酸を堪能できる。

「家庭料理との食べ合わせをいくつか試してみました。おすすめは赤ですと、鶏の唐揚げとローストビーフ。白ですと、マグロのお刺身と天ぷらとなります。料理の油をすっきりとさせ、素材の旨みや甘みをしっかりと感じることができ、マリアージュすると、お酒も食事もよりいっそう美味しく感じられます。お客様にもご自分のベストマッチを探していただき、楽しい時間を過ごしていただければ」(上原氏)