2011年から2019年までBSスカパー!で放送されていた社会派ドキュメントバラエティ『BAZOOKA!!!』がABEMAにて約3年ぶりに復活し、6月4日にスタートした(毎週土曜23:00~)。初回放送時よりMCを務めていた小籔千豊が、ABEMA版でも引き続きMCを担当している。当時反響が大きく、自身にとっても思い入れのある番組だったという小籔に、『BAZOOKA!!!』への思いやABEMA版で実現したいことなど話を聞いた。

  • 小籔千豊 撮影:加藤千雅

「地下クイズ王決定戦」や「放送NG演芸」など、独自の目線と過激な企画で人気を博した『BAZOOKA!!!』。ABEMA版も当時の持ち味を踏襲し、「空気を読まないテレビ」をコンセプトに、マニアックなカルチャーや個性的な人々などに切り込んでいく。MCは小籔のほか、野生爆弾・くっきー!、中嶋イッキュウ、水原希子。小籔、くっきー!、イッキュウは、同番組で誕生したバンド・ジェニーハイのメンバーだ。

小籔は『BAZOOKA!!!』復活について「めっちゃうれしかったですし、みんな喜んでくれるやろうなと思いました。終わってからも『またやらないですか?』とよく言われていたので」と喜び、「イッキュウさんもずっと『BAZOOKA!!!』復活してほしいと言っていたんです。ジェニーハイがこの番組から生まれたので、親がいないような状態で、ジェニーハイとしても『BAZOOKA!!!』があったほうがいいよねって。でもまさか復活するとは思ってなかったのでうれしかったです」と笑顔を見せる。

吉本新喜劇の座長であり、個人でもバラエティや情報番組など幅広く活躍している小籔。2011年に東京進出し、全国区の知名度となったが、『BAZOOKA!!!』の反響も大きかったという。

「東京に来て僕のことを知っていただいたきっかけの番組は『人志松本のすべらない話』なのかもしれませんが、『あれ見てます!』ってすごい熱を持ってみんなが話してくれる番組が『BAZOOKA!!!』だったので、出世作じゃないですけど、いい夢見させてもらった思い出の番組。スタッフとも番組が終わってからも毎年シンガポールに行ったり、ずっと仲良しなので、遊びだけでなく仕事もできるのはうれしいです」

エッジの効いた番組で、強烈なゲストも多数登場する『BAZOOKA!!!』。「人間誰しも自分の興味がある特定のカルチャーしか見ないと思いますが、それを思いっきり広げてくれ、考え方を変えてくれたのはこの番組」と視野の広がりを感じている。

「いろんなジャンルのゲストの方々と会えた番組だったので勉強なりました。いろんな生い立ち、立場、考え、人生があるんだなと。村西とおるさんや、こびとプロレスの方々の話を聞いてそう思いました。上祐(史浩)さんと生放送でお話したり、ロックンローラーの内田裕也さんに怒られたりしたこともあり、根性もついたのかなと。いろんなゲストの方に鍛えられたと思います」

また、「タトゥーに関して僕は、娘・息子が入れたら嫌やなと思う昔ながらの日本人でしたが、この番組でKIDさん(山本“KID”徳郁)の話を聞いたり、タトゥーについて勉強してだいぶ緩和されました」と言い、「人間的にいろんな見方ができるようになったと思います」と自身の変化を語る。

MCとしても鍛えられた番組だという。

「全く知らないジャンルの方をお招きして、たまに僕としては否定的な方もゲストにも来ていただいて。スプレーで落書きする人たちが覆面で出演したときは、僕はあまりよくないことだと思っていても、MCとしては全部その人たちの言葉を止めるのはよくないし、だからといって褒めて持ち上げることもしてはいけない。そのへんのMCとしてのラインは、普段のバラエティでは感じられないもので、この番組で鍛えられたと思います」