会話の中で「閑古鳥(かんこどり)が鳴く」という言葉が使われることがあります。
しかし、「閑古鳥が鳴く」について「意味を知らない」「そもそも閑古鳥って何? 」という人もいるでしょう。
この記事では、「閑古鳥が鳴く」の意味や由来、類語や対義語、さらには英語表現もご紹介します。「閑古鳥が鳴く」を会話の中で実際にどう使うのか、使い方や例文もご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
「閑古鳥が鳴く」の意味とは
「閑古鳥が鳴く」とは静かで寂れた様子のことで、ひいては商売が流行っておらずお客さんがいない状態を表す言葉です。
閑古鳥とは
閑古鳥とは、実在する鳥で、郭公(かっこう)のことです。鳩に似た見た目の鳥で、閑古鳥のほか「合法鳥(がっぽうどり)」という呼び方もあります。
全体的に灰色っぽい色をしており、おなかのあたりに黒いまだらの模様があるのが特徴です。日本では夏鳥として、高原地域などでその姿をみることができます。
「閑古鳥が鳴く」の由来
お店にお客さんがいないことや、商売が繁盛していない様子を、なぜ「閑古鳥が鳴く」と表現するのか、気になる人もいるでしょう。
閑古鳥の鳴き声に寂しい印象があったことや、人の少ない山間で閑古鳥の鳴き声が寂しく響いていたことが由来といわれています。
興味のある方は、ぜひ閑古鳥の実際の鳴き声を聞いて、その印象を確かめてみてください。「閑古鳥が鳴く」の寂しさのイメージをつかめるかもしれません。
「閑古鳥が鳴く」の使い方・例文
「閑古鳥が鳴く」という表現が実際にどのように使われるのか、例文を交えながらご紹介します。
自分でも「閑古鳥が鳴く」という表現を文章や会話の中で使えるようになれば、表現のレパートリーを増やすことができます。ぜひ、例文・使い方を押さえておきましょう。
【例文】
- このお店にはいつも客がいない。いつ行っても閑古鳥が鳴いている
- 最近、うちの店も閑古鳥が鳴いている状態だよ
- あのラーメン屋、いつも閑古鳥が鳴いているけど、おいしいし接客もよくて好きだからよく食べに行っている
なお、通常であればいつも繁盛しているお店が、そのとき偶然空いているだけという状態に対して「閑古鳥が鳴く」を使うのは誤用となります。
「閑古鳥が鳴く」を「暇である」という意味で使うのも誤用です。「閑」には、「することがなくて暇」という意味があるため、誤解されがちですが誤りなので注意しましょう。
「閑古鳥が鳴く」の類語
「閑古鳥が鳴く」と意味が似ている類語表現について紹介します。
閑古鳥が歌う
「閑古鳥が鳴く」と同じ意味の表現門前雀羅を張る(もんぜんじゃくらをはる)
門の前に群れている雀(すずめ)を捕まえるために網を張れるほど、人がおらず閑散としていることのたとえ空いている
人が少なく混雑していない状態ガラガラ
人が少ない状態閑散
ひっそりと静まり返っていること寂れる
活気がなくなりひっそりしている状態
「閑古鳥が鳴く」の類語表現も合わせて覚えておけば、表現の幅が広がり相手や状況に合わせて最適な表現ができるようになります。ぜひ覚えておきましょう。
「閑古鳥が鳴く」の対義語
「閑古鳥が鳴く」とは反対の意味を持ち、商売が盛んな状態や人がたくさんいることを表す表現をご紹介します。
繁盛(はんじょう)、大繁盛
大いに賑わって栄えることやその状態満員御礼(まんいんおんれい)
本場所の大相撲興行において、入場者が一定数に達した際に出す表示のこと。転じて、お店や劇場などで、お客さんがいっぱいの状態のこと賑わう(にぎわう)
人が集まるなどで賑やかになる。繁盛している様子景気がいい
経済活動が活発で商売が繁盛していること
日常生活の中でもよく会話の中で使うものや、文章などで目にする表現も多いでしょう。商売が繁盛している様子や人がたくさんいて賑わっている様子を表す言葉もたくさんあるので、ぜひ覚えておきましょう。
「閑古鳥が鳴く」の英語表現
「閑古鳥が鳴く」を英語で直訳しても意味は伝わりません。下記で「閑古鳥が鳴く」と同じ意味合いを持つ英語表現をご紹介します。
意味:事業の不振・ビジネスがスランプに陥っている
意味:人が住まない・寂れた
仕事で英語を使う機会のある人や、英語を勉強している人は、ぜひ「閑古鳥が鳴く」の英語表現も覚えておきましょう。
「閑古鳥が鳴く」の意味を正しく理解しましょう
「閑古鳥が鳴く」とは、静かで寂れた状態を表す言葉です。お店や商売などで、お客さんがおらず、繁盛していない様子を表す言葉として、よく使われます。
閑古鳥とは郭公(かっこう)のことで、その鳴き声の寂しい様子が「閑古鳥が鳴く」という表現の由来といわれています。
「閑古鳥が鳴く」には、「商売が繁盛していない」「お客さんがいない」など、ややネガティブな要素を含むため、失礼な印象を与えないよう、使用する際は注意が必要です。
「閑古鳥が鳴く」の言葉の意味を正しく理解して、会話の中でも周囲を不快にさせないよう配慮しながら使いこなしていきましょう。