嫌なことが続くと「一難去ってまた一難」という言葉を使うことがあります。よく見聞きする言葉ですが、意味を理解できておらず使い方もいまいちよくわからないという方もいるのではないでしょうか。
そこで、本記事では「一難去ってまた一難」の意味についてくわしく解説していきます。さらに言葉の使い方や似たような意味で使われる言葉についてもご紹介しますので、「一難去ってまた一難」を理解したい方はぜひ参考にしてください。
「一難去ってまた一難」の意味とは?
読み方は「いちなんさってまたいちなん」です。
言葉の意味は「一つの災難がすぎた後、またすぐに次の災難が降りかかる」ことで、 災難が収束したと思っていたのに、また次の災難がやってくる状況です。
「大事な顧客訪問のときに電車が遅延してしまった。急いで迂回したらなんとか間に合ったが、持ってきた資料にコーヒーをこぼされて重要な部分の説明ができなかった。一難去ってまた一難だったよ。」というように、「一つの災難をやり過ごしたらまた別の災難が降りかかってきてうんざりした」というようなニュアンスで使われます。
「一難去ってまた一難」の使い方と例文
朝から入った顧客からのクレームを対処して無事解決できたのに、今度は取引先からトラブルが発生したという連絡が来て、今日は一難去ってまた一難な一日だったよ
顧客トラブルが解決したと思ったら、次は部下の失敗をカバーしなければいけなくて、一難去ってまた一難だった
風邪をこじらせてやっと全快したのに、一難去ってまた一難で、今度は転倒して怪我をしてしまった
何らかの災難、トラブルに遭遇し、無事に解決した後、ほっとする間もなく次の災難やトラブルが発生する状況で使用されます。「一難去って」の言葉の通り、一つの災難が去った後にまた災難がやってくるというときに使う言葉です。
「一難去ってまた一難」の類語
「一難去ってまた一難」には、似たような意味をもつ言葉がいくつかあります。厳密には違う意味合いで使われる言葉もありますが、類語としてぜひ一緒に覚えておきましょう。
泣きっ面に蜂
「なきっつらにはち」と読みます。「悲しくて泣いているときに蜂に刺される」という意味で、「辛い状況にいるときにさらに不幸に見舞われる」という意味で使われます。
「泣きっ面に蜂」は不幸が重なるという意味があるため、不幸が連続する「一難去ってまた一難」と似たような意味として使えます。
踏んだり蹴ったり
読み方は「ふんだりけったり」で、「嫌なことが重なる」という意味。また、「嫌なことや不幸なことが続いて起こる」という意味でも使われます。
弱り目に祟り目
「よわりめにたたりめ」と読みます。「辛い状況にいるときに、さらに不幸が訪れる」といった意味の言葉です。
「弱り目」は弱っている状態、「祟り目」は災難にあうことを意味します。「不運が重なる」という意味合いがあるため、「一難去ってまた一難」の類語として使用可能です。
雪上加霜
「せつじょうかそう」と読み、中国の言葉です。 「雪が降り積もった上にさらに霜が降りる」という意味の言葉。「災難に見舞われているところに、さらなる災難が重なること」を表しています。
「一難去ってまた一難」の英語表現
「一難去ってまた一難」を直訳しても英語ではうまく表現できませんが、同じようなニュアンスを含む言葉があります。こちらもぜひ一緒に覚えておきましょう。
out of the frying pan into the fire
意味:一難去ってまた一難・状況がさらに悪くなる
直訳は「フライパンを飛び出て火の中に入る」となります。「フライパンから飛び出し熱さから逃れたのに、今度は火の中に入ってしまった」という状況で、「不幸から逃れたのに、さらに不幸になる」と解釈できます。
「次から次へと不幸が続く状況」を意味する言葉なので、「一難去ってまた一難」と似たような意味で使われます。
misfortunes never come alone
意味:悪いことは続く
misfortuneは「不幸、災難」という意味の言葉なので、「不幸なことは一つ(単独)では来ない」という意味となります。
不幸が一つでは来ないことから、「不幸が重なる」と訳すことができますので、「一難去ってまた一難」と同じような意味の言葉になります。
「misfortunes never come singly」も同じ意味です。
「一難去ってまた一難」を理解して正しく使おう
「一難去ってまた一難」は、災難や困難など不幸と感じることが次から次へと連続して起こることをいいます。辛いことが続くという意味なので、あまりいい意味の言葉とはいえませんが、使い方を覚えておくとビジネスシーンでも使える言葉です。
「泣きっ面に蜂」「踏んだり蹴ったり」といった、似たような意味で使われる言葉もぜひ一緒に覚えておき、自分の知識としてさまざまなシーンで役立ててください。