ファミトラは6月17日、「40代から60代、自分の父親の認知能力に関する意識調査」の結果を発表した。同調査は6月10日~11日、40~60代の男女338名を対象に、インターネットで実施した。

  • 認知能力低下による資産凍結の対策として知っているもの

厚生労働省によると、認知症者数は年々増加傾向にあり、2025年には約730万人、5人に1人にのぼると推計されている。認知症と診断されると、法的には意思能力がないとみなされ、あらゆる契約が無効になることで、本人の資産が事実上凍結される。資産を凍結されてしまうと、家族であっても預金を引き出せなかったり、不動産の売却などもできなくなるという。

そこで、判断能力(意思能力)がなくなると、資産凍結される可能性があることを知っているか尋ねたところ、34.6%が知っていると答えた。

認知能力低下による資産凍結の対策としては、「生前贈与」「任意後見制度」「家族信託」「保険加入」「不動産の売却」などさまざまなものがある。そこで資産凍結について知っている人・知らない人に分け、認知能力低下による資産凍結の対策として知っているものを尋ねたところ、資産凍結について知らない人は、62.4%が「どれも知らない」と答えた。

一方、資産凍結について知っている人は、知らない人よりも「生前贈与」「任意後見制度」といったさまざまな対策を知っている人が多く、特に認識者の増加割合が最も高い割合は「家族信託」だった。

親の老化や、認知能力の低下を感じた出来事について聞くと、「別居しており、帰省時に日常動作で不安になった」(13.0%)が最多に。次いで、「同居しており、日常動作で不安になった」(6.5%)、「別居しており、電話のやりとりで不安になった」(5.9%)との回答が続いた。

また、親の認知能力に不安を感じているものの、資産凍結リスクを把握していない人は61.6%だった。

認知能力の低下により資産凍結される可能性を知っている人は、知らない人よりも父の日に、「父親とリアルに会う」「父親に電話する」などを行い、状況把握に努めている人が多いことがわかった。

  • 認知能力低下による問題を知った上で、父の日にすることが変わったこと

父親の認知能力に不安を感じる前と後で、「父親とリアルに会う」「父親に電話をする」にどのような変化があったか調べた。その結果、どちらも不安を感じた後では、リアルに会ったり電話をすることが減少することがわかった。

親の認知能力が低下した後だと、会っても仕方ない、会いたくないと感じてしまうのかもしれないという。

  • 父親の認知能力に不安を感じる前より「父親とリアルに会う」「父親に電話をする」人の数