日本語は世界でも珍しい特殊な言語です。その理由の一つとして、ひらがな、カタカナ、そして漢字と3つの文字形態を使い分けている点があげられます。それだけに、日本語を母国語としない外国人が日本語を習得するのは至難の業であり、中でも漢字の読み書きに苦戦することでしょう。

ただ、それは日本人においても同じです。普段からよく漢字に接している人たちでさえ、時には「これ、なんて読むんだ……!?」という漢字に遭遇するケースがあります。

そこで今回、マイナビニュース会員の男女485人に「読めそうで読めない漢字」にまつわるアンケートで聞いてみたので、ランキング形式にて紹介します。

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  • 「だめだ、読めない……」。そんな声が聞こえてきそうな「読めそうで読めない漢字」を紹介します

    「だめだ、読めない……」。そんな声が聞こえてきそうな「読めそうで読めない漢字」を紹介します

「読めそうで読めない漢字」のランキング一覧

マイナビニュース会員に「読めそうで読めない漢字」についてアンケートを実施したところ、このようなランキング結果になりました。カッコ内に主な読み方も記しています。

1位希う(こいねがう): 5.0%
1位寸寸(ずたずた): 5.0%
3位何方道(どっちみち): 4.7%
4位甘蕉(バナナ): 4.5%
5位論う(あげつらう): 3.9%
6位剰え(あまつさえ): 3.7%
7位御御御付(おみおつけ): 3.3%
7位鳩尾(みぞおち): 3.3%
9位泥む(なずむ): 3.1%
9位私か(ひそか): 3.1%
9位総総(ふさふさ): 3.1%
12位禍禍しい(まがまがしい): 2.9%
13位外郎(ういろう): 2.7%
13位慮る(おもんぱかる): 2.7%
13位感ける(かまける): 2.7%
13位雪ぐ(すすぐ): 2.7%
13位戦ぐ(そよぐ): 2.7%
18位禿びる(ちびる): 2.5%
19位態と(わざと): 2.3%
20位転寝(うたたね): 1.9%
20位饂飩(うどん): 1.9%
22位魂消る(たまげる): 1.7%
22位素見す(ひやかす): 1.7%
24位集る(たかる): 1.4%
24位乍ら(ながら): 1.4%
26位萌し(きざし): 1.2%
26位準える(なぞらえる): 1.2%
26位弁える(わきまえる): 1.2%
29位徐に(おもむろに): 1.0%
29位焼べる(くべる): 1.0%
29位強か(したたか): 1.0%
29位吃逆(しゃっくり): 1.0%
29位地車(だんじり): 1.0%
29位啄む(ついばむ): 1.0%
29位美人局(つつもたせ): 1.0%
29位尤も(もっとも): 1.0%
29位漸く(ようやく): 1.0%
29位陸でなし(ろくでなし): 1.0%
39位口遊む(くちずさむ): 0.8%
39位挙って(こぞって): 0.8%
39位序でに(ついでに): 0.8%
39位存える(ながらえる): 0.8%
39位湯湯婆(ゆたんぽ): 0.8%
44位生憎(あいにく): 0.6%
44位胡坐(あぐら): 0.6%
44位束子(たわし): 0.6%
44位徒ならぬ(ただならぬ): 0.6%
44位手水(ちょうず): 0.6%
44位密密(ひそひそ): 0.6%
44位小火(ぼや): 0.6%
44位薬缶(やかん): 0.6%
52位強ち(あながち): 0.4%
52位確り(しっかり): 0.4%
52位遠離る(とおざかる): 0.4%
52位微睡む(まどろむ): 0.4%
56位呆気(あっけ): 0.2%
56位設え(しつらえ): 0.2%
56位啜る(すする): 0.2%
56位競る(せる): 0.2%
56位均す(ならす): 0.2%
56位熱る(ほてる): 0.2%
56位将に(まさに): 0.2%
56位若しも(もしも): 0.2%

ここからは、トップ10にランクインした漢字が選ばれた理由を紹介していきます。

希う

・「言葉自体も知らない漢字だったから」(47歳男性)
・「漢字から読み仮名の想像が全くつかないから」(51歳男性)
・「本でも出てきたことがない」(31歳男性)
・「言われてみてもしっくりこない」(51歳男性)

寸寸

・「読んだ記憶もないし、読み方も全く想像がつきません」(53歳男性)
・「漢字自体はよく見るものだが、この読み方をしているものを見たことがなく、驚いたから」(60歳女性)
・「漢字からくるイメージと実際の読み方にかなりのギャップがあるから」(52歳男性)
・「当て字にもならないと思った」(39歳男性)

何方道

・「一文字ごとは決して難しくない小学校で習うレベルなのに読めない。しかも『どっちみち』って漢字があったの? というショックも」(49歳男性)
・「普段の生活の中で見ることのない漢字だから」(40歳男性)
・「正直見るまで知らなかったです。生まれて初めて見た漢字です」(46歳男性)
・「全く見当が付かなかったからです」(62歳男性)

甘蕉

・「漢字があるとは思わなかった」(51歳男性)
・「普通は漢字で書かれて売っていない」(67歳男性)
・「バナナに漢字があることに驚いたし、その漢字が全くバナナの読みに当てはまらないので」(67歳男性)
・「どう考えても読めない。バナナはカタカナであって『漢字なんてあるのか。漢字にしていいのか』と思った」(34歳男性)

論う

・「ふりがなが振られていても、言葉の意味もわからないから」(54歳女性)
・「何度か読み方を覚えたものの、つい忘れてしまう、自分には鬼門の漢字」(62歳男性)
・「漢字と意味との関連が見えない。想像すらできない」(47歳男性)

剰え

・「漢字で連想もできず読めなかったから」(44歳男性)
・「日常で『ほぼ』使う機会のない言葉ですね」(39歳女性)
・「全く読めない。意味もわからない」(51歳男性)

御御御付

・「実際のものと漢字が全く一致しないので想像もつかない」(43歳男性)
・「自分の中で一番意外だったから」(38歳女性)
・「覚えてしまえば記憶に残りやすいですが、初めて見た場合は読めないですね」(62歳男性)

鳩尾

・「動物の名前に見えるから」(51歳男性)
・「普段使わないし、部位と漢字のニュンスが想像つかない」(71歳女性)
・「使う場面がないから余計に読めない」(71歳男性)

泥む

・「ふりがながあっても意味がわからないし、普段使わない言葉だから」(65歳男性)
・「読み方の候補すら思い浮かべられなかったので」(44歳男性)
・「『気にして心からそれが去らない』『滞る』といった意味のようです。泥むという言葉自体、意味も知らなければ、普段の使い道も知らなかったためです」(60歳男性)

私か

・「違う読み方で覚えていたから」(60歳男性)
・「読書をしていても、なかなか出てこない漢字だったので」(64歳男性)
・「どう読んでも『わたしか』になってしまう」(69歳男性)

総総

・「まったく知らなかったし普段の読みからも離れている」(49歳男性)
・「初めて見た漢字でどう頑張っても読めそうにないから」(51歳女性)
・「ふさふさとは読めないから」(46歳女性)

読めそうで読めない漢字はクイズ問題にも使える!

「読めそうで読めない漢字」ランキングの1位に選ばれたのは「希う(こいねがう)」と「寸寸(ずたずた)」(5.0%)でした。

「希う」は「強く願う」「切望する」という意味を持ちます。「希望」という熟語にも使われている「希」という字があることから、読み方さえわかってしまえば意味が理解しやすいかもしれませんが、初見では「きう……?」と読んでしまう人が大半でしょう。

同率1位となった「寸寸」は、「ずたずた」の他に「ずだずだ」と読むこともあります。あるものがきれぎれに裂かれてしまう様を表現する際に用いるケースが少なくなく、「地震で国道が寸寸に分断された」などのように使われます。

3位には「何方道(どっちみち)」(4.5%)がランクインしました。日常会話ではよく使うフレーズでしょうが、漢字で見た機会がある人はごく少数なはず。こちらの漢字も読み方さえわかってしまえばなんとなく意味はわかりますが、何も知らないまま読むと「なんほうどう……」と読んでしまいそうです。

4位以降も、普段目にすることがない漢字がズラリと並んでいます。こういった漢字を見ると「日本語って難しいなぁ……」とあらためて感じてしまいますよね。

こういった難読漢字はちょっとした暇つぶしのクイズ問題や雑学ネタにも使えます。その際は、ぜひ本記事を活用してみてください。

調査時期:2022年6月1日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 男女合計485人(男性: 408人、女性: 77人)
調査方法:インターネットログイン式アンケート