充実した人生を送るために大切なのは「衣食住」。衣食に関しては、その時々のライフスタイルによって変化するものですが、「住まい」は簡単には変えられません。

誰でも毎日、心地よく生活したいですから、「住まい」やそれに関わる住環境は重要です。また、住宅は高額で人生の中で、一番大きな買い物になる可能性大ですから、絶対に失敗はしたくないものです。

今回は、マイホームを検討している人に向けて、住宅関連職に就く方たちから「家を選ぶ際に最も大事にした方がいいポイント」を挙げてもらいました。現在マイホーム購入を考えている人だでなく、将来はマイホームを持ちたい人、賃貸派の人にも、参考になりそうです。

※当アンケートはマイナビニュース会員登録情報にて、職種が「住宅関連(不動産や建築など)」の方を対象に配信しています。

Q. マイホームを検討している人に向けて、専門家の立場から「家を選ぶ際に最も大事にした方がいいポイント」を挙げられますか?

はい……48.4%
いいえ……51.6%

約半数弱の方が、回答してくれました。「住まい」を売る、造る、それぞれの立場から見た、住宅購入のポイントとは何なのでしょうか。

Q. 住宅購入にあたって、最も大事にすべきだと考えるポイントを教えてください。(自由回答)

どんな「住まい」を買えば良いのか?そのポイントとは

利便性を重視

  • 「実家や勤務先や友人に会うなど、各方面へのアクセスの良さ。」(女性/37歳/東京都/不動産/事務・企画・経営関連)

  • 「周辺環境と交通の便。」(男性/56歳/宮城県/建設・土木/販売・サービス関連)

  • 「公共交通機関からのアクセス及び買物、飲食などの周辺環境。」(男性/53歳/千葉県/建設・土木/建築・土木関連技術職)

通勤・通学などなどを考えれば、地域の中心地や繁華街への交通アクセスが良いことは重要ポイント。しかし、便利な場所は土地の値段も高いので、住宅も高価です。

人に関わる住環境

  • 「近隣住民」(男性/37歳/愛媛県/建設・土木/技能工・運輸・設備関連)

  • 「隣近所に住んでいる人がどんな感じかわかるなら知っておいたほうがいいと思う。」(男性/48歳/愛知県/建設・土木/技能工・運輸・設備関連)

  • 「自分の家族構成や生活スタイルに近い人が多いエリアの家(住宅地など)が、住んでいく上でメリットが多いと思う。」(女性/45歳/千葉県/建設・土木/建築・土木関連技術職)

隣人トラブルに巻き込まれないようにするには、住む前に調査することが大事です。また、近隣に暮らす住民とあまりに生活スタイルが違っていると、何かと暮らしづらくなりそうです。自治会のことなど聞くふりをして、隣人がどんな人なのかをチェックするべきという意見もありました。

信頼できる業者かどうか

  • 「取引や物件内容などの細かい事を全て把握し購入者にベストのプラン、条件を提示してくれる。」(男性/61歳/千葉県 /不動産/営業関連)

  • 「一級建築士のアドバイスをもらう『自腹で頼む』」(男性/49歳/東京都/建設・土木/事務・企画・経営関連)

  • 「設計から管理まで一貫して任せられる人が大事」(男性/56歳/愛媛県/不動産/営業関連)

理想の「住まい」を提供、仲介してくれる業者を、選別することも重要なポイントです。

土地・建物の問題

  • 「周辺環境や土地が埋立地などの場合、地震などで地盤沈下の可能性がある為、可能な限り調べた方が良いですね。」(男性/49 歳/埼玉県/建設・土木/建築・土木関連技術職)

  • 「水回りの排水に問題がないかどうか、日陰の部分のカビ対策ができているかどうかが重要だと思います。」(53歳/東京都/設計 営業関連)

  • 「立地。再建築不可の土地は買うべきではない。」(女性/43歳/東京都/建設・土木/事務・企画・経営関連)

  • 「とにかく地盤が良いこと。ハザードマップで災害が少ないこと」(女性/42歳/福島県/建設・土木/建築・土木関連技術)

もとから、その地域に住んでいて住環境がわかっていれば良いですが、新しい地域に引っ越して、そこで住宅を購入する、建築するとなると、細かく情報収集をする必要があります。地方自治体が発行しているハザードマップを確認することは必須条件です。そのほか、接面道路は広ければ広いほうが何かと有利に働くという意見もありました。

将来のことも考えておく

  • 「リフォームやユニバーサルデザインに関して将来計画をたてておくこと。」(男性/63歳/愛知県/建設・土木/営業関連)

  • 「自分、家族のライフパターン、将来構想を踏まえた設計を選ぶ。外構はおろそかになりがちだが、そこそこの予算配分を忘れずに! 」(男性/61歳/三重県/建設・土木/建築・土木関連技術職)

  • 「ライフスタイルにあった間取りをつくる。老後まで使う前提で設計する。周辺には時間帯で騒音等の変化を考慮し、昼夜の下見を念入りに行う。」(男性/52歳/山形県/建設・土木/営業関連)

住宅購入は、資金面など長いスパンで考えなければいけないもの。自分だけなく家族のことも考える必要があります。子供の有無から、成長に合わせた生活スタイルに合わせた間取りを考慮すれば、リフォームのしやすさもポイントになるでしょう。最終的には、夫婦二人になった場合に売却することも考えれば、資産価値も考えなくてはいけませんね。

住宅ローン・お金のこと

  • 「支払い計画をたてられる事。」(男性/52歳/長崎県/不動産/その他)

  • 「売ること(出口)ができるかどうか。」(男性/43歳/宮城県/不動産/事務・企画・経営関連)

  • 「借り入れと自己資本とのバランスです。無理をしたローンでは続きません。長いと35年ぐらいも払い続けるわけですから、しっかりとしたプランを立ててことにあたるべきだと思います。」(男性/64歳/埼玉県/不動産/技能工・運輸・設備関連)

  • 「割安な物件には理由があることを覚悟する。」(男性/51歳/神奈川県/不動産/専門職関連)

高額な買い物ですから、資金計画をしっかり立てる必要があります。長期間に渡る住宅ローンを組むことになるので、家庭の収入と支出はしっかりと計算しなくてはいけないですね。家族や夫婦でもお金の話題は話しづらいですが、後から意外な出費があって家計が破綻してしまったら大変です。

まとめ

住宅購入に関しての重要なポイントを聞くことがきました。住環境の利便性、環境、土地・建物の安全性、家族構成に合わせたリフォーム、住宅ローンなどが重要なポイントだということがわかりました。ただ、これらを全て希望通りにクリアする地域の住宅となると、かなりの高額になることも覚悟しなければなりません。住みやすい住宅を手に入れるには、妥協しないことも大事ですが、無理は禁物です。身の丈にあった資金で手に入れることができる住宅は、どこかで妥協点を見つけなければいけなくなることもあるでしょう。それをどこにするのかは、自分自身だけでなく家族とも、よく相談する必要がありますね。

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調査時期: 2022年5月26日〜29日
調査対象: マイナビニュース会員のうち、不動産、建築・土木、インテリア・住宅関連、建設コンサルタント、設計の職に就いている方
調査数: 250名
調査方法: インターネットログイン式アンケート
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