JR九州は、9月23日の西九州新幹線開業にともない長崎本線の一部区間で上下分離方式の運行を開始することを受け、該当する区間の各駅で同日以降の列車時刻(現時点案)を掲示した。肥前鹿島駅発着で博多方面へ向かう特急列車も運行予定とされている。

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西九州新幹線(武雄温泉~長崎間)の開業に合わせ、長崎本線と佐世保線が分岐する肥前山口駅は「江北(こうほく)」駅に改称する予定。同駅から諫早駅までの区間で上下分離方式による運行が始まり、佐賀・長崎鉄道管理センターが第三種鉄道事業者となって線路等の鉄道施設を保有する。現在、肥前山口~諫早間は電化されているが、佐賀・長崎鉄道管理センターの発表によれば、江北(現・肥前山口)駅から肥前浜駅まで電化区間、肥前浜駅から諫早駅まで非電化区間になるとのこと。

9月23日以降の列車時刻(現時点案)の掲示は、肥前山口~諫早間の各駅で実施されている。肥前山口駅では下り(肥前鹿島・諫早方面)のみ、時刻表イメージが駅舎内の待合室に掲示された。下り普通列車の本数は現行の17本に対し、9月23日以降は20本に増え、内訳は肥前鹿島行4本、肥前浜行11本(うち9本は肥前浜駅で肥前大浦・諫早方面の列車に接続)、肥前大浦行1本、諫早行3本、長崎行1本。江北(現・肥前山口)駅を5時10分に発車する諫早行が始発列車となる。7時台以降、普通列車はおおむね毎時1本の運転だが、15・16時台には毎時2本の普通列車が設定されている。

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江北駅では普通列車に加え、肥前鹿島行の特急列車も7本停車し、同駅の発車時刻は8時47分・11時10分・14時4分・17時27分・18時28分・19時31分・20時29分とされている。一方、特急列車が発着予定の肥前鹿島駅では、出入口の扉に時刻表イメージが掲示され、特急列車の発車時刻は6時39分・7時14分・9時33分・11時54分・14時50分・18時31分・19時33分とされていた。肥前鹿島駅発着で博多方面へ向かう特急列車は上下各7本を設定し、上りは朝、下りは夕夜間を中心に、日中時間帯にも運転予定であることがうかがえる。なお、肥前鹿島駅を発車する特急列車は、7本中6本が博多行、朝の1本(肥前鹿島駅7時14分発)のみ吉塚行だった。

肥前鹿島駅からの上り普通列車は、現行の18本に対し、9月23日以降は21本に増え、内訳は江北行8本(うち6本は江北駅で佐賀方面の普通列車に接続)、鳥栖行12本、門司港行1本。6・9・10・14時台は毎時2本、その他の時間帯はおおむね毎時1本の普通列車が停車する予定となっている。肥前浜方面の下り普通列車は16本が停車する予定だが、昼に2時間以上発車しない時間帯がある。

肥前浜駅では、駅舎内の改札付近に時刻表イメージが掲示された。下り普通列車は現行の12本から13本に増え、内訳は多良行1本、肥前大浦行5本、諫早行5本、長崎行2本。肥前浜駅10時7分発(多良行)から次の同駅13時58分発(長崎行)まで、4時間近く普通列車が発車しない時間帯があり、その次の列車も同駅16時26分発(諫早行)のため、2時間半近く待つ必要がある。上り普通列車は現行の16本から17本に増え、内訳は江北行8本、鳥栖行8本、門司港行1本。肥前浜駅6時2分発の始発列車が門司港行として運転される。

  • 肥前浜駅の駅舎。肥前浜~諫早間は非電化区間になる予定だという

東諌早駅では、ホーム上に時刻表イメージが掲示された。下り普通列車は現行の11本から12本に増え、内訳は諫早行7本(いずれも諫早駅で長崎方面の普通列車に接続)、長崎行5本。上り普通列車は9月23日以降も現行と同じ11本で、内訳は湯江行2本、小長井行1本、肥前浜行5本、江北行3本。下り・上りともに日中時間帯の普通列車が少なく、とくに下りは東諌早行9時41分発から同駅14時53分発まで、5時間以上にわたって列車が発車しない時間帯がある。その他、諫早駅では上り(肥前浜・肥前鹿島方面)のみ時刻表イメージを掲示しているとのこと。

各駅とも、時刻表イメージに記載された列車時刻は「2022年4月28日現在計画中のもの」とされている。最終的な列車時刻については、準備ができ次第、JR九州のサイトおよび各駅などで案内する。