東急電鉄は13日、今年度の設備投資計画について発表した。田園都市線の車両2020系を新たに1編成導入するほか、東急新横浜線の開業に向けた各種工事、目黒線の8両編成化による輸送力増強を進める。有料着席サービス「Qシート」の他路線への展開も検討する。

  • 「Qシート」は大井町線などで導入されている有料着席サービス

同社は都市交通における快適性の向上と課題の解決として、2023年3月の開業に向けた東急新横浜線に関する工事や、目黒線8両編成化を中心とした快適な車内空間につながる設備投資を実施。リアルタイム混雑情報などの拡充、大井町線で運行している有料着席サービス「Qシート」の他路線への展開、アフターコロナの新しい生活様式に合った駅機能の拡充についても検討を加速化すると説明している。

田園都市線では、環境性能が大幅に向上した新型車両2020系を順次導入しており、2022年度も1編成導入することで、旧型車両(8500系)との置換えを完了させる。2020系では、次世代半導体素子を用いた制御装置によるモーターの高効率化と車内照明・ヘッドライト・尾灯のLED化により、使用電力を低減(8500系と比較して約50%減)し、CO2排出の削減等の面で低炭素・循環型社会の実現に貢献するという。

  • 東急田園都市線の車両2020系。東京メトロ半蔵門線経由で東武スカイツリーラインへ直通運転も行う

  • 8両編成となった東急目黒線3020系

安全面では、機器状態をつねに監視できる大容量の情報管理装置と車両・地上間の通信が可能な装置を導入し、走行中の車両の機器状態を地上側で把握することが可能に。「ナノイー」方式の空気清浄機を車内に設置し、清潔な空気を車内に送るようにして快適性を高めるほか、ハイバック仕様の座席を採用し、座り心地を改善している。フリースペースも設置し、車いす・ベビーカー利用者も快適に乗車できるようにしている。