東京商工リサーチはこのほど、2022年4月の「為替」関連倒産(4月28日現在、速報値)に関する調査結果を発表した。それによると、4月は「為替」関連倒産のうち、「円安」関連倒産が1件発生した。「円安」関連倒産は2021年12月以来、4カ月ぶり。
円安、中小企業経営に大きな影響
4月に「円安」関連倒産した企業は、福岡県の貿易商社で、負債総額は5,600万円。新型コロナ感染拡大に伴い業況が悪化したほか、円安で価格が上昇した商品の輸入制約もあり、破産を申請したという。
同調査では、「原油価格の高騰に加え、円安進行で原材料や資材などの価格上昇が続いている。中小企業は、仕入価格の上昇分を販売価格に転嫁するのは大手企業に比べて難しく、その間の仕入コストの負担増と収益悪化が中小企業の経営に大きな影響を与える」と指摘している。
2021年の「円安」関連倒産は6件、負債総額は17億2,300万円で、前年と比べて件数で2件、負債総額で12億4,500万円増加した。さらに4月28日の東京外国為替市場は、約20年ぶりに1ドル=131円台に円が下落。同調査では、「円安基調が一段と強まり、中小企業の資金繰りへの影響が注目される」としている。